関市新エネルギービジョン(素案)【概要版】 1.策定の目的 日常生活に必要とされるエネルギー資源を、自然の恵みなどから取り込み、それを活用 し事業者や市民も巻き込んだ事業を展開することで、新たな収益や雇用などを生み出すこ とができます。また、災害用電源として市民に開放することや、発電等によって発生した 熱や温水を農業や福祉などに活用していくことで、地域が抱える社会的な課題を解決する 可能性も秘めています。 今後、広い市域に豊富に存在する自然エネルギーを有効に活用するため、可能性の高い 新エネルギーについて重点的な導入を推進・普及させるとともに、地域の活性化にもつな げることを目的としています。 2.利用可能性のある新エネルギー 本市における各エネルギー源の賦存量と可採量を地理的条件や自然条件から考察すると ともに、課題及び今後の技術革新なども考慮して利用可能性についてまとめました。 エネルギーの種類 太陽光発電 小型風力発電 小水力発電 地中熱利用 利用可能性 ◎ × △ × エネルギーの種類 バイオマス 農業資源 発電 畜産資源 木質資源 一般廃棄物 利用可能性 △ △ ○ △ 3.将来ビジョン 本市における新エネルギーの推進にあたっては、国や県の政策を踏まえ次の3つの基本 方針の実現に向けて進めていきます。 ①地域の特性に応じたエネルギーの利用 ②地域の民間活力を主体とした産学官の連携 ③新エネルギー事業による新たな地域活性化への展開 (1)地域の特性に応じたエネルギーの利用 太陽光発電については、技術革新によって蓄電池の市場価格が低下すれば、一般住宅だ けでなく工場や事務所などにおいても、太陽光発電システムと蓄電池の併設による電力自 給システムの構築が可能と思われます。賦存量が豊富な平坦地を中心に、今後は市の支援 がなくても着実に増加すると推測されます。 バイオマス発電については、山間地域の木質系バイオマス資源である切捨間伐材の賦存 量は多いものの、収集可能な範囲の切捨間伐材は既に収集されているため、有効利用可能 量が少なく推進していくのが困難です。 1 そこで、本市のみならず全国的に多く存在する、伐採適齢期あるいはそれ以上の齢級に ある人工林の主伐(皆伐)を行い、木材供給と木質エネルギー資源としての活用を進めま す。そして、新たな樹種に転換することで山の木のサイクルが確立され、Co2 の削減や水 源の涵養はもとより林業活性化にも寄与します。 そのほか廃棄物系バイオマス資源である家庭系厨芥類については、有効利用可能量が多 いため、今後市街地を中心に収集システムを構築しながらバイオマス発電施設の設置を進 めてまいります。 小水力発電については可能性調査を推進しながら、山間地域など出来るところから設置 を進めてまいります。 (2)地域の民間活力を主体とした産学官の連携 地域の特性に応じた新エネルギー事業を成立させるためには、市単独で事業に取り組む のではなく、事業遂行のノウハウを持った民間事業者や、大学などの研究機関などとの産 学官連携を積極的に進めます。また、エネルギーについて、小中学校での環境学習の教材 として活用することで、児童生徒の関心を高め、地域ぐるみで事業を展開することを進め ます。 国においても「バイオマス事業化戦略」などによる地域活性化に向けた支援制度を整備 していることから、意欲のある地域の事業者と連携を深めていくことで、本市における新 エネルギー利用の仕組みを構築していきます。 (3)新エネルギー事業による新たな地域活性化への展開 新エネルギー資源は、地域由来の自然の恵みなどであり、貴重な地域資源でもあります。 それを活用し、事業者や市民も巻き込んだ事業を展開することで、新たな収益や雇用など を創出します。 新エネルギーを活かした地域産業の発展を行うため、エネルギー関連事業者や、農林関 係事業者等との情報共有を行い事業化を推進していきます。 さらには、民間の資金力や市民ファンドなど地域の資本循環を創造する仕組みを取り入 れることで、地域経済の一層の活性化にもつなげていきます。 また、安全安心なまちづくりを行うため、地域防災拠点に新エネルギーを導入し、災害 時に活用できるよう防災力の強化を図ります。 4.取組み方法 <太陽光発電> 目標(平成 36 年度) 市内年間電力使用量の 3.0%を確保 関市内で中部電力の一般家庭および大規模工場等も含めた、年間平均電力使用量は約 840,000Mwh です。 平成 24 年度から 26 年度までに設置した太陽光発電システム総電力量は、固定価格買取 制度の優遇措置があるため、住宅用が約 2,800Mwh、事業用が約 9,500Mwh で、合計 12,300Mwh となり、3年間で全体の約 1.5%を賄うまでになりました。 今後、公共施設の新築・改築時に合わせた設置や公共施設の再編の中で、可能な施設の 2 屋根貸しを行います。また防災拠点施設は、防災力の強化にも繋がるため、積極的に導入 を進めます。 ソーラー設置事業者等への情報提供を積極的に行い、市内遊休地や未利用地を活用して 太陽光発電の設置を進めます。また農業においては、ソーラーシェアリングなど新しいシ ステムの構築を検討します。 ※ソーラーシェアリング・・・農地に支柱を立てて、上部空間に太陽光発電設備等の発 電設備を設置し、農業と発電事業を同時に行うことをいう。 <小水力発電> 目標(平成 36 年度) 山間地域に4基設置 豊かな山林を源として、流出する水源の水量や落差を考慮して、可能性のある洞戸・板 取・武儀・上之保地域への導入を図ります。 なお、山間地域は災害時に孤立することも想定されるため、非常用電源とした取り組み も図っていきます。 <バイオマス> 目標(平成 36 年度) バイオマス発電施設1基設置 廃棄物系バイオマス 一般家庭からの厨芥類は収集方法に課題があるため、市街地を中心としてモデル地 区を設けて、発電設備の導入を進めます。 木質系バイオマス 収集できる範囲の切捨間伐材は既に収集されており、有効利用可能量が少なく、利 用するのは難しい現状です。 そこで、本市の山林は、伐採適齢期あるいはそれ以上の齢級にある人工林が多いの で、林業関係者の協力により、主伐(皆伐)を行い幼齢木への転換を進めます。伐採 した木材はステーションに集積し、製材用、燃料用、発電用に振り分け有効活用を図 ります。 木質系バイオマス発電施設は、民間事業者の立地を促し、有効な場所に設置するよ う進めていきます。 幼齢木への転換により Co2 の吸収率を高めることや、環境等に配慮した木を植える ことで、安心して住みやすいまちづくりに努めます。 お問合せ先 関市 経済部 商工課 〒501-3894 岐阜県関市若草通3丁目1番地 ℡ :0575-23-6753 Fax:0575-23-7741 3
© Copyright 2024 ExpyDoc