よくある指摘 - 一般財団法人日本建築総合試験所(GBRC)

よくある指摘
2009/6/15
日本建築総合試験所 構造判定センター
・当センターの構造計算適合性判定で、指摘としてよく挙がる項目をまとめました。今後の設計の
参考としていただければ幸いです。
・指摘事項が減り、判定審査の効率が向上することを期待しています。
・個々の案件については、その建物特有の条件に応じて、下記の事例に拘らず慎重な指摘が行わ
れます。
タイプ
指摘事項
区分
1
□ 全体の目次、及び、頁表示がなく、構造計算書全体の構成が不明である。
2
□ め、重要な検討事項が構造計算書のどこに添付されているかがわからない。
3
□ 応力図、検定比図などが小さく、数字が重なっていて判読できない。
4
□ 標準図と、構造図のディテールが整合していない。
5
□ 一般図(意匠図)と構造図、設備図と構造図が整合していない。
6
□ ミス、入力ミス等による)。
7
□ い。
8
□ 構造計算概要書の記述が不足しており、設計方針が理解しにくい。構造計算書との不整合がある。
構造計算概要書や構造計算書で、参照ページの表示や、目次の充実などの工夫がされていないた
地震荷重、積載荷重、設備荷重、追加荷重等の数値が構造計算書内で整合していない(原因は転記
構造計算書で用いるモデル(スパン、階高、部材断面、使用材料、スリット等)が構造図と整合していな
9
□ 積載荷重で令第85条において示された数値以外を採用している場合の根拠が示されていない。
共通
10
□ ダミー部材を使用する場合、その取り扱いが説明されていない。
11
□ 応力図を省略する場合に、省略できる合理的な理由が記述されていない。
12
□ 技術基準・文献、構造計算フローなどがわかりやすく記載されていない。
13
□ がなされていない。
14
□ 適用範囲等を確認せずに、日本建築学会の規準などを引用している。
15
□ 特殊な形状や工法などの部分の設計方針が明記されていない。
16
□ 剛床仮定が成立しない架構なのに、剛床仮定が成立するものとして構造計算している。
17
□ ている 。
18
□ 基礎、杭、床、小梁等、―貫構造計算プログラムで計算されない部材の構造計算書が不足している。
設計方針、仮定条件、モデル化の考え方、耐力算定式の適用範囲、採用した数値、式の根拠となる
構造計算プログラムのバージョンによっては、法改正に未対応の事項があるが、設計者による対応
剛床仮定を解除しているが、その範囲、外力の設定方法、梁軸力の考慮などの条件の説明が不足し
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タイプ
指摘事項
区分
19
□ 鉄筋の付着・定着を検討していない。
20
□ る。
21
□ て検討されていない。
22
□ 水平力の移動のある部分の面内せん断力の伝達について検証・説明されていない。
23
□ て評価している場合がある。
24
□ い。
25
□ の検討がなされていない。
26
□ 増し打ちの剛性を適切に評価していない。
27
□ い。
28
□ い。
29
□ がされていない。
外部階段、EVシャフト等が、地震時に本体の変形に追従できることが確認されていない場合があ
吹抜け周りの耐力壁が、負担軸力の割に大きな地震力を負担しているのに、水平力の伝達につい
開ロが複数ある場合のモデル化が不適切。包絡開口とすべきものを別開口とすることで耐力壁とし
耐力壁の枠梁を設けない場合や、壁梁が耐力壁と同厚の場合に、妥当性の検証がなされていな
屋上等から突出する部分や階段等の局部震度(1.0G)が適切に設定されていない。又、取付け部等
スリットがあるが、部材剛性に反映されていない。構造計算書と構造図でスリットが整合していな
3方スリットの壁に直行壁が取りつく場合、スリット壁が拘束されないディテールが明示されていな
保有水平耐力計算で仕様規定を除外する場合、告示594号第4第四号に従って1.4Sと1.6Wの検討
RC造
必要保有水平耐力の算定において、根拠もなく脆性部材を無視して計算を続行、又は直接入力によ
30
□ り部材群としての種別をAなどとしている。
31
□ ない。
32
□ 耐力壁の縦・横筋比が1:2を大幅に超える設計をしている。(耐力式の適用範囲外)
33
□ 設定している。
34
□ ピロティ建築物で、ピロティ階のせん断破壊を防止できていることが確認されていない。
35
□ ピロティ建築物において、未崩壊層の検証がされていない。
36
□ ている。
37
□ 非構造部材(剛接タイプ等)が取り付く場合に、取り付きを考慮して断面検定を行っていない。
38
□ ルート2等で、構造壁・非構造壁の取り扱いに一貫性がない。
