Ⅶ.排出量の算定方法(使用量の算定)

埼玉県地球温暖化対策計画・実施状況報告制度 よくある質問・回答集
Ⅶ.排出量の算定方法(使用量の算定)
Ⅶ(1)使用量の算定方法
Ⅶ(1)1.燃料等使用量はどのように算定するのですか?
燃料等使用量は、事業所内にある燃料等使用量監視点ごとに算定します。
算定は購買伝票等により把握した燃料等の購買量により行い、運転管理等に用いられる
メーター値(実測値)は原則として使用できません。
Ⅶ(1)2.購買伝票等とは何ですか?
本制度における購買伝票等とは「2者間の取引に用いられる書類」を示し、具体的には、
請求書や使用量のお知らせ伝票、使用量の証明書などが該当します。
記載事項として、発行者名(販売事業者名称)、受領者名(購入事業者名称)
、燃料等の
種類及び単位、燃料等の販売量、販売日(期間)が明確に分かるものであれば購買伝票
等として使用できます。
Ⅶ(1)3.算定ガイドラインにある「実測による把握方法で算定できる場合」とは、具体
的にどのようなときを示すのですか?
事業所内に太陽光発電設備を設置しており、その発電量を把握する場合は、購買伝票等
が発行されないため、実測による把握方法で算定を行うこととなります。
また、算定対象外建物等(例:住宅)への配電量を把握する場合は、購買伝票等が発行
されないため、実測による把握方法で算定を行うこととなります。
過去に購買伝票等が発行されていたが、それを紛失してしまったという場合は、原則と
して実測による把握方法を採用することはできません。
Ⅶ(1)4.事業所内で使用する電力をつくるため、敷地内にコージェネレーション設備を
設置しています。
この場合に算定をするのは、コージェネレーション設備で使用した燃料ですか、設備の
発電量及び蒸気発生量ですか?
コージェネレーション設備で使用した燃料(重油、都市ガス等)を算定します。
埼玉県 環境部 温暖化対策課 温暖化対策計画制度担当(H24.6月)
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Ⅶ(2)算定対象活動と算定対象外活動
Ⅶ(2)1.ESCO事業やESP事業により、敷地内にあるコージェネレーション設備の
発電事業や運転管理を委託し、そこから電気を購入する形をとっています。
このコージェネレーション設備は、「他事業所からの電気や熱の供給」であるとして算
定対象から除くことができますか?
算定対象から除くことはできません。
事業の契約形態が、コージェネレーション設備を設置している敷地内にのみ電気や蒸気
を供給するものである場合は、算定の対象となります。
(燃料使用量が算定の対象となり
ますので、委託先事業者から購買伝票等を取り寄せてください)
Ⅶ(2)2.同じ敷地内にある社員寮については、受電点と社員寮との間に子メーターが設
置されており、算定対象から除く排出活動の監視点として把握済みです。
しかしながら、当社は社員寮においても省エネ対策を進めているので、その結果を報告
に反映させたいと考えています。
この場合、社員寮で使用されている電力等の燃料使用量を、あえて算定に含めることは
可能でしょうか?
住宅用途への供給については、原則として算定対象から除かなければならないため、算
定対象に含めることはできません。
Ⅶ(2)3.子メーターがないため、同じ敷地内にある社員寮のみの使用量のみを把握する
ことができない場合はどうすれば良いのですか?
算定対象外活動の使用量のみを把握することができない場合は、算定対象外活動を含め
た使用量を算定します。
よって、社員寮のみの使用量が算定できない場合は、社員寮を含めた全体の使用量が算
定の対象となります。
Ⅶ(2)4.場内で利用するフォークリフトと営業用車両の両方に給油している場合は、ど
のように考えるのですか?
事業所内にある燃料タンクに供給された燃料を、算定対象活動(フォークリフト)と算
定対象外活動(営業車)の両方に給油している場合は、それぞれの車両への給油量を分
けて算定します。
供給量(購入量)は購買伝票等で把握できますが、給油量は購買伝票等で把握すること
ができないため、実測による方法(給油メーター値記録等)により把握することとなり
ます。
なお、場内と場外を分けられない場合は、全て場内分として算定をすることとなります。
Ⅶ(2)5.算定対象活動に該当する場合は、どんなに使用量が少なくても、排出活動とし
て報告をしなければならないのですか?
以下の要件に該当する場合は、算定対象から除くことができます。(含めることも可能
埼玉県 環境部 温暖化対策課 温暖化対策計画制度担当(H24.6月)
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です)
① 事業所範囲内で行われる算定対象活動ですが、事業所内に供給される燃料等使用量監
視点の把握要件を満たさない排出活動(構内作業車両への直接給油など)は「少量排出」
とみなし、算定対象から除くことができます。
② 工事のための燃料等の使用による排出活動は、算定対象から除くことができます。
Ⅶ(2)6.使用量が少なく受入れ設備がないため、「燃料等使用量監視点の要件」に該当
するタンクや容器等がない燃料は算定をしなくて良いのですか?
事業所内に供給される燃料等使用量監視点の要件を満たさない排出活動は「少量排出」
と見なし、算定対象から除くことができます。
Ⅶ(2)7.事業所内にあるガソリンスタンドから営業用車両だけに給油しています。
ガソリンスタンドの地下タンクは消防法対象なのですが、この場合は排出量算定を省略
することはできますか?
