足関節運動の筋力トレーニングが垂直跳びの跳躍高に及ぼす影響 ーバレーボール競技におけるジャンプパフォーマンス舟上のための実践的方策について一 E f f e c to fm u s c u l a rs t r e n g t ht r a i n i n gi na n k l ee x ε r c i s eonv e r t i c a ljumph e i g h t - A view point ofp r a c t i c a l scheme f o r the improvement ofjumpperformance in volleyball game- 田中弘之ぺ清水安希子**山本洋司宰牢牢,松下 Hiroyuki TANAKA申, 亮*牢牢牢 Aki ko SHIMIZU*ぺHiroshi YA M A 班 OTOキ ** and Ryo MATSUSHITA 事牢宇事 *鳴門教育大学生活・健康系(保健体育〉教育講産 * F a c u l t y ofH e a l t h andL i v i n gS c i e n c e s, Naruto U n i v e r s i t y ofEducation **松原市立三宅小学校 キ *MiyakeElementary School,MatsubaraMunicipal ***豊中市立桜井谷東小学校 *** S a k u r a i d a n i h i g a s h iElementary School,ToyonakaMunicipal ****鳴門教育大学大学院 **** Graduate School,Naruto U n i v e r s i t y ofEducation 鳴門教育大学学校教育学部 干7 7 2 8 5 0 2 鳴丹市鳴門宵高島宇中島 7 4 8 N a r u t oU n i v r s i t yo fE d u c a t i o n 7 4 8N a k a j i m a ,T a k a s h i m a ,N a r u t o c h o,N a r u t o s h i,T o k u s h i m a7 7 2 8 5 0 2,J a p a n 平或 1 8( 2 0 0 6 ) 年1 1月1 0日受理 ( R e c e i v e donN o v e m b e r1 0 ,2 0 0 6 ) キーワード:バレーボール競技,等速性筋力,筋力トレーニング,跳躍高 Keywords:v o l l e y b a l lgame,i s o k i n e t i cm u s c l epower ,t r a i n i n g,v e r t i c a ljumph e i g h t o tav e r i f i c a t i o no ft h er e l a t i o n between jump A b s t r a c t: As t h ep u r p o s eo f improvement o fjump p e r f o r m a n c e,we g h a n g ei s h e i g h ti nv e r t i c a ljumpandi s o k i n e t i cm u s c u l a rs t r e n g t honl o w e rl i m b sbye x p e r i m e n t a lt e c h n i q u e . ,Remarkablec n o ts e e ni nt h et r a i n i n gg r o u po fk n e ej o i n te x t e n s i o n and f 1 e x i o ne x e r c i s e . On t h eo t h e r hand,s i g n i f i c a n tc h a n g ei n 1 e x i o n and d o r s if 1 e x i o ne x e r c i s et r a i n i n gg r o u p,i na d d i t i o nt o出 a t ,s i g n i f i c a n t jump h e i g h tc a nbe s e e ni na n k l ep l a t a rf i n c r e a s ei ne a c hm e a s u r e dv a l u eo fmaximumm u s c u l a rs t r e n g t h and i s o k i n e t i cm u s c u l a rs t r e n g t ho fa n k l ec a n be s e e n . 