給食だより 25号 - 東京山手メディカルセンター

給食だより
第25号
2015年1月
明けまして
おめでとうございます!
今年もどうぞよろしく
お願い致します。
「健康食品」の安全性・有効性
このシリーズも4回目になりました。今回のテーマは「アガリクス」です。アガリク
スは一般的に抗がん、がん予防の効果がうたわれています。厚生労働省研究班が2005
年にがん患者の補完代替医療(西洋医学を補う、補完する医療と西洋医学に取って代
わる言葉どおり代替する医療をまとめたもの)の利用率を調べたところ、約45%の人
が1種類以上利用していることが明らかになっています。利用している補完代替医療は、
健康食品・サプリメント(漢方、ビタミン含む)が最も多く96.2%、その他気功、灸、
針などです。健康食品・サプリメントではアガリクスを利用している人がダントツに
多く60.6%、次いで前回紹介したプロポリス、AHCC、キトサンなどが続きます。多く
の患者さんが利用しているアガリクス、本当にがんを小さくしたり、
再発を予防することができるのでしょうか?そして安全性は担保されて
いるのでしょうか?
「アガリクス」は、ブラジル原産のハラタケ属のきのこの一種です。通常きのこは
日陰で生息しますが、アガリクスは灼熱の太陽の下でしか育たないという特徴があり、
「神のきのこ」といわれています。アガリクスが注目されたのは、ブラジルピエダー
テ地方の人々はがんを患っている人や生活習慣病の人が少なかったためです。不思議
に思ったアメリカの研究者が成分を分析し、他の植物には見られない有効成分を含ん
でいることを発見したとのことです。日本には約35年前に持ち込まれ、人工栽培され
て、きのこ本体を乾燥したもの、それを粉末にしたもの、煎じて濃縮しエキスにした
ものなどさまざまな形態で販売されています。
アガリクスの有効成分は、βグルカンといわれています。βグルカンはヒトの消化
酵素では分解できないので、食物繊維の一つに分類されます。β1.3グルカン(結合の
一つ)の抗腫瘍作用は以前から研究されていますが、効果があったという報告は少な
いのが現状ですので、「可能性がある」という認識にとどめておくべきでしょう。
安全性についても、信頼できる十分なデータはなく、過去には発がんを促進する作
用を有する製品や肝障害疑いの症例なども報告されていますし、製品によって製造方
法や有効成分が異なります。健康食品で副作用(健康被害)や医薬品との相互作用が
懸念される場合は利用を控えた方が懸命です。
東京山手メディカルセンター
栄養管理室
七草粥
セリ・ナズナ・ゴギョウ・ホトケノザ・スズナ・スズシロは春の七草です。ゴ
ギョウはハハコグサ、ハコベラはハコベ、スズナはカブ、スズシロはダイコンの
こと。この七草をお粥に入れて1月7日の朝に食べる七草粥は江戸時代に広まった
とされています。七草は早春に芽吹くことから邪気を
払うといわれており、七草粥には1年間の無病息災の願いが込められてい
ます。また、豊作を祈願するという説もあります。
栄養学的には、粥はお正月の祝膳や祝酒で疲れた胃腸を休める働きがあります。
また、スズナやスズシロには消化を助ける酵素が含まれていますし、セリやスズ
ナにはビタミンCや鉄分、カリウムなどのミネラルも豊富に含まれています。冬場
に野菜が少なかった時代には、不足しがちな栄養素を補う機会になっていたよう
です。
七草粥はもともと「七種粥(米、アワ、ヒエ、キビ、アズキ、ゴマ、みので作
られていた)」でしたが、七種類の若菜で作るようになったのはずっと後になっ
てからです。七草の種類は時代や地方によっても異なり、必ずしも上記の七草を
揃えなくてもいいようなので、お好きな野菜でオリジナルの七草粥を楽しむのも
よいですね。
いろいろ
寒くなると温かい食べ物や飲み物が恋しくなりますね。
作りたてはよいのですが、牛乳やコーヒーなどの飲料、
味噌汁などの汁物を温めたときに、急激に沸騰が起り中身が
飛び散る「突沸」という現象が問題になっています。
国民生活センターは以前、電子レンジを使って液体を沸騰させると突沸する
ことがあり、消費者へ情報提供を行いました。しかし、その後も突沸によるや
けどを負った情報が寄せられており、今年12月に再度情報提供を行っています。
事故事例には、電子レンジだけでなく、ガスコンロやIHクッキングヒーターで
食品を加熱した場合にも起きています。
それでは突沸といった危険な状態を回避して、安全に食べ物を温めるにはど
うしたらよいのでしょうか?国民生活センターのアドバイスは以下の通りです。
1.電子レンジで飲み物を温める場合は、温めすぎないようにする。
2.電子レンジで誤って飲み物を温めすぎた場合は、突沸を避けるため、加
熱が終了しても容器をすぐに出さず、扉を開けないで1~2分冷ます。
3.ガスコンロやIHクッキングヒーターを使って液体を温め直すときは、火
力を弱めにし、かき混ぜながら行う。
「突沸」だけでなく、舌や喉のやけどにも注意して召し上がって下さい。
給食委員長のつぶやき
万葉の時代より、薬狩として薬草や野の草が
採られ、七草粥に用いられていました。
す。
冬場
る
や
す。
で
ど
す。