2015年1月号 - 社会保険労務士法人横浜中央コンサルティング

VOL.116
平成 27 年 1 月号
多様な正社員化への対応
昨年は、景気の回復傾向が顕著という論調が目立ちました。軒並みに過去最高益といった大企業の影
響で業績が好調な中小企業も多く出現し、明るさを取り戻したような年となったという報道も多くみら
れました。しかし、経済全体が底上げしたという実感は全く持てないということも国民の多くが感じて
いると思われます。弊事務所も企業の破産による賃金未払に対する立替金払いの手続きに追われ、また
人員削減に向けての対応の相談も少なからずありました。
業務対応の内容を、昨年中で多かったご相談のうち、「多様な正社員化への対応」を取り上げます。
本件は継続した関心事と思われます。
①限定正社員制度についてのご相談が相当数に上りました。
従来から、「転勤がない特約のある勤務形態」「職種を特定した勤務形態」「通常の正社員より勤務
時間の短い勤務形態」といった働き方はありましたが、働き方の多様化を受けて厚生労働省等が改めて
提唱したことにより限定正社員といった名称で広く認識されるようになりました。
各勤務形態の賃金の取扱いにつき、簡単なコメントを付すことにいたします。
「地域限定正社員」の場合、正社員の中にも転勤しない者がある場合は、賃金格差は大きくしない方が
限定社員の納得を得やすく、転勤の割合が多い場合は、賃金格差が大きい方が正社員の納得を得やすい
ことになります。
「勤務時間限定正社員」の場合、正社員の所定労働時間に比例した額とする事例が多くみられます。
「職務限定正社員」の場合は、職務の難易度に応じた水準とすることになります。
特に有能な女性社員が妊娠・出産・育児により、退職してしまうことを避けたいという観点からの短
時間正社員制度の構築による雇用確保に対する意向が多く見受けられます。
②無期転換社員についてのご相談も多くありました。
有期契約は、使用者の都合で突然期間満了時をもって契約を終了するという「雇止め」とされるケー
スが少なくありません。雇止めになることを恐れて年次有給休暇の請求等の権利をなかなか言い出せな
いという問題も指摘されていました。そこで 5 年を超えて継続雇用された場合、無期社員への転換を申
出ることにより転換されることとなりました。
平成 25 年 4 月に労働契約法が改正されましたので、平成 30 年 4 月からこの無期転換社員が出現する
ことになりなります。
弊事務所のクライアント企業の傾向では、無期転換を前提に雇用を継続する企業が 3 分の 1 程度とい
ったところと思われます。当然、転換後の就業規則等をしっかりと整備する必要があります。
また、無期転換は受け入れられないという企業も相当数あり、その場合の対策としては 5 年未満で有
期契約を終了する雇用契約を締結することになります。
なお、有期契約が 5 年間継続する以前に 6 か月超の空白期間を置くことにより、継続期間が振出しに
戻るクーリング期間の制度も認められていますが、この制度の実施を検討している企業はほとんどあり
ません。
新年は、関与先企業および従業員の皆様が将来に希望を持つことができる年となることを心から願っ
ております。
(文責 K.I)
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