次世代エネルギーパーク計画書;pdf

次世代エネルギーパーク計画書
1.計画名称
ふじのくにしずおか次世代エネルギーパーク
2.所在地
静岡県内
3.計画策定主体
【地方自治体、第三セクター等】
【担当部署名、担当者の役職、氏名、連絡先等についても記載下さい。】
静岡県企画広報部政策企画局エネルギー政策課
担当 主査 小笠原 彩子
〒420-8601 静岡市葵区追手町 9 番 6 号
TEL:054-221-2949
FAX:054-271-5494
E-mail: [email protected]
4.実施運営主体
【地方自治体、第三セクター、民間企業等】
【協議会等を組織する場合は、その参画主体及びその組織設置スケジュールにつ
いても記載してください】
静岡県
5.計画概要
(1)計画のコンセプト
【地域特性等の特色や創意工夫について、具体的に記載してください。】
<地域特性>
○静岡県は日本のほぼ中央に位置し、太平洋に面して東西155キロメートル、南北118キロメートルの距離、7,780
平方キロメートルの面積を有しています。富士山など3,000メートル級の山々からなる北部山岳地帯と、遠州灘、
駿河湾、相模灘に沿った約 500 キロメートルの海岸線が、東西に長い地形を囲んでいます。山地から流れ出た
川が、天竜川、大井川、富士川となって県土を縦断し、海岸に注いでいます。
○このように、本県には、水や森林、温泉、海洋などの自然エネルギー資源が豊富に存在しており、さらに、国内
全観測地点(154 箇所、平成 24 年)中、御前崎が1位、浜松が3位、静岡が4位と日照環境にも恵まれています。
<新エネルギー等の導入計画>
○本県では、県の将来像とそれを実現するための施策を示した最上位計画である「静岡県総合計画」や環境部門
の大綱である「静岡県環境基本計画」において、新エネルギー等の導入促進を重要な施策の一つに位置付け
ており、平成 23 年3月には、個別計画となる「ふじのくに新エネルギー等導入倍増プラン」を策定しました。
○同プランでは、本県の豊かな自然資源を活用して平成 21 年度に 5.4%であった新エネルギー等導入率を平成
32 年度までに 10%以上にすることを目指しており、平成 23 年度末時点における導入率は 6.4%(暫定値)と、
目標の達成に向けて順調に推移しています。
○本県は全国トップの日照環境に恵まれた地域であることから、太陽光発電の導入に重点的に取り組むとともに、
中小水力発電やバイオマスエネルギー、温泉熱発電など多様な地域資源を生かした新エネルギーの導入を推
進するとともに、「太陽の都」、「森林の都」、「水の都」として魅力ある地域づくりを進めています。
1
<「ふじのくに新エネルギー等導入倍増プラン」の目標及び実績>
・目標
(単位:万 kl、万 kW)
項
目
H21 年度(基準年度)
原油換算 設備容量
2.43
9.94
5.96
2.02
4.51
2.23
2.16
3.99
1.16
0.95
-
-
H25 年度(中間目標)
原油換算 設備容量
4.0
17.0
8.0
6.0
14.0
3.0
3.0
5.0
1.6
1.3
-
-
新エネルギー
太陽光発電
太陽熱利用
風力発電
バイオマスエ 発電
ネルギー
熱利用
中小水力発電
温泉熱発電
天然ガスコージェネ
39.48
45.01
54.0
61.0
レーション
計
57.27
62.57
81.6
96.3
最終エネルギー消費量
1,056 万 kl
1,064 万 kl
新エネルギー等導入率
5.4%
7%以上
※最終エネルギー消費量は、H19 年度(2007 年度)の実績を元に推計
H32 年度(目標)
原油換算 設備容量
22.0
90.0
12.0
8.6
20.0
4.0
4.0
8.0
2.3
1.9
0.1
0.1
高度利用
・導入実績
79.0
90.0
136.0
206.0
1,082 万 kl
10%以上
(単位:万 kl、万 kW)
項
目
H21 年度
原油換算
設備容量
2.43
9.94
5.96
2.02
4.51
2.23
2.16
3.99
1.16
0.95
-
-
H22 年度
原油換算
設備容量
3.24
13.23
5.89
5.81
13.01
2.52
2.44
4.35
1.17
0.95
-
-
新エネルギー
太陽光発電
太陽熱利用
