静脈栄養の管理を本当に理解している エキスパートナースはどこにいる?

い!
ておきた
っ
知
は
これだけ
日本の栄養サポートナースは・
・
・
いる
て
し
解
理
に
当
本
を
理
?
管
る
の
い
養
に
栄
どこ
静脈
は
ス
ー
ナ
ト
ー
パ
エキス
日本でもNST活動が普及してきましたが、活動内容が偏っ
脈栄養の管理、特に感染管理は院内感染対策チーム(ICT)
が行うことが多いのが現状です。静脈栄養を理解していな
い看護師さんが、カテーテルの感染対策を実施している・・・
というおかしな流れができています。
特任教授 井上
善文先生
私が栄養療法に本格的に関与したのは、1984年に国立呉病院での研修生活を終え、阪大第一外科・小児外科のIVH研
に帰局してからでした。当時、小児外科教授であった岡田 正先生に誘われ、臨床栄養の領域へ飛び込みました。週2回
IVH回診として、院内各科から依頼された患者の栄養管理を中心としながら、中心静脈カテーテル(CVC)挿入部のドレッ
シング交換、輸液ラインの交換、栄養評価、輸液メニューの調整等を行っていました。
しかし当時は各病棟の看護師さん
が回診につく体制で、病棟の看護師さんで栄養管理について専門的な方はいなかった、
という時代でした。
1989年秋、
アメリカNorth Carolina州のDuke大学に留学
しました。そこは全米で最もNSTが活動している施設の一つ
いがあれば血液培養を実施。等の業務を行っていました。
こ
のような分担体制がきちんとしているからチームとしてうま
くいっているのだと思っていました。
Duke大学のNSS(栄養サポートサービス)のスタッフ
の瘻孔管理、摂食嚥下訓練、褥瘡の管理・・・。静脈栄養自体
じるのではなく、自分の考えに基づいた指導ができる看護
を理解した上でカテーテル管理ができる看護師はどこにい
師を育てなくてはダメでしょう。感染対策としての静脈栄養
るのだ、そんな感じがしています。
の管理ではなく、静脈栄養を理解した上で感染対策が実
施できる看護師、指導できる看護師、それが必要だと思い
静脈栄養管理の現状と
栄養サポートナース
ます。
カテーテル管理について、感染管理看護師(ICN)の中に
トナースがもっと出てきて欲しいと願っています。
思い込んでいる方が多くて困ります(感染対策の専門医師も
同じようなものですが)。CDCオタク?のようでよくないと思
大事な追伸
あった管理方法を実践するべきでしょう。
中心静脈栄養法(TPN)は感染が怖いからできるだけ実施
らこそTPNは感染症のリスクと戦いながら有効に実施してき
ました。TPNの適応であるのに感染を恐れ、TPNを実施せず
に栄養障害に陥らせている・・・本末転倒です。同様に末梢静
脈栄養法(PPN)は感染しやすいから輸液(ビーフリード、ア
のメニュー作成は薬剤師、静脈栄養の管理は看護師、
と役割
ミノフリード、ツインパル、アミノグランド、パレセーフなど)
分担がはっきりしていました。
は使わない方がいい? これもわかっていること。PPNも必要
中でも看護師は、①TPN患者を毎日回診する(通常2人で
性を判断し実施している。実は、輸液そのものの汚染よりもラ
回診。それぞれ担当患者が決まっている)。②検査データを
イン管理が重要だし、96時間以内に末梢静脈カテーテルは入
チェックし、異常があれば主治医・ディレクター・薬剤師と相
れ換えるべきなのに、CDCが入れ換える必要がないといってい
談する。③TPNの依頼があれば栄養士に栄養アセスメント
るから、管理が楽になったといっている。おかしい。CDCガイド
を依頼する。④TPNの適応であるかディレクターと相談す
ラインは 輸 液 内 容 につ いての 配 慮 が な い にもか かわら
る。⑤ 中 心 静 脈カテーテル(C V C)につ いて患 者 へイン
液ラインおよびドレッシングの管理。⑧カテーテル感染の疑
栄養における感染対策の専門家として、そんなエキスパー
います。CDCの意見は意見として受け入れ、日本の現状に
全な専属チームでNutrition Support Service(NSS)
という組
刺方法、穿刺回数、合併症の有無などを細く記録する)。⑦輸
長年この領域で活動し、栄養管理を理解している、静脈
は、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)の意見が正しいと
しない方がいい? そんなことは昔からわかっています。だか
制。栄養アセスメントと経腸栄養の管理は栄養士、静脈栄養
2
まずは静脈栄養の管理について、CDCガイドラインを信
栄養学会の会長を経験している有名な医師でした。NSTは完
織でした。栄養士が2人、薬剤師が4人、看護師が4人という体
栄養管理を理解している
静脈栄養における感染対策の
エキスパートナース
では、NSTの看護師さんは何をしているのでしょう? 胃瘻
でした。ディレクターは外科のGrant教授。
アメリカ静脈経腸
フォームドコンセントを得る。⑥CVC挿入の介助をする(穿
さらICTの意見の方が通ってしまう。
これではダメですよね。
てきているのではと思っています。全国的な流れをみると、静
大阪大学臨床医工学融合研究教育センター
栄養ディバイス未来医工学共同研究部門
私の栄養管理の歴史と
Nutrition support nurse
病院では、ICTの方がNSTよりも権限が強いのが現実。
これ
でNSTの静脈栄養に関するレベルが低いままだったら、なお
栄養士2人、薬剤師4人、看護師4人。秘書と臨床検査技
師もメンバーである。全員が写っているのではないのが
驚き。
この写真撮影の時、私は実験中であった。
ず・・・。ポートからはTPNはやらない方がいい? では何のた
とにかく、静脈経腸栄養ガイドライン第3版を購入して、
めにポートを用いてTPNを実施している、在宅静脈栄養法
64ページから110ページまでを繰り返し読んで、
日本で実施
(HPN)を実施している、それがわかっていない感染対策の専
すべき静脈栄養の管理について理解してください。消費税
