ラトビアの発行体格付をBBBからBBB+[安定的]

NEWS RELEASE
2014年12月22日
【格付変更】
ラトビア共和国
外貨建発行体格付: BBB → BBB+ [格付の方向性:安定的] 格付投資情報センター(R&I)は上記の格付を公表しました。
【格付理由】
財政の健全性は維持されている。インフレが抑制される一方、雇用情勢は改善。金融システムの安定
は保たれ、対外インバランスの調整は徐々に進んでいる。2014年1月にユーロ導入国となり、11月にス
タートした欧州中央銀行(ECB)による単一監督メカニズム(SSM)の下で、金融システムの強化が進む
ことも期待される。外部経済・金融環境の急変に対する経済の耐性が高まり、ラトビアの経済や金融シ
ステムが揺らぐ懸念は一段と薄れたとの判断から、外貨建発行体格付をBBB+に格上げした。格付の方向
性は安定的。
実質国内総生産(GDP)は、2011-2013年に平均4%半ばの成長を記録したが、2014年に入るとロシア・
ウクライナ問題の影響により2%台に鈍化している。政府及び欧州委員会(EC)見通しでは2014年通年の
成長率は2%台にとどまる。
ロシア経済が急速に悪化しユーロ圏経済の先行きも不透明で、2015年の経済成長は政府が見込む2.8%
から下振れする可能性もある。ただ、マクロ経済の安定性が増し、経済・金融環境の急変に対する耐性
が高まっている。失業率はピーク時からほぼ半減し、2014年9月には10.8%まで低下した。15歳以上人口
に占める労働力人口の割合も増加しており、雇用情勢は今後も緩やかに改善しよう。所得の上昇はおお
むね生産性の伸びに沿って推移し、ユーロ導入に伴うインフレ圧力もみられない。国際競争力の改善を
背景に輸出は安定して伸び、輸出のGDP比は2013年末時点で59.4%と危機前と比べて約20%ポイント増え
た。外部環境の不透明感払拭とともに、経済は力強さを増していくとR&Iはみている。
経常赤字は小幅にとどまり、2013年末時点でGDP比2.3%。2014年も同2%台にとどまるとみられる。経
常収支の改善にともない、GDP対比での対外債務も縮小している。2014年9月末時点でGDP比141.6%と水
準は高いが、金融機関を中心に対外資産が同109.3%に達している。純対外債務はGDP比32.3%にとどま
る。
銀行部門の預金の約5割を非居住者の預金が占めるが、非居住者預金が総資産対比の20%を超える銀行
群の対外資産と対外負債はほぼバランスしている。対外資産は流動性の高いものが中心で、追加の流動
性規制も課されている。資本も厚い。非居住者預金が抱えるリスクには目配りが必要だが、リスク軽減
に向けた努力は続けられている。また銀行監督機能がECBの下に集約されたことで、そうした銀行群に対
する監督機能が向上し、金融システムの強化が進むことも期待できる。
銀行部門全体の不良債権比率はピーク時の半分以下となり、2014年9月末には7.5%まで低下した。収
益性も増し、資本も十分に積み上がっている。金融システムの安定性が維持される一方、依然としてデ
レバレッジが進行している。事業会社と家計向けの融資残高が増加に転じるには時間がかかりそうだ。
2014年の財政赤字は当初計画ではGDP比1%としていたが、政府見通しではGDP比1.5%となる。税収の
下振れに加え、GDP比0.4%相当の一時的な支払いが発生したためで、同支払分を除けば、ほぼ政府見通
し通りに抑制されている。中期予算フレームに沿って、労働に係る税負担の軽減措置を実行する予定だ
が、2015年の財政赤字はGDP比1%に抑制する計画。2011年以降、政府債務残高はGDP対比でおおむね減少
している。2014年は40%、2015年以降も緩やかに減少すると政府は見込んでいる。
■お問合せ先 :インベスターズ・サービス本部 TEL.03-3276-3511 E-mail [email protected]
■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-3276-3438
株式
会社
格付投資情報センター
〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目三井ビルディング http://www.r-i.co.jp
信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ
ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に
際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ
き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
ⓒRating and Investment Information, Inc.
NEWS RELEASE
【格付対象】
発行者:ラトビア共和国
名称
格付
格付の方向性
外貨建発行体格付
BBB → BBB+
安定的
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ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に
際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ
き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
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NEWS RELEASE
信用格付に関わる事項
信用格付業者
登録番号
株式会社格付投資情報センター
金融庁長官(格付)第6号
直近一年以内に講じられた監督上の措置は、ありません。
主任格付アナリスト
原 一樹
信用格付の付与について
代表して責任を有する者
神林 尚
信用格付を付与した日
2014年12月16日
主要な格付方法
ソブリンの格付の考え方 [2012.03.16]
上記格付方法は、格付を行うにあたり考慮した他の格付方法とともに以下のウェブサイトに掲載して
います。
http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/methodology/index.html
評価の前提は、以下のウェブサイトの格付付与方針に掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/ratingpolicy/index.html
格付符号とその定義は、以下のウェブサイトに掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/definition/index.html
格付関係者
ラトビア共和国
注 格付関係者は、金融商品取引業等に関する内閣府令第三百七条に基づいて、R&Iが判断したものです。
利用した主要な情報 政府を含む公的機関が作成した財政・経済資料
品質確保のための措置 政府を含む公的機関が作成した、またはそれに準じた信頼性が確保さ
れている資料であること。
情報提供者 格付関係者
信用格付の前提、意義及び限界
R&Iの信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定
通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見です。R&Iは信用格付によって、個々の債務等
の流動性リスク、市場価値リスク、価格変動リスク等、信用リスク以外のリスクについて、何ら意見
を表明するものではありません。信用格付は、いかなる意味においても、現在・過去・将来の事実の
表明ではありません。また、R&Iは、明示・黙示を問わず、提供する信用格付、又はその他の意見に
ついての正確性、適時性、完全性、商品性、及び特定目的への適合性その他一切の事項について、い
かなる保証もしていません。
R&Iは、信用格付を行うに際して用いた情報に対し、品質確保の措置を講じていますが、これらの
情報の正確性等について独自に検証しているわけではありません。R&Iは、必要と判断した場合に
は、信用格付を変更することがあります。また、資料・情報の不足や、その他の状況により、信用格
付を保留したり、取り下げたりすることがあります。
利息・配当の繰り延べ、元本の返済猶予、債務免除等の条項がある債務等の格付は、その蓋然性が
高まったとR&Iが判断した場合、発行体格付又は保険金支払能力とのノッチ差を拡大することがあり
ます。
■お問合せ先 :インベスターズ・サービス本部 TEL.03-3276-3511 E-mail [email protected]
■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-3276-3438
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信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ
ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に
際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ
き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
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