風力発電
バイオマスエ 発電
ネルギー
熱利用
中小水力発電
温泉熱発電
天然ガスコージェネ
39.48
45.01
37.41
42.64
レーション
計
57.27
62.57
60.40
72.27
最終エネルギー消費量
968.39 万 kl
961.73 万 kl
新エネルギー等導入率
5.9%
6.3%
うち新エネルギー
1.8%
2.4%
※最終エネルギー消費量:H21 確定値(H24.6 国公表)、H22 暫定値(H24.6 国公表)
H23 年度
原油換算
設備容量
4.60
18.78
6.76
6.44
14.41
2.29
3.03
4.41
1.17
0.95
-
-
高度利用
35.93
40.96
61.59
78.13
961.73 万 kl
6.4%
2.7%
※H23 の新エネルギー等導入率は、H22 の最終エネルギー消費量(暫定値)による暫定値
<新エネルギー等の普及啓発に向けた取組>
○県では、平成6年度以降、積極的に県有施設に太陽光発電設備を導入しており、平成 24 年度までに約 361kW
を導入しています。また、平成8年度に県内初となる 300kW の風力発電設備を導入するなど、新エネルギー等
の率先導入に努めています。
○県民や企業、市町などとの協働による新エネルギー等の導入を促進するため、平成 16 年度以降、先進事例等
を紹介する「新エネルギー推進セミナー」を年3回程度開催し、新エネルギー等の普及啓発に努めています。
○また、県内の各市町では、それぞれの地域特性を踏まえ、エネルギーの地産地消に向けた取組が実施されて
いることから、平成 25 年3月に、「エネルギーの地産地消に向けた市町の取組集」を作成し、県民や企業、市町
等との情報の共有化を図っています。
2
【地域住民等国民各層の理解増進を促進するための、立地上の位置づけその他の工夫について記載して下さ
い。】
○県内全域をエネルギーパークと位置付け、それぞれの地域特性を踏まえた多様な新エネルギー等を効果的に
見学・体験することにより、県民の新エネルギー等に対する理解増進を促進します。
○具体的には、県内を4つのエリアに分け、それぞれのエリア内で多様な新エネルギー等を一体的に見学・体験
できるとともに、エリア間を移動することで、テーマ性のある多彩な見学・体験ができるようにします。
○また、既に認定を受けている「浜松市次世代ダイバーシティエネルギーパーク」とも連携して普及啓発に取り組
むとともに、本計画と併せて平成 25 年3月に作成した「エネルギーの地産地消に向けた市町の取組集」を紹介
することにより、県内全市町参加型の次世代エネルギーパークを目指します。
○新エネルギー等に対する理解を深めるとともに、地域に存在する資源を再認識してもらい、地域資源を有効に
活用するためのきっかけとなるよう、効果的な広報にも取り組みます。また、これらの取組を通じて、地域の活性
化や地域間の交流、さらには、新たな産業の創出にもつなげていきます。
(2)計画の全体像
○本県では、県や市町による公共施設への率先導入に加え、民間施設においても新エネルギー等の導入が進
んでいることから、県内全域に所在する官民の施設を織り交ぜて次世代エネルギーパークを構成します。
○本県は東西に長く、地域ごとに特色ある自然資源を有していることから、県内を「伊豆半島エリア」、「東部エリ
ア」、「中部エリア」、「西部エリア」の4エリアに分け、より身近な場所で新エネルギー関連施設を見学・体験でき
るようにします。
○また、今後導入される官民の新エネルギー関連施設についても、可能な限り構成施設として活用することによ
り、更なる充実を図っていきます。
【計画図があれば、別途添付してください。】
○別添「ふじのくにしずおか次世代エネルギーパーク計画図」のとおり
【計画が複数の地区や地域にまたがる場合、中心となる施設と個々の施設との地理的関係を明示するとともに、
それらに関し、一体的に見学できるような工夫等について記載してください】
○計画では、県内を4つのエリアに分けることから、各エリアの中心となる施設を巡るルートや、同一種類の新エネ
ルギー関連施設を巡るルートなど、テーマ性のある多彩な見学・体験コースを提案し、エリアごとの連携を図っ
ていきます。
○また、広報用に作成するパンフレットやホームページ内の専用サイトなどを活用して、既に認定を受けている
