有期労働契約の無期転換ルールの特例について

開東社会保険ニュース
No. 190
平成 26 年 12 月
有期労働契約の無期転換ルールの特例について
平成 25 年 4 月から労働契約法の改正により、有期労働契約が反復更新されて通算 5 年を超えた場合、
労働者の申込みにより無期労働契約に転換するルール(以下、
「無期転換ルール」という。
)が施行さ
れています。
契約社員を雇用されている事業所(企業)においては、就業規則の変更等を考慮されているかと思
いますが、平成 26 年 11 月 28 日この無期転換ルールの特例を定めた特例法(専門的知識等を有する
有期雇用労働者等に関する特別措置法)が成立、公布されました。
これは、5 年を超える期間を要するプロジェクト等のために雇用される高度な専門的知識等を有す
る有期雇用労働者については、無期転換権が発生する期間を 5 年から 10 年(上限)に延長するもの
です。また、65 歳まで雇用継続措置を設けることが義務化されたことに伴い、定年後引き続き有期契
約で雇用される労働者についても無期転換ルールにかかる特例が設けられています。
≪主な内容≫
①特例の対象となる労働者
(1)第一種特定有期雇用労働者:5年を超える一定の期間内に完了することが予定されている業務
に従事する、高収入、かつ高度な専門的知識・技術・経験を持つ有期雇用労働者
(2)第二種特定有期雇用労働者:定年後に、同一の事業主または「高年齢者等の雇用の安定等に関
する法律」における「特殊関係事業主」に引き続き雇用される有期雇用労働者
②特例の具体的な内容
次の期間は無期転換申込権が発生しない。
①の(1)の労働者:一定の期間内に完了することが予定されている業務に就く期間(上限 10 年)
①の(2)の労働者:定年後に引き続き雇用されている期間
③特例の対象となる事業主
特例を利用しようとする事業主は、厚生労働大臣が定める基本指針に沿って対象労働者に応
じた適切な雇用管理に関する事項を盛り込んだ計画を策定し、厚生労働大臣の認定を受けなけ
ればならない。
計画書の内容
①の(1)の労働者:職業生活を通じて発揮することができる能力の維持向上を自主的に図るため
の教育訓練を受けるための有給休暇の付与に関する措置等を設けること
①の(2)の労働者:高年齢者雇用安定法の趣旨を踏まえた配置、職務、職場環境などへの配慮等
に関する措置を設けること
④施行期日 平成 27 年4月1日
高度な専門的知識等を有する有期雇用労働者の具体的要件については、今後審議の上、決定される
ことになります。また、定年後再雇用者について1年毎等の契約を更新し、通算 5 年を超えて雇用す
る可能性がある事業所(企業)は、計画書の作成が必要となる場合がありますので、今後通達等に注
意が必要です。
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