1 e x i o n and T h e r ec a na l s obe s e e ns i g n i f i c a n tp o s i t i v er e l a t i o n s h i pb e t w e e n maximum m u s c u l a rs t r e n g t ho fa n k l ep l a n t a rf v e r t i c a ljump h e i g h t . C o n s e q u e n t l y,improvement o fjump p e r f o r m a n c e by m u s c l et r a i n i n g conceming l e g sa r t i c u l a re x e r c i s ec a nbee x p e c t e dands i g n i f i c a n c yo fp r a c t i c a lt r a i n i n gp r e s c r i p t i o ni nt h i ss t u d yi ss u g g e s t e d . の技術的要素に深く関与し,勝敗に大きく影響すると考 し謡言 えられている 2)。つまり,バレーボール競技において, 近年,バレーボール競技では,技衛的要関に加味して r r 「高さ J , 速さ J , パワー j がよち一層強く要求される 高く践躍することは,競技力向上を E的とする上で非常 に切要な因子であると認識されている O ようになり,これらに対応するための基礎的非力の高度 跳躍は, r 運動の主体である身体が,逆に身体を客体 として重力に抗して空中に投射する J 3) と指摘されてい 化がますます重要視されている1)。 特に,バレーボール競技における、「高さ j を支える跳 るように,重力による下向きの牽引力よりも,大ぎな上 躍運動は,最も基本的な動作の一種であり,高く跳躍で 向きの推進力を発揮 L なけれ ~~r ならない。また,跳躍動 きることは ス ノ fイク ブロック ジャンプサーブなど 作は,歩,走などの岳然発生的な運動とは異なり,①跳 - 27- 躍距離が宣接パフォーマンスになる距離志向動作,②動 頭に置いて,専門的な機器を使用せず,容易に実施でき 作目的が跳躍距離以外にあってもそれが大きい方が有利 る関節運動のトレーニングについて実践的に検証し,跳 となる距離有意動作,の 2つの動作に分類、 3)されてい 擢高と下肢の関箭運動の主体となる筋力との関係につい るO バレーボール競技における跳躍は,後者の て追証し,有用なトレーニング処方策定のための一助と m離有意 動作の範轄に属し,主に助走を伴った両足諮み切乃で行 うことが多い。代表的な跳擢動作であるスパイクでは, 助走による水平方向の力を踏み切りによって垂亘方向に 変換し,反動動作を利男するとともに再読の張上げ動 なる資科の提供を目的とした。 1I.方法 1 被験者 被験者は, N大学に所罵する女子大学生2 1名とした。 作によって,より効率的な高さを獲得しようとするもの 2 測定 1 である D 跳躍は,体力的な要国としての第力の影響を強く受け 山形態計測 e s t a s oJ .e t るという報告 4) 5) が散見される O 例えば, D 形慈計測の項昌は 身長体重体臨肪率とした。体 a 16) は , 伸 張 - 短 縮 サ イ ク ル を 利 用 し た 等 速 性 読 力 の 詣肪率の測定は, BIA法により行った。両手間法 (HBF 測定と垂藍跳びの高さとの関採から 3 0 0,OMI ミ ON), 両 足 罰 法 (TBF-560,TANITA) の 各 垂直跳びの高さが 2法の体居訪率の平均僅を採用した。ま 膝関節伸展強度にある程度抜存するという結果を報告し 機器をイ吏用し a f f i u l e n t t iN . A.7)は,フランス・バス ている O また, M た,除脂肪体重を許せて算出した。 名を対象 ケットボールリーグ・デイビジョン Eの選手20 ( 2 ) 垂重跳びの跳擢高の溺定 垂直談びの跳躍高の測定には,サージャント・ジャン として,電気軒護士によって藤伸展筋群を収結させるト レーニングを 4遅関行った測定結果から,このような刺 プメーター (JUMP-MD 竹井機器工業株式会社)を使 激は,等速性篇力の強化に効果があり,垂蓋跳びのパフ 用し,立位姿勢から反動を用いた通常の垂直跳び(以下 ォーマンスにも向上が認められたことから,跳擢動作の VJと略)について,跳躍を 2 @試行し,その平均値を 技術練習と筋力トレーニングとの併用を推奨している G 測定鐘とした。 