燃料等使用量監視点については、算定対象活動と算定対象外活動の両方を把握する必要
があります。
今回のように全量を算定対象外活動に使用する場合は、燃料等使用量監視点(燃料タン
ク)の把握は必要ですが、燃料等使用量の算定(購買伝票等の確認)は不要となります。
(燃料等使用量はゼロとなります)
Ⅶ(2)8.敷地内で旧地下配管の撤去工事を行った際、工事業者が使用する重機の燃料(軽
油)を事業所内にある燃料タンクから供給していました。
この工事業者が使用した燃料を算定から除くことはできますか?
工事のために使用された燃料については、算定対象から除くことができます。
ただし、購買伝票や計量器により工事業者が使用する重機に供給された燃料等使用量を
把握する必要がありますので御注意ください。
Ⅶ(2)9.算定対象から「除く」排出活動と「除くことのできる」排出活動の違いを教え
てください。
算定対象から「除く」排出活動には次の4つが該当します。
① 駅において、鉄道輸送と不可分な排出活動への供給(駅ホームの電力等)
② 住宅用途への供給
③ 他事業所への熱又は電気の供給
④ 事業所外で利用される移動体への供給(ナンバープレート付き車両への給油等)
算定対象から「除くことのできる」排出活動には次の2つが該当します。
① 燃料等使用量監視点の把握要件に該当しない「少量排出」活動への供給
② 工事への供給
「除く」排出活動に係る燃料等使用量のみを算定できる場合は、必ず算定から除かなけ
ればなりません。
埼玉県 環境部 温暖化対策課 温暖化対策計画制度担当(H24.6月)
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「除くことのできる」排出活動については、算定から除くか算定対象とするかを事業者
の判断により決定することができます。
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Ⅶ(3)購買伝票等が見つからない時の取扱い(大規模事業所)
Ⅶ(3)1.購買伝票が無くなってしまいました。支払い管理に使用していたエクセル記録
で算定を行うことはできますか?
支払い管理に使用していたエクセルなどによる記録は、購買伝票の代わりに使用するこ
とはできません。
購買伝票等を無くしてしまった場合は、発行者(東京電力、燃料販売会社等)に連絡し、
伝票の再発行又は燃料購入量証明書等の発行をお願いしてください。
Ⅶ(3)2.購買伝票が無くなってしまいました。過去に県へ提出した報告書のデータを用
いて算定を行うことはできますか?
過去に県へ提出した報告書のデータを、購買伝票の代わりに使用することはできません。
Ⅶ(3)1の場合と同様に、再発行又は証明書の発行手続きをお願いします。
Ⅶ(3)3.購買伝票が無くなってしまいました。事業所独自に管理をしていたメーター記
録で算定を行うことはできますか?
過去に購買伝票が発行されていたエネルギーについて、事業所独自に管理をしていたメ
ーター記録を算定に使用することはできません。
上記の場合と同様に、再発行又は証明書の発行手続きをお願いします。
Ⅶ(3)4.購入記録を再発行してもらうため、過去に燃料を購入していた業者に連絡をし
たところ、既に廃業していました。このような場合はどのように対応したら良いですか?
販売会社の倒産、廃業等により購買伝票の再発行を求めることができない場合において、
合理的と認められる他の方法(実測による算定等)により燃料等使用量を算定すること
ができる場合は、関連する資料を添えて埼玉県に相談してください。
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Ⅶ(4)テナントが独自に使用する燃料等使用量の算定
Ⅶ(4)1.テナントが独自にプロパンガスを購入し使用しています。ビルオーナーはこの
プロパンガス使用量も算定に含める必要があるのですか?
テナントが独自に購入し使用したプロパンガスについても、ビルオーナーによる報告の
算定対象となります。
Ⅶ(4)2.現在は撤収しているテナントが、過去にプロパンガスを購入していました。こ
の場合、算定はどのように行うのですか?
過去に入居していたテナントが撤収し、既に廃業してしまっているなどの理由により、
テナントが過去に使用していた燃料使用量が把握できない場合は、把握可能な他のテナ
ントの燃料使用量で代替して算定を行うことができます。
なお、この特例措置は、平成20年度以前の排出量を算定する場合にのみ使用できます。
平成21年度以降に撤収したテナントに係る排出量算定には使用できませんので御注
意ください。
Ⅶ(4)3.撤収テナントに係る代替算定は具体的にはどのように行えば良いのですか?
代替算定の手順は、次のとおりです。
① 代替をするテナント事業者を次の方法により決定します。
(1)原則として同一場所(区画)にあるテナント事業者の燃料使用量で代替をする。
(2)同一区画に同種燃料を使用している事業者がいない場合は、同種燃料の使用量が最
も少ないテナント事業者の燃料使用量で代替をする。
② 代替をするテナント事業者が決まったら、次の方法により代替する年度を決定します。
(1)平成15年度~20年度のうち、把握可能な直近の年度における燃料使用量により
代替する。
(2)平成15年度~20年度の燃料使用量が分からない場合、又は同一区画のテナント
で代替をする場合は、平成21年度の燃料使用量により代替をすることができる。
③ 大規模事業所において、代替をした年度が基準排出量の対象年度であり検証対象とな
る場合には、検証時に下記の資料を用意しておく必要があります。
(1)代替して使用したテナントの燃料使用量に関する購買伝票等。
(2)現在入居しているテナント事業者と異なるテナント事業者が入居していたこと、及
び当該事業者が代替する燃料を使用していたことを示すもの。
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