門家。困ったものです。
込で4320円です。
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日本でもNST活動が普及してきましたが、活動内容が偏っ
脈栄養の管理、特に感染管理は院内感染対策チーム(ICT)
が行うことが多いのが現状です。静脈栄養を理解していな
い看護師さんが、カテーテルの感染対策を実施している・・・
というおかしな流れができています。
特任教授 井上
善文先生
私が栄養療法に本格的に関与したのは、1984年に国立呉病院での研修生活を終え、阪大第一外科・小児外科のIVH研
に帰局してからでした。当時、小児外科教授であった岡田 正先生に誘われ、臨床栄養の領域へ飛び込みました。週2回
IVH回診として、院内各科から依頼された患者の栄養管理を中心としながら、中心静脈カテーテル(CVC)挿入部のドレッ
シング交換、輸液ラインの交換、栄養評価、輸液メニューの調整等を行っていました。
しかし当時は各病棟の看護師さん
が回診につく体制で、病棟の看護師さんで栄養管理について専門的な方はいなかった、
という時代でした。
1989年秋、
アメリカNorth Carolina州のDuke大学に留学
しました。そこは全米で最もNSTが活動している施設の一つ
いがあれば血液培養を実施。等の業務を行っていました。
こ
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くいっているのだと思っていました。
Duke大学のNSS(栄養サポートサービス)のスタッフ
の瘻孔管理、摂食嚥下訓練、褥瘡の管理・・・。静脈栄養自体
じるのではなく、自分の考えに基づいた指導ができる看護
を理解した上でカテーテル管理ができる看護師はどこにい
師を育てなくてはダメでしょう。感染対策としての静脈栄養
るのだ、そんな感じがしています。
の管理ではなく、静脈栄養を理解した上で感染対策が実
施できる看護師、指導できる看護師、それが必要だと思い
静脈栄養管理の現状と
栄養サポートナース
ます。
カテーテル管理について、感染管理看護師(ICN)の中に
トナースがもっと出てきて欲しいと願っています。
思い込んでいる方が多くて困ります(感染対策の専門医師も
同じようなものですが)。CDCオタク?のようでよくないと思
大事な追伸
あった管理方法を実践するべきでしょう。
中心静脈栄養法(TPN)は感染が怖いからできるだけ実施
らこそTPNは感染症のリスクと戦いながら有効に実施してき
ました。TPNの適応であるのに感染を恐れ、TPNを実施せず
に栄養障害に陥らせている・・・本末転倒です。同様に末梢静
脈栄養法(PPN)は感染しやすいから輸液(ビーフリード、ア
のメニュー作成は薬剤師、静脈栄養の管理は看護師、
と役割
ミノフリード、ツインパル、アミノグランド、パレセーフなど)
分担がはっきりしていました。
は使わない方がいい? これもわかっていること。PPNも必要
中でも看護師は、①TPN患者を毎日回診する(通常2人で
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回診。それぞれ担当患者が決まっている)。②検査データを
イン管理が重要だし、96時間以内に末梢静脈カテーテルは入
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れ換えるべきなのに、CDCが入れ換える必要がないといってい
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るから、管理が楽になったといっている。おかしい。CDCガイド
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液ラインおよびドレッシングの管理。⑧カテーテル感染の疑
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長年この領域で活動し、栄養管理を理解している、静脈
は、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)の意見が正しいと
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制。栄養アセスメントと経腸栄養の管理は栄養士、静脈栄養
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まずは静脈栄養の管理について、CDCガイドラインを信
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織でした。栄養士が2人、薬剤師が4人、看護師が4人という体
栄養管理を理解している
静脈栄養における感染対策の
エキスパートナース
では、NSTの看護師さんは何をしているのでしょう? 胃瘻
でした。ディレクターは外科のGrant教授。
アメリカ静脈経腸
フォームドコンセントを得る。⑥CVC挿入の介助をする(穿
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大阪大学臨床医工学融合研究教育センター
栄養ディバイス未来医工学共同研究部門
私の栄養管理の歴史と
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病院では、ICTの方がNSTよりも権限が強いのが現実。
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めにポートを用いてTPNを実施している、在宅静脈栄養法
64ページから110ページまでを繰り返し読んで、
日本で実施
(HPN)を実施している、それがわかっていない感染対策の専
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込で4320円です。
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