また,勝田ら 8) は,陸上競技挑躍選手,バレーボール ( 3 ) 等速性運動詩の動的筋力の測定 選手および非鍛練者を対象として,下設における提及び 等速性運動時の動的筋力の測定は 動的筋力測定装置 筋の形態的特性とジャンプパフォーマンスとの関係か (CBX-770,サイベックスジャパン)を用い,右足関節 ら,下腿三頭筋における務長及び第容積がジャンプパフ 底屈・背昌運動,右藤関節伸展・屈曲運動について実施 ォーマンスに大きく影響することを報告している O 他 した。等速性運動の角速度は, 60, 1 2 0, 180,240,300 方 , B o b b e r tM. F .e ta l .9) は,身体重心上昇期における 度/秒の 5種類を設定した。 測定手 ) 1 1 買は,等速性運動の各速度に対して,それぞれ 足関節運動が成した仕事量について,第と躍の譲合体を モデルとして計算することにより 下腿三頭第全体の仕 5自の反復を lセットとして連続的に実撞し,その最大 事量は,膝関節から移動した仕事量よりも大きいと報告 笹を採用した。なお,筋力の分析項目は,最大トルク, している O 最大仕事量,平均パワー及び総仕事量の壬項 Eとした。 従来から,ジャンプパフォーマンス向上のトレーニン ( 4 ) パネ秤による足関節底居・背居運動時の最大筋力の グ方法として,伸張-短縮サイクルでの反動効果に故 測定 0,こ 拠する反動的衝撃法が普及してきた 10) が,その反0 足関節意思・背屈運動における等張性筋力の澗定は, の方法の欠点を指指する研究 11) も存在しており,ジャン 台上にパネ秤を水平に取号付け,フックの先に付けたベ プパフォーマンスの向上に関するトレーニング処方の効 ルトを被験者の走部に装着する器機を試作し,長座の姿 率的なあり方については,論議が繰り返されている現状 勢によって,最大努力による足関節底居,背屈運動を実 にある O 施させ,その最大量(以下,最大筋力と略)を測定値と しかし,先行研究における総合的な理解において,ジ ャンプパフォーマンスには下肢の第力の如何が深く関与 して言己告表した。 3 トレーニング することに異論はなく,特に,下肢の関節運動のトレー 足関節長短・背窟運動のトレーニングは,上述の器機 ニングが重要な要医であると推察される O ただ,バレー を用い,漆関節伸震・屈曲運動のトレーニングには,レ ボール競技におけるジャンプパフォーマンスに着眼し, ッグカールマシンとレッグエクステンションマシン 下肢関節運動の主体となる小篇群の筋力との連関につい て考究した実践的な研究は (SERレ ッ グ カ ー ル & レ ッ グ エ ク ス テ ン シ ョ ン マ シ ン , S e n o h ) をイ吏用した。 極めて少ない現状にある O また,測定結果を基に被験者の形態や筋力等に有意 本研究では,実際の学校教育におけるバレーボール競 技のジャンプパフォーマンスに関する指導場面を強く念 差が生じないように留意しながら - 28' - トレーニング処方の 差異によって, A群 7名 , B群 7名 , C群 7名の 3群に 分別した。 図 2~こ, A 群, B群 , c群における足関節底屈・背居 運動での最大筋力の経時的推移を月毎に示した。足関箆 各群のトレーニング頻度辻 l遇謂あた乃 4冒とし, ト 底君動作では, A群において有意な経時的変化が認めら c群では有意な経時的変化 ta l .l2lが提唱している最大 レーニング強度は, Thomas e れ た が ゆ く0 . 0 5 ), B群 , 反復回数から最大筋力を予瀕する方法に準拠して算定 は認められなかった(国 2- 1)0 足関節背屈動作では, 2司と し,最大負荷量の約 60%で1 A群 に お い て 宥 意 な 経 時 的 変 化 が 認 め ら れ た が (p< 2ヶ月間継続して実 c群では有意な経時的変化は認められな 0 . 0 5 ), B群 , 施させた。 A群:足関節底屈・背君運動のトレーニング かった(図 2- 2)。 B群:膝関箭伸展・居曲運動のトレーニング C群:非トレーニング 14 瀕定は,測定 1と同ーの項目について, トレーニング トレーニング終了後に,詞ーの方法により実施し 頃 nk 渥 uR 中盤, ( 切 さ 4 灘定 2 た 。 5 統計学時処理 測定値は,平均値と標準誤差で示し,跳躍高の平均値 引 r a y F a c t o r i a l ANOV A または の有意差検定には, One . o s p<8 12 10 8 6 2群間の 直の有意差検定に辻,対正、のある t検定を用い 2 平均f つのカテゴリ一変数で分類される多群の平均値の有意差 〈男〉 ・ 冨 2-1 各群の足関節Jtt/a運動における最大筋力の経詩 的変化 検定には, Two引 a yR e p e a t e d M e a s u r e s ANOV Aを用い, 析には,直線田婦分析を用いた。 