新たな方式を提供する オープンプラットフォームについて

家庭での電力制御の敷居を下げる、新たな方式を提供する
オープンプラットフォームについて
問い合せ先: JAXA シニアフェロー室、
新事業促進センター
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特願2014-153348
HEMSに代表される、消費電力の見える化活動は、エコ意識の向上に大きく貢献してきましたが、
各機器の電力消費を積極的に制御する方法については、取組みがなかなか進みませんでした。な
ぜなら、その制御を行なう前提が「各機器の動作情報の把握」にあり、そのために大がかりな設
備を要する形式が想定されていたからです。
消費電力のピークカットは、家庭のみならず電気事業者殿にとっても、電力の安定供給を確実
にするうえで、大きな課題でもあり、その実現が強く期待されているところでもあります。
JAXAは、このピークカットの電力制御を行う方式として、「はやぶさ」技術に端を発した
server-client 通信を要しない新制御法を紹介して参りました。これは実時間で優先度を考慮し
た電力割当て問題を解く分散処理方法です。この方法は既存の住戸に適用できるため、高齢者世
帯、単身者世帯、集合住宅での活用も考えられます。同方式は、既にリモコンで常用されている
赤外線メディアの活用によりその特徴を発揮することができます。
この方式の最大の特徴は、各家電機器に制御指令を指示するのではなく、流れる情報が公開情
報たるニュースであることにあり、それ自身が各家電機器に何らの制御指示も行わない点にあり
ます。出先である各家電機器側こそが、そのニュースに基づいて、実施するか否かも含めての制
御を行う当事者であることです。多くの機器ではハードウェアの変更も必要ありません。
この新方式が安定かつ効果的に機能するためには、公開情報たるニュースを発信する赤外線
メディアと同報発信されるニュースの内容、および家電機器側に設けられる並列処理 を行うた
めの装置と優先度に関わる算定論理が必要です。今回、オープンプラットフォー ムにおいて公
開する情報とは、前者のうちのニュースの記述方法にあたります。後者のうちの家電機器上に組
む論理については、本方式を利用し協同に意思表示いただいた家電機器メーカー殿には無償で提
供致します。
本記述方法には、発展・拡張部分が設けられており、JAXA は、今後設けられていく規格の構
築にも積極的に取り組んで参ります。
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赤外線による、複数、異種メーカー、異種機器に対する
優先度つきピークカット電力制御の概念
M/C
M/C
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(特願2014−153348)
<技術情報の詳細>
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○ 赤外線IF
波長 940nm (900-950nm範囲と規定)、fsc=36.7kHz、T=436microsec 。
○ 家製協 format での送信の内容。TV 以外の、エアコン、LED 照明などが対象。Zigbee 無線送信内容も、6項以降13項まで共通。
1. ダミーバースト部 : 23T+46T off 。wake up 。
2. Leader 部 : 「8T連続+4T空白」
3. Customer Code 部 : 16bit (TBC) 家製協が管理。
4. パリティ部 : 4bit。省略
5. JAXA カスタムコード部 : 4bit。format 識別。最初は、「0」。
6. ワイヤレスアドレス部: 4bit。初期値は、一斉同報、「0Fh」。
7. version 部 : 4bit。version , revision 情報。最初は、「0」。
8. 逸脱電力量-1部 : 8bit。ΔPt。+/-128A (100V相当値) or +/-64A (200V相当値) 次の4bit と合わせて、12bit 表現。bipolar。alert
module から受信する内容をrelay 送信。
9. 逸脱電力量-2部 : 4bit。ΔPt の下位。結局、これを使う場合だと、ΔPt +/-128A (100V相当値) or +/-64A (200V相当値) 分解能:6W。
alert module から受信する内容をrelay 送信。
10. システム感度部 : 4bit。最上位1bitは、逸脱電力量の起算基準電圧の識別。0(LO)は、200V基準。1(HI)は、100V 基準。下位3bit
は、設定されているシステム感度。0-7で指定。0.1きざみで、0.2-1.4に相当。ちなみに、初期値は、「1.0」で、5d=05h。
11. 副制約 部 : 全 8bit。
上位2bit は、D4 情報種別。0-3で識別。「0」は副制約選択を示す。選択 1-3は、将来へのreserve。将来、多目的に利用。上位2bit
で交互に、sub commutation して多目的に使用。
D4 が副制約情報である場合:
次の2bit は、0-3 個の副制約空間抽出ベクトルを識別。
下位4bit は、設定されている副制約される電力のΔPt 比。1-15で指定。1/1,1/2,,,, 1/15 の意味。
12. 予備 部 : 8bit。将来のための予備。
13. BCC 部 : エラー検出用。8bit。
14. traler code 部 : 1Ton +23T以上off。
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○ 家製協 format での共通パラメータ設定送信の内容。6項から14項までは、Zigbee 無線での送信も共通。
1. ダミーバースト部 : 23T+46T off 。wake up 。
2. Leader 部 : 「8T連続+4T空白」
3. Customer Code 部 : 16bit (TBC) 家製協が管理。
4. パリティ部 : 4bit。省略
5. JAXA カスタムコード部 : 4bit。format 識別。最初は、「1」。
共通パラメータ書き込み format を明示。
6. ワイヤレスアドレス部: 4bit。初期値は、一斉同報、「0Fh」。
7. version 部 : 4bit。version , revision 情報。最初は、「0」。
8. システム内の削減可能最大電力量 (KVA) : 8bit。default は、下記の機器数x1KW。0-255。
9. 制御対象となる、大型家電機器数 N : 8bit。0-255。
10. 優先度計算方式 : 4bit 。Type=1~4。実質は、Type=1~2 でよい。0-3 で表現。
11. 優先度の下限指定値 k : 4 bit。N で規格化された値。bit k(1-4) on で、2^(k-2)。
つまり、4bit で表す数値K で、 K/2。標準値は、k=2 bit 目、(K=2)。
12. もどり優先度計算方式 : 4 bit。方式 1 or 2。0-1で表現。拡張用に 0-3 割当。
13. もどり優先度の下限指定値 j: 4 bit。N で規格化された値。bit j(1-4) on で、2^(j-2)。
つまり、4bit で表す数値J で、J/2。標準値は、j=2 bit 目、(J=2)。
14. BCC 部 : エラー検出用。8bit。
15. traler code 部 : 1Ton +23T以上off。
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総計: 最長 393T 。
* メディアコンバーターとの通信は、識別code でセキュリティを確保する。必要があれば、6.項を活かして、識別させる。
○ NEC format での送信の内容について。NEC format を外すのは簡単で、判断しだい。
1. Leader 部 : 「16T連続+8T空白」
2. Customer Code 部 : 16bit (TBC) ルネサスが管理。
3. Data 部 : 1byte + 反転1byte で、実質は 1byte 。
内容: 1秒ごとに、以下の2種類のデータを送信。Data の第0bit は、識別bit
(1) Data の第0bit が、「0」の場合 : ΔPt +/-128A (100V相当値) or +/-64A (200V相当値) 分解能:200W。7bitで128Ashift して
正値化。alert module から受信する内容を編集して送信。
(2) Data の第0bit が、「1」の場合 : 設定されている総電流規制値 0-128A (100V相当値) or +/-64A (200V相当値) 分解能:
100W。alert module から受信する内容を編集して送信。
TV で表示するときは、この2種類を更新して表示。
総計: 最長 152T 、trailer code は送信しない。
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