再生資源市況について - 東京都リサイクル事業協会

■再生資源市況について
品
目
鉄
ス
ク
ラ
ッ
プ
飲
料
缶
古
紙
P
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T
ボ
ト
ル
廃
プ
ラ
ス
チ
ッ
ク
平成 27 年1月5日現在
市
況
昨年の鉄スクラップ市場は、電気炉3社の事業撤退や二大商社の合併等、平成 24 年秋の新日
鐵と住友金属の高炉再編を受け、電気炉の生き残りをかけた流通の再編に拍車のかかった1年で
した。鉄スクラップ相場は昨年初H2で3万8千円/㌧から値を下げ、為替の円安の影響で持ち
直しつつも、年後半は3万円/㌧を割り込む値が続いた。
本年について、日本鉄鋼連盟の粗鋼生産試算では、消費増税の影響から緩やかに回復し、経済
は好調を維持し、個人消費・住宅投資が回復に向かい設備投資や輸出の持ち直しに支えられ景気
は回復軌道を辿り、粗鋼生産量は今年度並みを維持すると予測。しかしながら鉄鉱石・原油等は
値下がり、
資源の商品相場の値下がりはH2で3万円/㌧より2万5千円/㌧弱含みの値を中心に
推移していくとみられる。
スチール缶については鉄スクラップ価格に連動し、H2より㌧当たり1万円引き位にて取り
引きされてきた。スチ-ル缶リサイクル協会の発表では、平成 25 年のスチ-ル缶リサイクル率
が 92.9%と過去最高を達成した。
これに対し、アルミ缶リサイクル率は 83.8%と前年の 94.7%より大きく低下した。これは使
用済みアルミ缶の海外輸出量が急増したためである。輸出先は韓国。アメリカアルミ圧延大手ノ
ベリス社が韓国で設備を稼働させたことによる。この輸出量に国内再生利用量を加えるとリサイ
クル率は 98.4%になる。リサイクルにてせっかく集めた資源が高値で輸出され、国内の使用済
みアルミ缶の価格も倍近く急騰したと報じられた。
(日本経済新聞)
今年も昨年と同様、アルミ原料の逼迫感は変わらないため高値が続くとみられる。
昨年の古紙市場は消費増税の影響を大きく受けた。1~3月の古紙消費は高い伸びを見せ、4
~6月の消費は大きく減少した。その一方で市況は価格変動のない穏やかさを示した。しかし、
年後半には円安が大きな波乱を巻き起こした。急激な円安は輸出価格の上昇に繋がり、秋口から
古紙3品の輸出に拍車をかけ、輸出量の割合も 20%を超えた。輸出価格は国内古紙より常に2
~3円/㌔の高値でリードする形となった。
今年は昨年に続き国内古紙需要回復の期待は持てそうもなく、古紙輸出市況に左右される 1
年になるとみられる。
昨年古紙再生促進センターが輸出委員会を設置。日本の紙リサイクルシステムの維持、発展を
輸出面から検討していくこととなった。古紙持ち去り問題対策に関しては、今年は成果が問われ
る年になりそう。古紙回収ルートが落ち着き、景気回復が顕著になれば国内古紙需要も回復し、
国内価格と輸出価格との価格格差も解消するものとみられる。
昨年のPETボトルのリサイクルは、日本容器包装リサイクル協会の入札において、上半期の
落札平均単価は㌧当たり5万 9,226 円となった。落札最低価格は有償の6万 214 円、最高価格は
逆有償の7万 6,336 円。又下半期の落札平均単価は㌧当たり5万 9,918 円となり、落札最低価格
は有償の6万 998 円、
最高価格は逆有償の7万 9,911 円になった。
年間平均は㌧当たり5万 9,535
円であった。
回収量は全体で 57 万9千㌧、リサイクル量は 49 万7千㌧、リサイクル率は 85.8%となった。
ペットボトルリサイクル推進協会は、PET ボトルが 2004 年を基準として9年間で 14.1%軽量化
されたことを公表した。また、ボトル to ボトルの取り組みでは、平成 25 年度のメカニカルリサ
イクルの分野の発展が顕著であり、再生ペット樹脂製品におけるボトル to ボトル製品の割合は
17.5%を占めるまでになった。
昨年の廃プラスチックのリサイクルは、日本容器包装リサイクル協会の入札において、年間平
均㌧当たり逆有償の5万 3,589 円となり、年々千円づつの上昇となっている。内訳でみるとケミ
カルリサイクルが4万 3,546 円、材料リサイクルの白色トレイが3万 9,898 円、材料リサイクル
の白色トレイ以外が6万 3,377 円となりました。ケミカルリサイクルの内訳では、高炉還元剤3
万 7.920 円、コ-クス炉化学原料化4万 5,433 円、合成ガス化4万 655 円となり、ケミカルリサ
イクルが廃プラスチックを牽引した。
本年は昨年までの経緯を鑑みれば、年間平均逆有償の5万 2,500 円程度に落ち着くとみられ
る。
(公社)東京都リサイクル事業協会広報委員会