9 果 hE C群では有意な経時的変化は認められなかった c なお, 5 月が3 .6%で 2ヶ丹間の CVの平均値は 5.8%であり,生 ・ 函 2-2 各群の足関篇背毘運動における最大筋力の経詩 的変化 理科学的な変動の範圏内であった。 :A群 , 図 3に , A群 , B群 , 畏》 J 動係数(以下 CVと略)は, 1 0耳元宝8 . 0弘 , 1 1月が5.3%,1 2 、 ‘ 10 ,z 4 C群における挑躍高の灘定値の変動について, VJの変 , ヱ ロ . 0 5 ), B群 , て有意な経詩的変化が認められたが (pく0 6 日二、 時的推移を丹毎に示した。 VJの跳躍高は, A群におい 7 T4i c群における VJの践擢高の経 p<8 . o s 8 ふizuR ︿ 切 さ n 曜 n撞 uR なお,有意性の水準辻全て 5%以下とした。 図 Iに , A群 , B群 , 0:B群 宅 X:C群 :A群 , c h e f f eの方法を採用した。また,回埼分 多重比較には S l l i .結 1 2 10 O n e : w a yR e p e a t e d ' M e a s u r e s ANOV A を用い, 0:B群 弓 X:C群 c群における足関節底屈・背屈 運動での等速性筋力の最大トルクの経時的推移を月毎に 20) 檀回暖 p<G . o s 示した。是関節底居動作では A群において有意な経時 . 0 5 ), B群 , 的変化が認められたが (pく0 4s c群 に お い ては宥意な経時的変化が認められなかった。なお,足関 節背居動作では,全ての群においては有意な経時的変化 40 は認められなかった。 , A群 , B群 , 図 4に お 10 12 〈 昆 〉 ・ 函 1 各群における践擢高の経詩的変化 :A群 宅 0: B群 , X: C群 c群における膝関節伸展・居曲 運動での等速性筋力の最大トルクの経時的推移を月毎に 示した。膝関節停展動作では B群において有意な経時 . 0 5 ), A群 , 的変化が認められたが (pく0 c群 に お い ては有意な経時的変化は認められなかった。なお,膝関 節題菌動作においても侍震動作同様の傾向が得られた。 - 29- (EZ) ASVR担者嵯・堕蝿 劉》 p<O . 0 5 bAZun噌 75 45 守 米 企 &T ヰ 60 20 ー -Y=-5.0335+0. 3 4926x (r=0.4 S 7 , p<0 . 0 5 ) • 1 5 10 5 @ 30 3s 12 10 函 (az) 喝 さιun曜・堕-F h ヱ un曜 (EZ) hmA 126ト γグ 84 孝一・…ー争 H m ー 一 一Y=-7.0171+0.43888x (戸 10 s • @ 〆 40 . . L 〈郎〉 4s弱 • 55 60 蹟 盟 高 (c ・} 12 10 OF,p •• 1 5 3s 70 ω 力との栢霞関鐸 p<O . 0 5 98 55 5-2 跳躍高と足罵節底J W .背屈運動における最大筋 e: 112 50 腕 園 高 ( CII ) 図 3 各群の足環節底屈運動における最大ト jレクの経時的 変化 群 A群 , 0:B群 可 x:c 140 4s 40 〈月) 〈 見 〉 国 6-1 跳躍高と足関節底思・背題運動における最大ト 図 4 各群 o膝関蔀f 申畏運動における最大ト jレクの経時的 変化 e:A群 宅 0:B群 , X:C群 んクとの棺罵罵探 (星) 函 5に , VJに お け る 跳 躍 高 と 足 関 節 憲 君 ・ 背 屈 運 動 晴 夫 , h一長嵯・震蝿 h での最大第力との相関関孫を示した。是関節ま屈動咋, 足関節背屈動作のいずれにおいても有意な正の相関関係 . 0 5 ) 0 が認められた (pく 0 図 Gに , VJに お け る 跳 躍 高 と 足 関 節 底 題 ・ 背 毘 運 動 での等速性筋力の最大トルクとの相関関係を示した c 足 UiO 一-Y=8三116+3.5161x 140 • • 120 100 80 ω 40 20 35 関節底屈動作,足関節背屈動作のいずれにおいても有意 ・ (r=0.528 ,p<O.05) • 40 4s 50 55 60 腕 園 高 ( CII ) . 0 5 ) 0 な正の相関関係が認められた (pく 0 函 6-2 跳躍高と足罵読まJ W .背居運動における最大ト (av 宍纏 ルクとの梧震関係 12 ーー-y= -4.0袋立 +0.23~詔x (r=O.477,p<D .05) 9 • N .考 噌・量挙 uR 跳擢高 i こ及ぼす身体各部の影響について,従来から下 6 • • • 。 • ま,跳躍 肢の関与度の重要性が指摘されている O 阿部出 l 3 3s 4s 40 高における身体各部の運動を相対的に捉えて検討した結 果,下肢約 70%,上肢約 20%,体幹約 10%の比率で貢献 50 S5 60 度が得られると説明している G 緯 彊 高 ( cm ) 図5 : 1 跳躍高と足関節底居・背窟運動における最大篇 力との担関関係 察 また,勝目 2)は,単発的なジャンプでは,躍で蓄えら れた弾性エネルギーよりも下腿三頭筋で発揮された張力 自身が大きく貢献することを報告している O -30- このような知克を総合すれば,下肢の筋力,主として びであるスパイクジャンプと足関節底屈・背屈運動との 膝関節伸展・屈曲運動がジャン 関連性を明らかにするとともに,長期に渡るトレーニン ブρパフォーマンスに及ぼす影響は大きいものと推測され グが下技の第力とジャンブρパフォーマンスに及ぼす影響 るO について検証することとしたい。 足関節底毘・背居運動 本訴究では,下肢の小筋群のトレーニングがジャンプ パフォーマンス向上の誘因となる可能性を有する跳躍高 に及ぼす影響について v .結 語 ジャンプパフォーマンスの向上を目的として,跳羅高 足関節および膝関節運動時の筋 と下肢の等速性筋力との関連について考究し,下鼓の筋 力との関連から考察を進める G 小筋群のトレーニングについて,例えば,田中凶は, 力トレーニングの存効性について横証した。女子大学生 上鼓における手言の掌居・背居動作のような小筋群の等 21名を対象として, 速性読力において,ラグ三ピーフットボール競技の投能力 うな知見を得た。 を向上させる決定因子になると報告している O 本実験に 1.足関箆底屈・背屈運動のトレーニング群にのみ,垂 おいても,開様の観点、から,下肢の関節運動のトレーニ ングによ与,各関節運動に連関する小篇群の筋力の増大 トレーニング実験を行い,以下のよ 直跳ぴの説躍高に有意な経時的増加が認められた。 2 . 足関節底屈・背屈運動のトレーニングにより,最大 が招来され,跳躍高が向上したと推察される O つまり, 能力及び等速性第力の各部定値の経時的変化に有意な 下肢の関節運動に関わる小筋群のトレーニング度は,ジ 向上が認められ,足関節定患・背屈運動とジャンプパ ャンプパフォーマンスに密接に関与する重要な医子であ フォーマンスとの需には密接な関連があることが実証 ると考えられる O された。 国 1~ 国 3 に示したように, VJの拡躍高,足関篇底 3 . ジャンプパフォーマンスと足関節底思・背癌運動の 窟・青毘運動における最大筋力,等遠性筋力における最 最大第力,等速性筋力の間に,有意な正の相関関係が 大トルクの各測定値に有意な経時的変化の向上が認めら 認められた。 れた。そして, VJの跳躍高の経時的増大は,足関節底 以上のような知見から ジャンプパフォーマンスの向 屈・背居運動のトレーニング群に特異的であることが実 上を企図した足関節農屈・背屈運動の実践的なトレーニ 証された。これは,跳躍動作を行う場合には,足関節底 主が示唆された。 ングを行うことの有効i 思・背昌運動に作用する下腿三頭筋の関与度が大きいと いう先行研究却の成果に合致する知見であると控察され 参考文献・引用文献 1)日本バレーボール協会指導普及委員会編「シリー るG ズ,スポーツ Q & A,実践バレーボール下j 大惨館書 地方,垂亘跳びにおいて,藤関節伸展動作が大きく貢 献しているという報告 3)も行われている O しかし,本実 験では,藤関節伸展・屈曲運動のトレーニング群におい 底 , pp.86-87,1983 2)黒川貞夫 f バレーボールの競技力向上に資するス て,藤関節伸展運動の筋力には有意な経時的変化が認め ポーツ科学の成果. 21世紀と非育・スポーツ科学の発 ちれたにもかかわらず跳躍高の記録にはそれが認めら 展 2J 日本体育学会第 50由記念大会誌,司本体育学会 れず,ジャンプパフォーマンスと足関節底居・背屈運動 の等速性筋力および最大筋力との相関関係からも両者の 第 50回記念大会特別委員会編集, pp.89-99,2000 3)宮下充正,深代千之,出際哲夫「跳ぶ科学j スポー 密接な関係が追認されている O ツ科学ライブラリー,大1 多館書J i 5 , p p . 8 79 7, 1990 以上のような見解から,足関節底屈・背居運動が,ジ ,M.F . , Van. I n g e n . Schenau,G . J . Mechanical 4) B o e r t ャンプパフォーマンスに大きく影響を及ぼすことが推察 o u t p u tt h ea n k l ej o i n ti ni s o k i n e t i cp l a n t e rf l e c t i o n and され,嵐窟・背居動作形態における筋力発揮様式から, 10 ), p p . 6 6 0 j u m p i n g . Med. S c i . S p o t E x e r . 