「浜松市次世代ダイバーシティエネルギーパーク」を紹介し、浜松市内の施設とも連携を図ります。浜松市にも
同様の協力を依頼することにより、それぞれが2つのエネルギーパークを広報できるようになり、相乗効果が期
待できます。
3
(3)関連施設
【計画に含まれる個々の再生可能エネルギー等の施設・設備毎に記載下さい。】
○4つのエリアごとに中心となる施設及び既存・新設施設を設定します。
○詳細については、別添「ふじのくにしずおか次世代エネルギーパーク施設一覧」参照
<伊豆半島エリア>
○特徴
・伊豆半島エリアは、特徴ある歴史・風土を有するととともに、世界ジオパークに向けた取組が行われている地域
です・
・このエリアは自然資源が豊富に存在しており、特に風況に恵まれていることから、風力発電の導入が進んでい
ます。また、最近では、観光地としての付加価値を高めるため、水や温泉などの多様な自然エネルギーを活用
したまちづくりも進められています。
○施設概要
区 分
施設名
新エネ等の内容
所有者・管理者
設置(予定)時期
所在地
中心施設
東伊豆町風力発電所
風力発電
東伊豆町
H15.12
東伊豆町
既設施設
河津町小水力発電施設
小水力発電
河津町
H25.3
河津町
新設施設
奥野ダム
小水力発電
静岡県
H26
伊東市
東伊豆町温泉発電施設
温泉発電
東伊豆町
H26
東伊豆町
(予定)
<東部エリア>
○特徴
・東部エリアは、日本のシンボル富士山を仰ぎ、首都圏に近接する地域です。
・富士山周辺には森林資源が豊富に存在することから、木質系のバイオマスの活用が盛んです。また、富士・富
士宮地域においては、製紙業を始めとする工場が多数立地していることから、熱と電気を同時に生み出すコー
ジェネレーションシステムの導入が進んでいます。
4
○施設の概要
区 分
中心施設
既設施設
施設名
新エネ等の内容
所有者・管理者
設置(予定)時期
所在地
Y-TOWN御殿場
太陽熱・バイオマス
矢崎総業
H20.9
御殿場市
田貫湖ふれあい自然塾
太陽光・バイオマス等
環境省
H19
富士宮市
エコライフスクエア三島きよずみ
太陽光・燃料電池
静岡ガス
H23.3
三島市
富士山ペレット工場
バイオマス
富士総業
H23.7
小山町
<中部エリア>
○特徴
・中部エリアは、駿河湾から南アルプスまでの多様な自然を有し、森林、田園、茶園の景観などの自然空間と都
市空間との調和を目指すとともに、中枢機能を担う地域です。
・年間の日照時間が長いことから、メガソーラーの計画が進められており、豊富な森林資源や食品廃棄物等を活
用したバイオマスエネルギーも導入されています。また、最近では、大井川から取水した農業用水を活用した
小水力発電の導入が進められています。
○施設の概要
区 分
中心施設
既設施設
施設名
新エネ等の内容
所有者・管理者
設置(予定)時期
所在地
大井川用水伊太発電所
小水力発電
農林水産省
H25.7
島田市
集光型太陽光発電設備
太陽光発電
第一化成
H24.2
牧之原市
落居ウィンドファーム風力発電所
風力発電
白川電気土木
H18
牧之原市
木質バイオマス発電所
バイオマス
静岡製材協同組合
H16
静岡市
バイオマス燃料製造工場
バイオマス
静岡油化工業
H23.6
静岡市
5
新設施設
(予定)
ガスコージェネレーションシステム等
バイオマス・コジェネ
ネスレ日本島田工場
H16
島田市
嫌気性廃水処理設備・メタンガス貫流ボイラー
バイオマス
サッポロビール静岡工場
H10
焼津市
田代環境プラザ
廃棄物発電
島田市
H18
島田市
ソーラーパークしまだ
太陽光発電
島田市ほか
H26
島田市
バイオマスボイラー施設
バイオマス
特種東海製紙島田工場
H27
島田市
細島発電所(仮称)
小水力発電
大井川土地改良区(予定) H27
島田市
<西部エリア>
○概要
・西部エリアは、浜名湖や遠州灘、天竜川、森林等の自然環境を有し、ものづくり技術が集積する地域です。
・遠州灘に面した海岸地域は風況が良いことから、当エリアでは特に風力発電の導入が進んでいます。また、全
国トップの日照環境に恵まれた地域であることから、太陽光発電の導入も進んでいます。
○施設の概要
区 分
中心施設
既設施設
新設施設
(予定)
施設名
新エネ等の内容
所有者・管理者
設置(予定)時期
所在地
