平成 25 年度 市町村名 新技術・地域資源開発補助事業を活用した取組 企業等の名称 和歌山県橋本市 「パイル織物」を活用したウォームビズ製品及び小物・雑貨製品 の開発 紀州繊維工業協同組合 代表者氏名 理事長 所 在 地 和歌山県橋本市高野口町名倉 1067 番地 連 絡 先 0736-42-3113 U R L http://www.koyaguchi.com/ 事 業 名 企業等概要 妙中 清剛 平成 27 年 1 月現在 【事業者概要】 パイル織(編)物を製造販売する業者の組合。 人材養成事業、新事業動向等調査事業、情報収集、提供事 橋本市 業に取り組み、産地業界の新分野進出、新用途・新商品の開 発への支援事業を行っている。 【事業概要】 CraftMAP ◇背景・経緯 橋本市は県の北東端、大阪府と奈良県に隣接する人口 66,361 人(平成 22 年国勢調査) の林間田園都市である。 橋本市高野口町は、古来より繊維産業が盛んで、インテリアやアパレル、産業用資材 向け等の川中(中間の生産材:製織・製編・染色等)として発展し、 「パイル織物」の産 地として地場産業を形成している。パイル織物の特徴とされる3次元立体構造生地の高 度なパイル生産技術を有する企業が多数存在し、世界で唯一のパイルファブリックの総 合産地として、技術力の高さは世界トップレベルの評価を得ている。 一方で、日本の繊維産業は、近代産業の草分けとして歴史はあるが、産業構造が複雑 多岐に及んでおり、また中小・零細が多い川中は生地の委託生産を主としており、収益 を得にくい経営体質となっている。また、長引く景気の低迷や安価な輸入品の流入等に より産地を取り巻く環境は厳しく、最盛期の昭和 50~60 年頃に約 600 億円あった生産額 が現在では約 50 億円まで減少している。 本事業は、新たな試みとして最終製品の製造に取り組み、川中から川下(最終商品の 生産:縫製・販売)へ生産体制を転換し、産業の活性化を目指すもの。 パイル生地で作られる多種多様な製品 ◇研究開発の概要 デザイン性・機能性に富むパイル生地の特徴を活かしたウォーム ビズ製品や小物・雑貨を開発する。 【成果】 ◇地域性・特徴 毛足の長さが特徴のパイル織物は、素材ならではの温かさ・柔ら かさ・独特の風合い・高級感があり、最近は、「フェイクファー」と いわれる本物の毛皮を模したパイル織物の需要が高まっている。加工の仕方により多種 多様な生地が生産可能であり、これまでパイル織物が活用されてこなかった小物・雑貨 製品は、地域資源を活用したオリジナリティーの高い製品といえる。 橋本市の製造業全体に占める繊維工業の割合は、4分の1を占めており、同地域にと って重要な地場産業、雇用の場となっている。本事業により新たなビジネスモデルを構 築することで、繊維工業だけでなく、地域の活性化につなげる。 ◇商品化・販売先 タブレットカバー、ブックカバー、ブランケット24点を開発し、試作品を製造。 東京で開催した展示会に出展し、商品だけでなくパイルの産地としてPRを行った。 ブックカバー 5way ブラケット タブレットケース 【今後の展望】 生地の特性を生かした商品開発のノウハウを得たことにより、商品開発の継続・販売 の実現に向けて意欲的に取り組む事業者が増えている。委託生産型から自前での商品開 発や販路開拓を行う「自立化」への移行を目指す。
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