【考査における指摘事例】 ※考査において、指摘した主な事例は次の通りです。 【事例1】 TFX : 顧客から、取引所為替証拠金取引の口座開設時に金融取が様式を定めた約 諾書の提出を受けていますか。 A社 : 口座開設時に顧客から約諾書の提出を受けていますが、内容については一 部変更しています。 取引所為替証拠金取引口座設定約諾書の内容は金融取が定めており、変更は認められない 旨の指摘をしました。【指摘事項】 金融取の規則では、顧客は、取引口座を開設するときは、金融取が定める 様式の口座設定約諾書を差し入れることになっています。検査で指摘した日 以降の新規口座開設分から対応するよう要請しました。 (金融取受託契約準則第 5 条、第 6 条、第 6 条の 2、第 6 条の 2 の 2) 【事例2】 TFX : 口座開設申込者から電子メールで受け付けた本人確認書類は、どのように 管理していますか。 B社 : 本人確認書類は印刷し、機微情報があれば塗り潰して電子画像化し保存し ています。しかし、元データはメール管理ソフト上に電子データとして残 っており、このデータは消去しておらず、また口座開設業務担当者以外の 者もアクセス可能な状況です。 個人情報及び情報へのアクセス権限を適切に管理するよう要請しました。 【不備事項】 顧客等の情報へのアクセス権限については、業務遂行上必要な者にのみ付 与する等、管理を徹底しなければなりません。また、業務上不要な機微情報 は速やかに消去する等、慎重に取り扱わなければなりません。 (金商業者等の監督指針Ⅲ-2-4、金融分野における個人情報保護に関する ガイドライン第 6 条) 【事例3】 TFX :取引所為替証拠金取引において、法人口座(*) を開設する際の取引開始 基準の内容を教えてください。 * 金融商品取引業等に関する内閣府令による証拠金規制の対象となる個人顧客以外 の者が開設する口座。金融取が別に定めるレバレッジ比率が適用されます。 C社 : 法人口座を開設しようとする法人は、日本国内に本店があること等の要 件を定めていますが、法人の資力についての要件は定めていません。 法人口座開設時における、法人の資力に関する要件を定めるよう要請しました。 【不備事項】 取引所為替証拠金取引において、法人顧客の場合は個人を対象とするレバ レッジ規制が適用されず、金融取が別に定めるレバレッジ比率が適用される ため、各取引参加者に当該法人顧客の信用力、資力等、その適切性を審査し ていただく必要があります。金融取の規則(「非個人用為替証拠金基準額を適 用する場合の取扱い」)では、以下の審査基準を定めています。 ① 法人顧客の資本金またはこれに相当する財産の額が 100 万円以上であ ること。 ② 法人顧客が、個人顧客とは異なる為替証拠金基準額が設定されている ことを理解し、当該法人顧客の責任において取引を行うことに同意して いること。 ③ 外国為替証拠金取引を行うことが、当該法人顧客の定款における目的 又はその他書類における業務内容に含まれると合理的に解されること。 法人顧客は、個人顧客よりも高いレバレッジ倍率が適用されるため、口座 開設時において法人顧客の資力を適切に審査するよう要請しました。 (金融取規則 非個人用為替証拠金基準額を適用する場合の取扱い) 【事例4】 TFX : 付合せ時間外であっても、顧客の注文を受け付けた場合には注文伝票の 作成が必要ですが、その時間帯での注文伝票は作成していますか。 D社 : 顧客の注文を、付合せ時間外の発注のため金融取が受け付けなかった場 合は、注文伝票を作成していません。 注文伝票を作成するよう要請しました。【不備事項】 取引所の付合せ時間外で金融取が受け付けなかった注文についても、注文 伝票は顧客から注文を受けた際には速やかに作成しなければなりません。ま た、注文が成立したか不成立かにかかわらず、注文伝票は作成しなければな りません。 (法第 46 条の 2、業府令第 158 条第 2 項第 1 号及び第 2 号) 【事例5】 TFX : 前回の合同検査で不備事項として指摘した、システム監査をその後実施 しましたか。 E社 : 前回の合同以降、具体策を検討してきたものの、今回の検査時点までに システム監査を実施することができませんでした。 システム監査を行うよう要請しました。【不備事項】 システムについては、システム部門から独立した内部監査部門又は外部監 査機関による定期的なシステム監査を実施する必要があります。 また、システム監査で指摘を受けた事項について、速やかに改善を行い、 内部監査部門等のシステム部門から独立した部門がその状況を把握・検証す ることが必要です。 (金商業者等の監督指針Ⅲ-2-8) 【事例6】 TFX : 金融取の市場における市場デリバティブ取引又はその受託に係る訴訟の 当事者となっている係争中の事案等はありますか。その場合、金融取に 報告していますか。また、当局による検査を受けた場合等は、金融先物 取引業協会及び金融取に所要の報告をしていますか。 F社 : 取引所為替証拠金取引を行う顧客との間で係争中の事案がありますが、 金融取には報告していません。また協会及び金融取への各種報告の管理 体制が十分でなかったため、一部報告に遺漏がありました。 協会及び金融取への報告体制を整備するよう要請しました。 【不備事項】 金融取の市場における市場デリバティブ取引若しくはその受託に係る訴訟 の当事者となっているとき、又は当該訴訟が終結したときには、直ちにその 内容を金融取に報告することになっています。 (取引参加者規程第 56 条、業務方法書第 14 条の 4) また、当局による検査を受けたとき等には、金融取に報告する必要があり ます。 (取引参加者規程第 56 条、業務方法書第 14 条の 4) 以 上
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