平成26年度ほっかいどう学力向上推進事業「根室管内学力向上フォーラム」 「子どものやる気を高め、考える力を育てるためには」 9月27日(土) 、標津町生涯学習センターを会場に「平成26年度ほっかいどう学力向上推進事業「根 室管内学力向上フォーラム」を開催しました。教職員、保護者、教育委員会職員など、約120名の参加 の下、教育コーチングオフィス・サイタコーディネーション代表の江藤真規氏が「子どものやる気を高め、 考える力を育てるためには」と題して講演し、その後、 「子どものやる気を高め、考える力を育てるために 学校、家庭、地域でできること」をテーマにワークショップを行いました。 ◆講演「子どものやる気を高め、考える力を育てるためには」 教育コーチングオフィス・サイタコーディネーション代表 江 藤 真 規 氏 1 グローバル時代の到来 これからの知識基盤社会では、経済や人材のグロ ーバル化が進み、労働市場における競争が激化する であろう。そのため、今後の教育活動に求められる ことは「考える力」の一層の育成である。 2 求められる意識改革 時代は、記憶する時代から考える時代、やらされ る時代からやる気が求められる時代に変わりつつあ る。そのため、私たちは教えることから、子どもの やる気や多様で柔軟な考え方を「引き出すこと」に 意識を変える必要がある。 3 やる気の3要素 子 ど も の や る 気 を 高 め る た め に は 、「 子 ど も が 自 信 を も つ こ と 」「 目 標 を も つ こ と 」「 子 どもが安心して学習することができる環境を整えること」を重視する必要がある。 4 コーチングアプローチ 自 分 で 考 え 、自 分 の 考 え を 表 現 す る た め に は 、コ ー チ ン グ の 考 え 方 を 生 か す こ と が 有 効 で あ る 。コ ー チ ン グ は 、相 手 と の 対 話 を 通 し て 、答 え を 引 き 出 す た め 、相 手 に と っ て は 自 分で考えることになる。 5 コーチングスキル (1) 聴 く こ と 子 ど も と の 会 話 に お い て は 、「 こ の 子 は 、 こ ん な こ と を 考 え て い る ん だ ! 」 と い う よ う に 、自 分 の た め で は な く 、子 ど も の た め に 話 を 聴 く こ と が 大 切 で あ る 。そ の た め 、3 分間でもよいので、子どものために話を聴く特別な時間を 設ける。 (2) 質 問 す る こ と 子 ど も と の 会 話 に お い て 、「 ど う し た ら よ い と 思 う ? 」 など、オープンクエスチョンを心掛けることが大切である。 と り わ け 、「 あ な た の 意 見 は ? 」「 一 言 で 言 う と ? 」 と い う 質問をすることにより、子どもが考えていることを整理す ることができる。 (3) 承 認 す る こ と 子 ど も の 頑 張 り や 努 力 を 承 認 す る た め に は 、「 具 体 的 に 褒 め る こ と 」「 変 化 を 褒 め る こ と 」「 出 来 る こ と を 見 て あ げ ること」を心掛けることが大切である。承認されると、子 どもは安心し、その安心感が行動力の源になる。 ◆ワークショップ 「子どものやる気を高め、考える力を育てるために学校、家庭、地域でできること」 ワークショップにおいては、教職員、保護者、教育委 員 会 職 員 等 が そ れ ぞ れ グ ル ー プ と な り 、「 子 ど も の や る 気を高め、考える力を育てるために学校、家庭、地域で できること」をテーマに協議し、全体交流しました。そ れぞれのグループで協議されたことの一部を紹介します。 1 学校でできること ・「 分 か っ た ! 」「 で き た ! 」 と い う 小 さ な 成 功 体 験 を 繰り返し味わうことができるようにする。 ・たとえ小さなことであっても、子どもの頑張りを認 め、褒める。 ・子どもの頑張りを教員同士で共有する機会を設ける。 ・子どものよさを保護者に伝え、保護者から子どものよさを褒めてもらう。 2 家庭でできること ・子どもの得意なことを子どもと一緒に見付ける。 ・保護者が頑張る姿を子どもに見せる。 ・子どもができることを褒めつつ、子どもができないところをフォローする。 ・共通の趣味をもつなど、子どもと一緒に活動を楽しむ。 3 地域できること ・地域全体で子どもたちを育てていくという考え方を大人がもつ。 ・子どもの好奇心を高めたり、子どもが興味をもつような機会を設ける。 ・子どもが参加したくなるようなイベントを開催する。 ・みんなで集まる機会を増やし、体験活動を行う。 ◆参加者の声 1 保護者の声 ・講 師 の 説 明 が と て も 分 か り や す く 、日 ご ろ 、自 分 が 思 っ て い る こ と を す べ て 言 葉 で 表 現 し て い た だ き 、自 分 な り に こ れ で 良 か っ た の だ と 思 っ た り 、こ れ は 間 違 っ て い た の だ と 思ったりして、大変勉強になりました。 ・忙 し さ や 心 の 余 裕 が な い と き に は 、子 ど も に 対 し て 、つ い 命 令 口 調 に な っ て し ま う 傾 向 が あ り ま し た 。わ ず か な 時 間 で も 自 分 の 気 持 ち や 子 ど も の 気 持 ち に 向 き 合 い 、お 互 い の 話 を 聴 き 合 う 時 間 を つ く り た い と 思 い ま し た 。 子 ど も に 対 し て 、「 ~ さ せ よ う 」 で は な く、 「~してあげよう」 「 ~ し て み た い 」と い う 気 持 ち を も つ こ と の 大 切 さ に 気 付 か さ れ ました。”気付き”のきっかけをもらった講演でした。 ・言葉での表現を少し変えるだけで、受け取る側が全く違う気持ちになると思いました。 とても興味深い内容であり、大変勉強になりました。 2 教職員の声 ・目 の 前 の 子 ど も た ち の や る 気 に つ い て 、ち ょ う ど 考 え て い た 時 期 だ っ た の で 、講 演 を 通 し て 、た く さ ん の ヒ ン ト を い た だ き ま し た 。自 分 の や る 気 の 高 め 方 に つ い て も 通 じ る と ころがあり、これからの取組に生かしていきたいと思います。 ・子 ど も に 対 す る 具 体 的 な 声 の か け 方 や そ の 裏 付 け と な る 理 論 が 分 か り 、大 変 勉 強 に な り ました。 ・明 日 か ら す ぐ に 使 い た い と 思 う ス キ ル が 多 く あ り 、楽 し く 積 極 的 に 参 加 す る こ と が で き ま し た 。「 や る 気 」 に つ い て 再 考 す る こ と が で き る 良 い 機 会 と な り ま し た 。 3 教育委員会職員等の声 ・「 や ら さ れ る 時 代 か ら 、 や る 気 を 引 き 出 す 時 代 へ 」 と い う 講 演 内 容 は 、 今 、 ま さ に 必 要 なことであると思い、とても参考になりました。 ・何 度 も こ の よ う な 機 会 に 参 加 す る こ と に よ り 、保 護 者 の 意 識 が 少 し ず つ 変 わ り 、子 ど も のやる気を高めることにつながればよいと思っています。
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