経済対策と税制改正が決定、住宅市場活性化が目玉に

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2015 年 1 月9 日号
222
ハウジング・トリビューン【ウィークリー】
http://www.sohjusha.co.jp
今週のトピック解説
経済対策と税制改正が決定、住宅市場活性化が目玉に
緊急経済対策と2015年度の税制改正が決定し、住宅市場
の活性化を促す様々な対策が盛り込まれた。
まず政府が打ち出した「地方への好循環拡大に向けた緊急
経済対策」では、住宅エコポイントの復活が決定した。制度
の内容は前回のものとほぼ同じになる見込み。
木造住宅の新築の場合、省エネ基準をクリアしたものがポ
イント付与の対象になる。木造住宅以外はトップランナー基
準相当の省エネ性能が求められる。ポイント数は一律30万
ポイント。リフォーム工事は、窓の断熱改修、外壁、屋根・
天井、床の断熱改修(部分断熱も可)のほか、エコ住宅設備
の設置もポイントの付与の対象。太陽熱温水器や浴槽、トイ
エコポイントの復活、フラット 35Sの金利引き下げ、贈与税の非課税枠の拡充
などで住宅市場の活性化に向けた期待感が高まる
(写真はイメージ)
レに加えて、給湯器と節湯水栓も対象になる見込み。エコリ
た質の高い住宅であれば1000万円までが非課税であった。
フォームだけでなく、バリアフリー改修、リフォーム瑕疵保険、
一般住宅の非課税枠は500万円。
耐震改修にもポイントを付与する。工事内容に応じてポイン
2015年度の税制改正では、質の高い住宅で1500万円、一
ト数が変わる。最大ポイント数は30万ポイントだが、耐震
般住宅で1000万円にまで非課税枠を拡充する。ここで言う
改修を行った場合に限り45万ポイントとなる。
質の高い住宅とは、省エネ性能、耐震性能、バリアフリー性
対象期間は経済対策の閣議決定日(2014年12月27日)か
のうち、いずれかの要件をクリアした住宅。
ら2015年11月までに契約した工事。閣議決定日から2016年
3月31日までに着工する必要がある。
2016年1月以降は非課税枠が縮小していく。ただし、消費
税率が10%に引き上げられる場合、請負契約の経過措置が
今回の緊急経済対策には、フラット35Sの金利引下げも
切れる2016年10月から2017年9月までに契約をすると、非
盛り込まれた。現行の0.3%という当初10年間の金利引下げ
課税枠は質の高い住宅で3000万円、それ以外の住宅で2500
幅を0.6%にまで引き上げる。フラット35の1月の最頻金利
万円にまで拡充される予定だ。
(取扱金融機関が提供する当月の金利の中で最も多い数値)
贈与税の非課税措置の対象は新築だけでなく、リフォーム
は1.47%。ここから当初10年間は0.6%金利が引き下げられ
も含まれるが、今回の改正では対象となるリフォームの範囲
ると、金利は0.87%となる。現行のローン減税の控除率が
を拡大する。大規模増改築、耐震リフォーム等に加えて、省
年末のローン残高の1%であることを考慮すると、当初10年
エネ、バリアフリー、給排水管等のリフォームも対象に追加。
間の金利負担を実質ゼロにすることも可能だ。
贈与税は1500万円まで非課税
一方、2015年度の税制改正では、
「住宅取得等資金に係
消費税率の10%への引き上げが延期されたことを受け
て、ローン減税の適用期限も1年半延伸する。2017年末から
2019年6月末までに変更になる。同様にすまい給付金の現行
制度も1年半延伸する。
る贈与税の非課税措置等の延長・拡充」が盛り込まれた。贈
そのほか、事業者が中古住宅を買取り、一定以上の性能向
与税の非課税措置とは、住宅取得などのための資金に限り、
上リフォームを実施し再販する場合、事業者に課せられる不
贈与税を軽減する制度。2014年末までは一定の性能を備え
動産取得税を軽減する措置も講じる。
今週の主なニュース
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・ミサワホーム 子どもの成長に配慮した戸建住宅を開
発 4ステップの学びの空間を導入
・パナソニック・パナホーム 介護関連事業を一気通貫
体制に 2018年までに150拠点のサ高住を開設
・東急リバブル・東急ホームズ・ミサワホーム 事業用・投資
用不動産分野で提携 新築・増改築工事や顧客紹介で連携
・旭トステム外装 細石積柄の金属サイディングを発売
特殊な塗装技術で自然素材の風合いを再現
・リンナイ 省エネ性能を高めたハイブリッド給湯・暖房システム
を発売 業界最高レベルの給湯一次エネルギー効率138%を実現
・コロナ 地中熱ヒートポンプの新工法を開発 工事費
を従来の約4分の1に低減