盲学校 - 福島県養護教育センター

福島県立盲学校 校内研修 テーマ
「わかる授業づくり—個々の見え方に配慮した授業づくり」(1年次)
1
テーマ設定の理由
2
本校の教育課程
視覚障がいの幼児児童生徒の多くが地域の学校で学ぶようになっ
た今、視覚障がい教育の専門性を維持・継承し、福島県全域における
視覚障がいのある幼児児童生徒への支援を行うことは盲学校の重要な
使命である。専門性をさらに高め、他校への支援体制を充実させるた
めにも、自校の児童生徒の実態や課題を的確に捉えた質の高い「わか
る授業」を目指した授業改善を図りたいと考える。幼児児童生徒が学
習内容を理解することができるような教材・教具の工夫や教師のかか
わり、環境調整等を考えるためには、児童生徒の見え方の実態把握が
基本であり、不可欠である。1年次は、病理、視機能評価、視覚補助
具の活用に関する知識を深めながら、各教科・グループで授業研究を
行っていく。
4
3
研修計画
校内研修
新転任者研修
現職教育研修会
・情報機器の活用
・視覚障がい概論
・歩行、点字指導
・補助具の活用
・児童生徒の見え方
と指導の実際
年間10回程度実施
※学部専門家活用事業含む
・点字試験問題の作成
・視覚障がい教育の専門家や眼科医を
招いての講演や授業研究会
・摂食指導、運動動作研修会等
グループ研修
月1回開催
・各教科
・重複障がい
・理療科
・寄宿舎
研修の実際
○新転任者研修
○現職教育研修会
外部専門家活用事業研修会
「視覚障がいの原因となる主な眼疾患と視機能」より
講師 学校眼科医 橋本 禎子先生
児童生徒の指導にあたり、早急に必要とされる内容を優先して実施し
ている。点字ソフトやプリンターの使い方、視覚障がいをもつ教員に
よる体験談、点字、歩行指導に至るまで幅広い内容である。
歩行指導の実際
シミュレーションレンズ 全盲児童生徒の
を使った見え方の体験
生活の実際を体験
・視覚障がいの原因となる眼疾患と見え方や
視機能検査の実際について御指導いただきま
した。
・個々の見え方に応じた教師側からの配慮は
もちろんのこと、生徒が現在もっている「見
る力をいかに上手く使うか」という視点や
「見るトレーニング」が必要であることも御
指導いただきました。
○現職教育研修会
外部専門家活用事業研修会「個々の見え方に配慮した算数科、数学科の授業」より
講師 筑波大学附属視覚特別支援学校 教諭 清和 嘉子先生
教諭 内田 智也先生
<授業者から>
「方程式の立式が苦手な生徒に対し、
立式の手順をわかりやすく伝えるにはどうしたらよいか?」
<講師の先生方より>
・解く前に題意を言葉でしっかり確認させる。
(何を求めるのか。
)
・答えにたどり着くまでのプロセスを言語化させる。言語化できるということは、
思考の過程、手続きが入っているということ。言語化する力を付けるためには、
教師の言葉による適切なフィードバックが重要である。
○校内グループ研修より
<英語科グループ>
「弱視生徒に対するタブレット端末を使用した音読指導」
研修の概要
視野や眼球運動にも課題を抱えているため、単語や英文を目で追うこ
とが難しく、1人で音読することが難しい生徒を対象にiPadを使った音
読指導を試みた。タブレット端末は指で操作するため、生徒が読んでい
る所や読むペースを把握しやすいのではないかと考えた。また、生徒の
視機能に関する新たな情報を得ることもできるのではないかと考えた。
授業研究会の様子
「2次方程式」
教材の活用についての
情報交換
<理療科グループ>
「全身の骨格及び筋の触察模型作製の実践報告」
研修の概要
解剖学では全身の骨、関節そして筋について学習する。これらの理解
があって、初めて運動器系疾患が何故起きるのかという仕組みが理解で
きるようになる。また疾患の原因がわかることで、患者への正しい施術
が可能になる。今年度は点字使用の1年生の指導のために、具体的なイ
メージがもてるよう触察模型を作製し指導した。
しゅない
鼻腔の構造
肘関節の可動模型
<その他の検査器具・補助具等>
<重複障がいグループ>
「個々の児童生徒の見え方の評価と理解
および見え方に配慮したかかわりの工夫」
研修の概要
児童生徒の実態によって視機能検査の器具や方法も様々であるため、見え方
の実態を的確に把握するには多くの専門知識やスキルを身に付ける必要があ
る。今年度は、視機能評価に関する基本的知識の共有や視機能評価の演習を通
し、的確な実態把握につながる児童生徒とのかかわり方について理解を深め
た。
TAC
TACの演習の様子
(テラーアキュイティーカード)
MN Read(MNリード)
手 内筋の構造
絵指標
もりざね
森 実ドットカード
単眼鏡
シミュレーションレンズ