プレスリリース - 地球環境戦略研究機関(IGES)

2015 年 1 月 9 日
お知らせ
(公財)地球環境戦略研究機関(IGES)
再エネ・省エネを促す「緑の贈与」税制が本年から導入
~2015 年度税制改正大綱にエコ住宅普及のための贈与税の非課税措置として導入~
公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)が提案していた世代間資産移転促進により低炭素化設備の普
及を促進する「緑の贈与」の仕組みが、2014 年 12 月 30 日に与党が決定した「平成 27 年度税制改正大綱」に盛
り込まれました※。これにより、今後、住宅の新築・取得・増改築等に併せて行う低炭素化設備(太陽光発電設備、
太陽熱利用設備、地中熱利用設備、高効率給湯器、燃料電池等)の設置のために贈与を受ける資金が、一定の
省エネ性を満たす住宅として、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の適用を受けることになりますi。
※
参考:平成 27 年度環境省関係税制改正について(お知らせ) https://www.env.go.jp/press/100178.html
「緑の贈与」とは、祖父母から子・孫への贈与資金を再エネ・省エネ促進に導く仕組みであり、資産継承と環境へ
の貢献を両立するものです。具体的には祖父母から子・孫の世帯に、太陽光発電や高効率給湯器等を設置する
資金を贈与した場合、一定の条件を満たす場合には贈与税が非課税となるものです。
緑の贈与を活用すれば、祖父母にとっては、地球環境に貢献する有意義な贈与ができ、低炭素化設備を設置し
た子・孫の世帯には、光熱費の削減や太陽光発電の売電利益などが得られるため、Win-Win の構図が生まれます。
また、低炭素化設備の設置工事や省エネリフォームなどは、機器・部品メーカー、地場の工務店等にビジネスチャ
ンスをもたらし、経済活性化や地方創生にも資する仕組みとして期待されます。
IGES の調査iiでは、60 代以上の世帯の 2 割(約 400 万世帯に相当)が、平均して約 300 万円程度の緑の贈与
を実施する可能性が高いと分析しています。これによる経済効果は約 12 兆円にも上り、大幅な再エネ・省エネに資
する他、海外からの化石燃料輸入の削減にも寄与すると評価しています。
公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES: Institute for Global Environmental Strategies)について
IGES は、アジア太平洋地域における持続可能な開発の実現に向け、国際機関、各国政府、地方自治体、研究機関、
企業、NGO 等と連携しながら、気候変動、自然資源管理、持続可能な消費と生産、グリーン経済などの分野において
実践的な政策研究を幅広く行っています。1998 年、日本政府及び神奈川県の支援により設立。本部は神奈川県葉山
町に所在し、約 100 名の研究者を擁し、その約 3 分の 1 は外国籍です。関西(兵庫県)、北九州、北京、バンコクの各
センター・事務所と共に、グローバル及びアジア太平洋地域のネットワークを生かした戦略研究を展開しています。
【本件に関するお問い合わせ】
公益財団法人 地球環境戦略研究機関 (IGES)
プログラム・マネージメント・オフィス
広報担当:乾(いぬい)・歌代(うたしろ)
Tel: 046-855-3734 / 070-5596-5924
Email: [email protected]
http://www.iges.or.jp/
i 非課税対象となるには、低炭素化設備を導入した住宅が一次エネルギー消費量の基準を満たすことなどの条件を満たす必要があります。
ii
平成 26 年度 IGES 調べ n=2000