肝臓の血液循環と小葉構造の特徴

肝臓の血液循環と小葉構造
の組織学的特徴
目次
◆肝臓の形態
◆肝臓の機能
◆肝臓での血液の流れ
◆肝臓の中はどうなっているの?
◆肝臓を顕微鏡で見ると?
◆肝硬変になる仕組み
杉 悠
池田憲司郎
砂川雄海
内川大輔
肝臓はどんな形?
肝臓は、人体の右上腹部に位置し、肋骨弓の後ろ側で、横隔膜の下にある人体のなか
でもっとも重い臓器。成人の肝臓の重さは、1.2~1.5kgで、体重の約50分の1にあた
る。肝臓は、厚みがあって大きい右葉と、小さい左葉に分かれる。
http://byoutaieiyou.e840.net/20030100.html
肝臓とは何をする所?
人体の化学工場と呼ばれるぐらい私達が生命活動をする上で多岐にわたる働きを
している!
具体的には?
①代謝
吸収された栄養素を身体の各器官に取り込める栄養分に作り変える。
②解毒
体に入った有害物質やウイルス、アルコール(アセトアルデヒド)、ア
ンモニアなどを無毒化する。
③胆汁の分泌
胆汁を分泌し、小腸から脂肪、脂溶性ビタミンなどの栄養の消化・吸収
を図る。
~肝臓に入る血管は二種類~
肝臓は、ほかの臓器と異なる独特の血液循環系をもっている!
①固有肝動脈:肝臓に酸素を与えるための血液
(肝臓の栄養血管)
②門脈:胃腸などの消化管で養分を豊富に吸収
した血液。
http://www015.upp.so-net.ne.jp/j-hata/husigi/syoukaiki_2.html
肝臓の組織はどうなってるのか?
肝臓は直径0.1cm程の小葉という構造の集まりでできており、一個の小葉に
は約50万個の肝細胞がある。小葉の中心には中心静脈があり、集まって肝静脈
となり下大静脈へ流れ込みます。肝細胞は中心静脈の周囲に、基本的に一層の肝
細胞索として放射状にならび、その間に類洞と呼ばれる毛細血管があります。肝
小葉の周辺には小葉間静脈と小葉間動脈と小葉間胆管がみられる。
小葉間胆管
小葉間静脈
小葉間動脈
http://byoutaieiyou.e840.net/20030100.html
肝臓には機能と構造の考えかたにより
三つの分け方の概念が存在する
古典的小葉
門脈小葉
肝腺房
門脈域
中心静脈
古典的小葉
小葉の中心に中心静脈があり辺縁の頂点に肝3つ組を含む
門脈域が位置している
門脈小葉
小葉の中心に門脈域があり、頂点に中心静脈がある
肝腺房
2つの中心静脈と門脈域を含む
実際に肝臓を顕微鏡でみると・・・
http://www.med.kyushu-u.ac.jp/intmed3/medical_3.html
H&E染色(×40)
小葉間動脈、小葉間静脈、小葉間胆管を
拡大してみると・・・
H&E染色(×400)
三つ組構造がはっきりとみれる!
http://www.med.teikyo-u.ac.jp/~kaibo/soshiki/digestive_system/25.html
発展事項として肝小葉と肝硬変の関係に
ついて調べてみた。
肝細胞は再生力が旺盛な細胞で、一部が死んでしまっても
新しい細胞が生まれる。
しかし・・・
ウイルスや過剰のアルコールなどが原因となって肝細胞が大きな障害を受け
ると、新しい細胞が再生してくる一方で、正常な細胞と細胞の間に傷跡とも
いうべき繊維化が発生
肝臓の細胞構築が変化して正常な細胞の構成が失われ、異常な形に改築され
て再生結節と呼ばれる隆起ができてしまう。
実際に肝臓を顕微鏡でみると……
正常な肝臓
H&E染色(×40)
肝硬変に侵された肝臓
アザン染色(×40)
参考文献
◆ROSS組織学
◆イラスト解剖学
◆エッセンシャル細胞生物学
◆田辺三菱製薬ホームページ
◆慶応大学消化器内科ホームページ