生物学的同等性に関する資料 (SARTストレス負荷マウスによる鎮痛作用)

社内資料
ナブトピン注 生物学的同等性試験
SARTストレス負荷マウスによる鎮痛作用
製造販売元
東菱薬品工業株式会社
販
株式会社ビオメディクス
売
試験実施施設
元
東菱薬品工業株式会社
青梅研究所
試験期間:2012年4月4日~5月10日
東菱薬品工業株式会社
ナブトピン注3.6 単位の生物学的同等性試験を薬力学的試験により実施した。
ストレス負荷マウスを用い標準製剤(3mL中 ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液を3.6
単位含有)を対照薬として、SART(反復寒冷)ストレス負荷マウスにおける鎮痛作用(ランダル
セリット法と酢酸ライジング法)について試験を実施した。
●ランダルセリット法
< 試験方法>
SART(反復寒冷)ストレス負荷させたddY系雄性マウスに対してランダルセリット式鎮痛効
果測定装置を用い、マウス尾部(尾根部より1.5㎝の部位)に圧刺激を加え、逃避反応(ふ
りかえり、もがき等)を示す加圧重量を測定し、疼痛閾値とした。
投与方法・投与量
被験薬:ナブトピン注3.6単位
37.5単位/12.5mL/kg及び75単位/12.5mL/kgを皮下投与
及び腹腔内投与
標準製剤:37.5単位/12.5mL/kg及び75単位/12.5mL/kgを皮下投与及び腹腔内投与
対照群:生理食塩液12.5mL/kg
測定:検体投与前と検体投与30分後の疼痛閾値を測定
試験動物:体重19.1~23.3gのSARTストレス負荷ddy系雄性マウス(馴化飼育5日以上)
< 試験結果>
ランダルセリット法によるマウス皮下投与の鎮痛作用(鎮痛係数)例数:10
対照群
平均値±SD
1.02±0.07
37.5単位/kg群
75単位/kg群
試験製剤
標準製剤
試験製剤
標準製剤
1.44±0.13
1.46±0.12
1.79±0.14
1.77±0.14
対照との比較:P<0.01(Dunnettの検定)
ランダルセリット法によるマウス腹腔内投与の鎮痛作用(鎮痛係数)例数:10
対照群
平均値±SD
1.04±0.10
37.5単位/kg群
75単位/kg群
試験製剤
標準製剤
試験製剤
標準製剤
1.58±0.14
1.54±0.13
1.91±0.22
1.97±0.17
皮下投与、筋肉内投与において平均体重群間でのバラツキはみられなかった。
鎮痛係数について対照群と試験群はWelch検定において、90%信頼区間は皮下投与では37.5単位
投与群間はlog0.92~log1.05、75単位投与群間はlog0.95~log1.07、腹腔内投与では37.5単位
投与群間はlog0.96~log1.10、75単位投与群はlog0.89~log1.05いずれにおいても生物学的に
同等であることが確認された。
●酢酸ライジング法
SART( 反復寒冷) ストレス負荷させたddY 系雄性マウスに対して、皮下投与、筋肉内投与後
を行い、投与後35分後に0.7%酢酸溶液を0.1mL/10mgを腹腔内に投与した。酢酸投与15分後から
15分間の苦悶反応(ライジング)回数を数えた。
投与方法・投与量
(皮下注射)
被験薬:ナブトピン注3.6単位
37.5単位/12.5mL/kg及び75単位/12.5mL/kg
標準製剤:37.5単位/12.5mL/kg及び75単位/12.5mL/kg
対照群:生理食塩液12.5 mL/kg
試験動物:体重19.5~23.7kgのSARTストレス負荷ddy系雄性マウス(馴化飼育5日以上)
(筋肉内)
被験薬:ナブトピン注3.6単位
37.5単位/5mL/kg及び75単位/5mL/kg
標準製剤:37.5単位/5mL/kg及び75単位/5mL/kg
対照群:生理食塩液5 mL/kg
試験動物:体重18.2~23.5kgのSARTストレス負荷ddy系雄性マウス(馴化飼育5日以上)
測定:酢酸投与15分後~15分間の苦悶反応回数
< 試験結果>
酢酸ライジング法によるマウス皮下投与の鎮痛作用(鎮痛抑制率)
対照群
平均値±SD
0
37.5単位/kg群
75単位/kg群
試験製剤
標準製剤
試験製剤
標準製剤
22.2±3.7
22.5±3.8
27.8±4.3
28.5±4.8
酢酸ライジング法によるマウス筋肉投与の鎮痛作用(鎮痛抑制率)
対照群
平均値±SD
0
例数:10
37.5単位/kg群
例数:10
75単位/kg群
試験製剤
標準製剤
試験製剤
標準製剤
22.6±3.4
22.9±3.2
26.5±4.8
26.8±4.8
皮下投与、筋肉内投与において平均体重群間でのバラツキはみられなかった。
鎮痛抑制率について対照群と試験群はwelch検定において、90%信頼区間は皮下投与では37.5単
位投与群間はlog0.87~log1.12、75単位投与群間はlog0.86~log1.11、筋肉内投与では37.5単
位投与群間はlog0.88~log1.10、75単位投与群はlog0.86~log1.13いずれにおいても生物学的
に同等であることが確認された。