計量経済学練習問題5

計量経済学 練習問題5 提出:1 月 23 日まで
3 人以内であれば、グループで1つのレポートを提出してもかまわない。その場合は、グループ
全員の名前を記入することを忘れないように。
R (他の統計ソフトも可) を用いて、以下の設問に答えよ。解答と統計ソフトの出力結果を合わ
せて提出すること1 。すべての回帰式には定数項を入れること。
練習問題で使用するデータは SW のウェブサイト(http://wps.aw.com/aw stock ie 2/50/
13016/3332253.cw/index.html) の “Data for Empirical Exercises”から入手できる。
1. (SW E7.1) 労働者の年齢と収入の関係を分析したい。一般に、年齢を重ねた労働者ほど豊富な職
業経験を持つため、高い生産性を有し、高収入を得ていると考えられる。データセット CPS04
Data を用いて、以下の問いに答えよ。データの詳細については CPS04 Description を参
照せよ。
(a) 平均時給 (AHE) を年齢 (Age) に回帰せよ。推定された切片と傾きを記せ。
(b) AHE を Age と女性ダミー (F emale) と大卒ダミー (Bachelor) に回帰せよ。Age が
AHE に与える影響の推定結果を記せ。Age の係数の 95 %信頼区間を求めよ。
(c) (a) の推定結果と (b) の推定結果を比較せよ。(a) と (b) では Age が AHE に与える影
響に大きな違いはあるか。(a) には欠落変数バイアス (omitted variable bias) が生じて
いると考えられるか。説明せよ。
(d) Bob は 26 歳の高卒の男性である。(b) の推定結果を用いて、Bob の収入を予測せよ。
Alexis は 30 歳の大卒の女性である。Alexis の収入を予測せよ。
(e) 性別と学歴は収入の決定要因になっているだろうか。F emale の係数は 0 であるという
帰無仮説を検定せよ。Bachelor の係数は 0 であるという帰無仮説を検定せよ。F emale
と Bachelor の係数がともに 0 であるという帰無仮説を検定せよ。
(f) 一般に、ある2つの条件が成り立つとき、OLS 推定量には欠落変数バイアスが生じる。
2つの条件を記せ。今、2つの条件があてはまっていると考えられるか。考えを述べよ。
2. (SW E11.3) アメリカでは、自営業者 (self-employed) と賃金労働者 (wage-earners) 間での健康
保険への加入状況の違いが、公共政策上の関心事となっている。データセット Insurance Data
を用いて、 以下の問いに答えよ。データの詳細については Insurance Data Description
を参照せよ2 。(解答は一通りだけではないので、各自で適切と考えるモデルを推定して、設
問に答えよ。)
(a) 自営業者は賃金労働者と比較して、健康保険への加入率が低いだろうか。もしそうであ
れば、その差は現実的に意味を持ちうるほどの差であろうか。常識に照らして答えよ。
またその差は、統計的に有意であろうか。
1 解答のみ、あるいは、統計ソフトの出力結果のみを提出した場合には採点しない。自分でコンピュータを使って計算し
たことを明らかにするとともに、その結果をわかりやすい形でまとめること。
2 データは、Perry, C. W. and H. S. Rosen (2001):“The Self-Employed Are Less Likely Than Wage-Earners to
Have Health Insurance. So What?”で用いられたデータを一部抜粋したものである。
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(b) 自営業者と賃金労働者では、年齢や学歴など、様々な属性に違いがあるかもしれない。
そのような属性をコントロールした後でも、自営業者の健康保険への加入率は賃金労働
者と比べて低いと言えるだろうか。
(c) 健康保険への加入状況は年齢とともに変化するだろうか。年齢の高い労働者ほど、より
健康保険に加入する傾向にあるだろうか。あるいは反対に、より健康保険に加入しなく
なる傾向にあるだろうか。
(d) 自営業者であるか否かが保険の加入状況に与える影響は、年齢によって異なるだろうか。
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