22( ジャンプパフォーマンス向上に対して支配的な要因とな 668, 1990 るの辻,意思力である可能性が強く示唆されている O . J .,B o b b e r t ,M.F . , Hu 討i n g, 5) V a n .I n g e n . Schenau,G 総括として,バレーボール競技におけるジャンプパフ P .,A .W o i t t i e z,R .D . The i n s t a n t a n e o u st o 珂u e a n g u l ぽ ォーマンスの課幹をなす垂直競びの運動能力は,足関節 v e l o c i t yr e l a t i o ni np l a n t a rf l e c t i o nd u r i n gj u m p i n g . の底癌・背屈様式での関節運動と密接に連関すると推量 ) pp. 422-426,1985 Med. S c i .S p o tE x e r . 17(8, され,ジャンブρパフォーマンスの向上を百的とした実践 .,Kaminski,T.W.,P e r r i n ,D.H. R e l a t i o n 6) D e s t a s o,J 的なこれらの小筋群のトレーニングの有用性が示唆され s h i pb e t w e e r id r o pv e r t i c a ljump h e i g h t and i s o k i n e t i c た 。 c 1 e .I s o k i n e t m e a s u r e su t i l i z i n gt h es t r e c h s h o r t e n i n gc y 今後の課題として i c sandE x e r c i s eS c i e n c e 3( 1 0 ),pp.175-179,1997 よりバレーボール競技の実践場面 に則した動作形態として 助走を開始局面とする垂直跳 A . The e f f e c t so fe l e c t r o m y o s i m u l a t i o n 7) M a f f i u l e t t i,N. -31- t r a n i n g and b a s k e t b a l lp r a c t i c e on m u s l es t r e n g t h and 特集,震発的筋力 j 月刊トレーニングジャーナル 1 2月 . J . S p o r t Med. 2 1, pp. 437 jumping a b i l i t y . I nt 号,ブックハウス HD,p p . 1 5 1 7,2003 443,2000 .G . Weight t r a n i n gs t e p s 1 2 ) Thomas,R .B . , Baremey,R p . 1 4 1 1 5 1,1 9 9 2 t os u c c e s s . L e s u r eP r e s s,p 8) 勝田茂,高村英幸,中林真知子,稲木光春,福原語 三,村木征入,尾懸貢,新津守「アキレス 1 建の形態的 1 3 ) 阿部通長,渋JlI侃二,石島繁,橋原孝博「高さをね 特性がジャンフ。パフォーマンスに及ぼす影響」筑波大 らいとする跳のバイオメカニクス的特性.身体運動の J杏林書読, pp.182-188,1983 科学 V 学体育科学系紀要, p p . 2 3 3 4,1 9 9 8 9) B o b b e r t,M.F . , A .H u i j i n g, V a n .I n g e n .S c h e n a u,G . J . 1 4 ) 田中弘之,佐々木弘幸,村上智計,土井副史,山中 Ane s t i m a t i o n power o u t p u ta n d work done by human 一関「ラグビーフットボール競技における投距離と上 1 et e n d o n complex i nj u m p i n g .J . t r i c e p ss u r a e musc 肢の第力との関係一筋力トレーニングが等速性筋力 J教育実践学論集, 5,pp.ll1 と投龍力に及ぼす影響 - B i o m e c h .1 9( l l ),p p . 8 9 9 9 0 6, 1 9 8 6 1 l8 . 2004 1 0 ) 財団法人日本バレーボール協会編「バレーボール・ 1 多鑓 コーチ教本.地域・競技方向上指導者 B級用」大1 1 5 )] 11 野哲英「ファクショナルエクササイズ③j 月刊ト 書届, pp. 4 4-48,1 9 8 9 p . レーニングジャーナル 7月号,ブックハウス耳D,p l l ) 伊坂忠夫,湯浅康弘「パワーをどうアップするか. -32- 5 3 5 8 . 2002
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