39
□ ける耐震設計上の留意点」での保有水平耐力余裕度(1.5)等の観点から、計画建物の余裕度につ
柱梁接合部がせん断破壊する場合には柱の部材種別がFDとなるが、局部崩壊の検討がされてい
技術基準に定められた崩壊メカニズム(全体崩壊形、部分崩壊形、局部崩壊形)を確認しないでDsを
方向別に異なる計算ルート(ルート3とルート1、等)を採用しているのに、誤って仕様規定を除外し
「2007年版・建築物の構造関係技術基準解説書」付録1-7「高さが45m超え60m以下の建築物にお
いて具体的に説明されていない場合がある。
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タイプ
指摘事項
区分
40
□ 横補剛材として必要な耐力と剛性の検討が不足している。
41
□ 検討がされていない。
42
□ た以降も耐力を保持するものとして荷重増分解析を続行している。
43
□ 柱に冷間成形角形鋼管を使用しているにもかかわらず、柱・梁曲げ耐力比の検討がされていない。
44
□ スの種別が適切に評価されていない。
45
□ 一体で解析されても支障がないことの説明がされていない。
46
□ パラペット受け部材の脚部の曲げ処理、及び、付属大梁のねじれの検討がされていない。
47
□ 場合の検討の添付がされていない。(RC壁内の一般的なガラスは除く。)
48
□ 鉄骨梁上のスタッドジベルの剛性・耐力の検討がされていない。
大梁の上フランジ付き横補剛材は、下フランジ側圧縮により偏心曲げが生じるが、横補剛材の曲げ
保有水平耐力計算において、横補剛が不足する梁(部材群としての種別D)が横座屈耐力Mcrに達し
必要保有水平耐力の算定において、ブレースの有効細長比が正しく入力されていないため、ブレー
屋根に段差があり、水平力の伝達上同一レベルとみなせるかどうか不明確である場合に、屋根が
高さが13mを超える建築物の、令第82条の4(H12告示第1458号)による、帳壁にガラスを使用する
S造
面積の大きな天井(500㎡程度以上)に対して「2007年版・建築物の技術基準解説書」に基づく地震
49
□ 時の振れ止め設置要領が明示されていない。
50
□ 大きな開口部や吹き抜け部の梁の、風圧力に対する検討がなされていない。
51
□ 討が不足している。
52
□ れていない。
53
□ クレーン荷重の設計条件、及び、荷重の組合せが明記されていない。
54
□ い。)
55
□ い詳細となっている。(ハンチを設けるなど、設計で想定した応力伝達が可能な接合詳細とする必要
1次設計時の層間変形角が1/200を超えているにもかかわらず、帳壁、内外装材の変形性能等の検
エレベーターや階段によって吹き抜け状態になっており、剛床仮定が成立しない場合の検討がなさ
ルート2の場合で、部材の幅厚比がFAランクを満足していない。(特別な調査研究以外認められな
X、Y方向の梁せいの差、段差などを考慮せずに設計しており、溶接施工や高カボルト締めができな
がある。)
梁下フランジが柱外面合わせで内ダイアフラムと接続され、柱Rにより施工が難しい接合方法を採
56
□ 用している。
57
□ ない。(特に工場建築などに多い事例)
58
□ い。
露出柱脚をピンとしてモデル化し、回転剛性の影響を柱脚や基礎梁の設計などに適切に考盧してい
終局時にせん断力をコンクリートの支圧耐力にて処理している柱脚のディテールが描かれていな
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タイプ
指摘事項
区分
59
□ 地盤調査結果が示されていない。
60
□ 適切な地盤調査のもとに、告示による地盤の許容応力度や杭の支持力などが決められていない
61
□ 地盤調査の結果から、支持層の傾斜、位置をどのように設定したのかが説明されていない。
62
□ 複数の地盤調査結果より、杭長の根拠(支持層との関係)が示されていない。
63 地盤 □ 基礎の浮き上がり等の検討において、地下水圧の影響が考慮されていない。
基礎
64
□ 水平荷重時に基礎の浮き上がりがある場合に、その対処方法が記載されていない。
65
□ 軸力の考慮がされていない。
66
□ 礎フーチングの終局時の検証が行われていない。
67
□ されていない場合がある。
杭の支持力及び断面の検定の際に、杭頭曲げ戻しにより地中梁に生じる応力から生じる付加変動
地中梁のない独立基礎形式の建築物の保有水平耐力が上部架構の耐力で決定しているのに、基
位置が下がっている直接基礎等の場合に、基礎梁芯までの曲げモーメントが地中梁の検討に考慮
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