浜岡原子力館新エネルギーホール
新エネルギー全般
中部電力
S47
御前崎市
御前崎風力発電所
風力発電
中部電力
H22.2
御前崎市
遠州掛川風力発電所
風力発電
くろしお風力発電
H23.9
掛川市
竜洋しおさい風力発電所「風竜」 風力発電
磐田市
H15
磐田市
伊達方発電所
小水力発電
大井川右岸土地改良区(予定)
H26
掛川市
西方発電所
小水力発電
大井川右岸土地改良区(予定)
H26
菊川市
6
6.全体スケジュール
<広報・利活用計画>
○本計画を広く県内外に情報発信することにより、県民の新エネルギー等に対する理解を深めるとともに、来県者
に対して自然資源に恵まれた本県の魅力をアピールします。
○次世代エネルギーパークを広報するため、平成 25 年度以降、以下の施策に取り組みます。
・県・市町庁舎や空港、道の駅等、多くの人が集まる施設でのPR(パンフレット配架等)
・県及び市町の広報紙への掲載
・県ホームページ内での専用サイトの開設
・新エネルギー推進セミナーの開催等
○また、学校等における環境教育として活用するとともに、県内市町の観光PRとの連携を図ります。
○今後導入される官民の新エネルギー関連施設についても、可能な限り構成施設として活用することにより、更な
る充実を図っていきます。
7.運営費
【運営費について収支(費用)予測ならびに費用負担計画について記載してください。】
○次世代エネルギーパークを広報するためのパンフレットの作成やホームページ内の専用サイトの開設、セミナ
ーの開催等に要する経費は、県が負担します。
○施設の管理・運営に係る費用は、各施設管理者が負担します。
○入場料または利用料等を徴する施設については、当該施設の運用に従うこととします。
【可能な範囲で、来場者数の見込みや波及効果について記載してください。】
○地域に存在する資源を再認識してもらうことで、地域資源の更なる有効活用が期待できます。また、交流人口の
7
拡大や関連産業の振興などにも貢献します。
8.関連する新エネルギービジョン等
【NEDOの新エネルギービジョン事業その他の事業により地方自治体がビジョンを策定している場合、その名称
及び作成年度、概要等について記載してください。】
○静岡県環境基本計画(平成 23 年 3 月策定)
・計画では、「第 3 章 環境施策の展開」の「2 施策の方向性」として、「低炭素社会」「循環型社会」「自然共生社
会」の3つの社会に向けた取組が、一層促進されることを目指すこととし、「3 将来像のイメージと施策の展開」
において、「「エネルギーの地産地消」により自立する「新エネルギー先進県」を目指し、本県の豊かな自然資源
を活用して新エネルギー等の導入を促進する」としています。
○ふじのくに地球温暖化対策実行計画(平成 23 年 3 月策定)
・計画では、温室効果ガスの「削減目標の達成に向けた取組」の中で、「ふじのくに新エネルギー等導入倍増プ
ラン」に基づいて、太陽光発電やバイオマスエネルギー、風力発電、中小水力発電、温泉熱発電、燃料電池等
のエネルギー高度利用技術などの、本県の豊かな自然エネルギーを活用した新エネルギー等の導入を促進
するとしています。
○ふじのくに新エネルギー等導入倍増プラン(平成 23 年 3 月策定)
・本プランは、「静岡県総合計画」や環境部門の大綱である「静岡県環境基本計画」の目標を達成するため、新
エネルギー等の導入に関する基本方針を示すものであり、平成23年3月に策定しました。県民や事業者等が、
それぞれの役割に応じて積極的に新エネルギー等の導入に取り組むための共通の指針とするものです。
・同プランでは、今後 10 年間で新エネルギー等の導入量を倍増することを目標に掲げ、「温室効果ガス排出量
の削減」、「エネルギーの地産地消の推進」、「関連産業の振興」に取り組んでいます。本県は日照環境に恵ま
れていることから、太陽光発電の導入を重点施策と位置付けるとともに、木質バイオマスエネルギーや中小水力
発電、温泉熱利用など地域の特性を活かした新エネルギーの導入を戦略的プロジェクトとして推進し、魅力ある
地域づくりを進めることとしています。
○添付資料
1.計画図
・ふじのくにしずおか次世代エネルギーパーク計画図
2.その他参考資料
・ふじのくにしずおか次世代エネルギーパーク施設一覧
・エネルギーの地産地消に向けた市町の取組集
8