広報テーマ(12月号) (防災安全課) 平成 25 年中の住宅

広報テーマ(12月号)
(防災安全課)
平成24年中の住宅火災の件数と住宅火災による死者数
平成 25 年中の住宅火災件数
平成 25 年中の火災件数は 5,191 件(うち 1 件は、管外からの延焼火災)で、このう
ち住宅火災 ※ は 1,777 件でした。また、建物火災件数は 3,269 件発生し、そのうち住
宅火災が占める割合は 54.4%と、約5割を占めています。(図1)
※
住宅火災とは…住宅「複合用途建物の住宅部分を含む。」、共同住宅「寄宿舎を含む。」から出火した火災
(件)
8,000
7,000
6,747
6,377
6,000
5,000
4,000
5,915 5,800 5,763
5,601
5,088
3,834 3,979 3,727 3,637 3,731
3,493
5,341
5,089 5,191
3,214 3,247 3,346 3,269
3,000
2,000
1,000
総火災件数
建物火災件数
住宅火災件数
2,184 2,367 2,271 2,189 2,243 2,099
1,869 1,864 1,916 1,777
0
16年 17年 18年 19年 20年 21年 22年 23年 24年 25年
図1
最近 10 年間の住宅火災件数等の推移
住宅火災による死者の高齢者の割合
平成 25 年中の住宅火災による死者(自損を除く)は 72 人でした。このうち、65 歳
以上の高齢者(以下「高齢者」という。)は、49 人(68.1%)で過去 10 年間、最も高
い割合となっています。(図2)
(人)
120
114
110
101
100
94
102
86
98
106
94
89
77
80
87
78
83
70
85
76
72
60
40
火災による
死者
98
61
(57.5%)
60
(58.8%)
60
(61.2%)
46
(60.5%)
44
(56.4%)
61
48
(55.2%)
49
(59.0%)
21年
22年
20
57
(67.1%)
49
(68.1%)
40
(65.6%)
0
16年
17年
18年
図2
19年
20年
23年
24年
25年
最近 10 年間の住宅火災による死者数等の推移
13
住宅火災の
死者
65歳以上の
住宅火災の
死者
一人暮らし高齢者等の割合
平成 25 年度の住宅火災による一人暮らし及び出火時に一人でいた高齢者の死者の
割合は 78%でした。一人暮らし高齢者は年々増えており、火災により犠牲となる割合
も高くなる傾向にあります。(図3)
住宅火災における高齢者の死者数(全体)
住宅火災における高齢者の死者数(一人暮らし及び出火時1人)
(人)
高齢者の死者に占める一人暮らし及び出火時1人の割合
60
75%
50
48
40
60%
30
20
29
10
57
67%
49
78%
63%
49
40
33
36
30
38
0
21年
22年
23年
24年
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
25年
※21年は一人暮らしの高齢者死者数のみ計上しています。
図3
一人暮らし高齢者及び出火時1人の死者発生状況(過去5年)
高齢者の出火原因別死者の内訳
高齢者は、たばこ、ストーブ、こんろが原因の火災で死亡するケースが多く、他の
年代と比べると約3倍となっています。一方、負傷者数は他の年代よりも少ないこと
から、ひとたび火災が起こると、逃げ遅れなどで死亡に至ってしまう傾向がみられま
す。(図4、5)
「たばこ」の出火原因として、火源落下、寝たばこ、不始末等があげられます。
「寝
たばこを絶対にしない」
「 吸いがらは水につけてから捨てる」ことを徹底しましょう。
「こんろ」の出火原因として、使用中に放置、周囲の可燃物や着衣に着火等があ
げられることから、「その場を離れる時は必ず火を消す」「そで口や体が火に触れな
いように注意する」「こんろ周辺の整理整頓を心がける」ことが必要です。
「ストーブ」の出火原因として、可燃物が接触、可燃物が落下、引火等があげら
れます。いずれも使用中の取扱いが原因となり死者が発生していることを踏まえ、
「燃えやすいものは近くに置かない」「外出・就寝前には火を消す」「ストーブの上
には洗濯物を干さない」ことを徹底し、適切な使用を継続的に呼びかける必要があ
ります。
14
35
30
7
25
20
7
約3倍
こんろ
ストーブ
たばこ
15
10
16
5
3
6
0
高齢者の死者
(人)
図4
64歳以下の死者
住宅火災による出火原因別の死者数(平成 25年中)
250
200
57
高齢者の負傷者
は他の年代よりも
少ない
150
45
こんろ
100
ストーブ
22
35
50
115
たばこ
42
0
高齢者の負傷者
64歳以下の負傷者
(人)
図5
住宅火災による出火原因別の傷者数(平成 25年中)
高齢者は、日常生活の中に潜む火災危険に気付いたり、改善したりすること
が困難であり、特に一人暮らし高齢者は軽い認知症を発症した場合、火災発生
要因につながる行動があっても発見されにくい状況にあります。これらを踏ま
え、消防と関係機関等が連携する総合的な防火防災診断を実施し、普段の生活
環境、火災の発生危険等を発見・対応するきめ細かな防火防災対策により安
心・安全な生活へとつなげることが重要です。
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火災の発見・避難の遅れから火災による犠牲者を防ぐために
火災安全システムについて
高齢者や障害者を対象として、火災による犠牲者を防ぐため、東京都福祉保健局、
区市町村(一部を除く)及び東京消防庁では火災安全システム事業を実施していま
す。このシステムは、専用の通報機と住宅用火災警報器を接続し、火災信号を自動
的に東京消防庁に通報するものです。詳細については、区市町村の高齢者及び障害
者福祉担当課又は福祉事務所にお問い合わせください。
区市町村によっては、住宅用火災警報器、自動消火装置及びガス安全システムの
単独での給付事業を実施している場合がありますので、同様に区市町村の窓口にお
問い合わせください。
火災安全システムの概要については、次のとおりです。
利用できる方
1
おおむね 65 歳以上の一人暮らし、又はお年寄りどうしの世帯の方で、心身機能の低
下や居住環境などから、防火的配慮が必要な方
2
18 歳以上で身体障害や知的障害をお持ちの方で、障害の程度が重く、緊急時の対応
が困難な方
地域の協力体制づくりの促進
住宅火災の実態から明らかなように高齢者などの要配慮者は、災害時に自力での避
難が難しく、避難が遅れることが考えられ、消防隊が到着するまで近隣地域の方々に
よる援護が必要です。
日頃から、区市町村・町会・自治会、防災市民組織、事業所等が一体となり、
民生委員、社会福祉協議会、ボランティア組織、消防団などと連携し「自分たち
のまちは自分たちで守る」という意識をもって、「安心して暮らせる環境づくり、
まちづくり」を進めましょう。
また、災害時に支援や配慮が必要となる方々の安否確認や救護活動の要素を取
り入れた町会・自治会等での訓練や、支援を受ける方自身の防災行動力の向上が
図れるように、要配慮者対応を取り入れた訓練を推進しましょう。
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