海外安全対策情報【平成26年10月~12月】 1 治安情勢 政府要人等の移動に際しては厳重な警戒態勢がとられるものの,武装組織やテロ組織の活 動は見られず,治安情勢全般としては落ち着いている。 今期は,2015年1月8日実施の大統領選挙に向けた各団体の取り組みが行われ,それ に付随した,デモや集会及びそれに伴う交通規制,各種暴力事件が多く発生した。 特に暴力事件については,脅迫や暴行にとどまらず,武器(角材や刃物)を使用した傷害 及び殺人未遂,けん銃等による銃撃,爆発物の使用など,凶悪事件が発生した。 また強風,落雷,長雨などの悪天候により,洪水や地滑りが発生して多くの死傷者を出す と共に,落雷による大規模な停電が発生するなど,生活に重大な影響を及ぼした。 2 一般犯罪情勢 (1)一般情勢 住居侵入窃盗及び装飾品のひったくりが多く発生している。 特に装飾品のひったくりは,身につけている貴金属製のネックレスが狙われることが多 く,身につけている物をひったくられるため,装飾品をとられるだけでなく,けがをする 危険性も大きい。 性犯罪の発生も後を絶たず,被害者は10歳代の女性が目立つ。 薬物犯罪については,都市部においてはヘロイン,地方においては大麻がそれぞれ流通 する風潮が定着しつつある。ヘロインに関して言えば,2014年1月から10月までの 押収量は311キログラムで,逮捕者は20,455名に上る。 (2)邦人の被害 【窃盗】 バンダラナイケ国際空港において,制服のような服装をした者から,持ち物検査をする と言われて個別に小部屋に通され,財布を含む持ち物検査を受けた。出国後,目的地で現 金(日本円)を現地通貨に両替しようとしたところ,財布にないっていたはずの現金がな くなっていることに気づいた。 (3)邦人以外の被害 【窃盗】 11月,カナダ国籍夫婦が路肩に車を止めて景色を見ている間に,乗用車の中から現金及 び携帯電話を盗まれた。 【暴行】 12月,コロンボ市内にあるホテルのナイトクラブを訪れていたスイス国籍の男女が, スリランカ人と見られる男性数名から暴行を受けた。 【観光中の死傷等】 10月,グループで登山に訪れていた70歳代のドイツ国籍女性が一時行方不明となっ たが,4日後に保護された。命に別状はなかった。 11月,20歳代のスウェーデン国籍男性が海水浴中に溺死した。 3 テロ・爆弾事件発生状況 (1)テロ事件 発生なし。 (2)爆弾事件 12月8日,スリランカ北西部州ダンコトゥワにある住宅で,爆弾が爆発したが死傷者 はなかった。当住宅は野党候補支持者の自宅であった。 4 誘拐・脅迫事件発生状況 邦人被害に係る事件の発生はなし。 5 対日感情 良好。 6 日本企業の安全に係る諸問題 現在のところ問題の把握はなし。 7 その他邦人安全対策のためにとった具体的措置 「大使館からのお知らせ」5件を発出した。 (1)11月14日 空港における荷物管理についてのお願い (2)11月18日 抗議デモに関する注意喚起 (3)11月24日 大統領選挙に伴う注意喚起 (4)12月12日 大統領選挙投票日における交通規制について (5)12月26日 ローマ法王来訪に伴う交通規制の実施について
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