QA1

電気回路学 I 及び演習 (web 公開:2014.5.27)
QA–1
質問と回答 (その 1)
1
1.1
教科書の章末問題について
右上に 1-6 と書かれているプリントの問題 6 「教科書 p.14 の章末問題 (1·7) を解
け」について,教科書の略解を見ても解き方がよく分かりません.特に「対称性によ
り CD 間には電流が流れない」というのがよく分かりません.解説を頂けないでしょ
うか.(2014.5.1,メール;2014.5.2,回答)
この手の問題は,立体のまま考えるのが一番なのですが,分かりやすいように,
下図左に示すように,問題の回路を平面につぶして考えます.
3
下手につぶすと,かえって回路の対
称性が見えなくなることがあるの
で,注意が必要.
3
mn o
F
q
F
q
E
E
回路をつぶすと,回路の右側の部分がホイートストンブリッジになっていることが
分かります.回路の抵抗は全て同じ値なので,このブリッジは平衡していることがす
ぐに確かめられ,CD 間には電流が流れないことが分かります.従って,検流計に相当
する抵抗(CD 間の抵抗)は切除可能となります.実際に切除すると,図の右のよう
になり,直並列で計算できる簡単な回路に帰着されました.(この後の計算は各自で)
1.2
CD 間に電流が流れないことは,回
路の対称性から(ホイートストンブ
リッジを使わなくても)示せますが,
ここでは,既に知っているホイート
ストンブリッジで考えます.
小テストについて
小テスト 04 の 2 番の IR の符号が負になっているのは,図 (b) の表記とは逆に流
れているからですか?
IE
R
E
VR
VJ
J
E
IR
R
(a)
J
(b)
(2014.5.21,メール;2014.5.22,回答)
電気回路の小テスト 04 の 2 番の問題の解答例で,IR = −E/R と負号がついて
いるのは,オームの法則によります.具体的には,問題で指定されている電流 IR と電
圧 E の向きが,オームの法則の標準的な向きとは異なっているためです.
講義でも強調したように,回路の電流や電圧の矢印には「実際の向き」と「測定の
向き」の意味があり,特に断りがない限り,回路の問題では矢印はすべて「測定の向
き」(=測定器を入れて測定する向き)を表しています.
オームの法則については,資料 0-3
の説明,資料 0-5 の例題 2 を参照し
て下さい.
電気回路学 I 及び演習 (web 公開:2014.5.27)
QA–2
簡単な回路を除き,電流や電圧の「実際の向き」は,問題が解かれた後に初めて分
かります.ですから,
「測定の向き」に基づいて問題を解こうとしているときに,
「電圧
の向きがこっちで電流は実際にはこちらに流れているはず」となどと考えだすと,混
乱の元になりますので注意して下さい.「実際の向き」と「測定の向き」を混ぜて考
えてはいけません.
1.3
その他
少しでも講義に遅れるとその講義は欠席扱いになりますか?(2014.4.15,メール;
2014.4.15,回答)
「電気回路学I及び演習」の出席の件ですが,第 1 回講義のガイダンスで説明し
た通り,ある程度(15 分ぐらい)遅れると「遅刻」扱いです.遅刻は,入室した時刻
でリニア(直線的)に出席の値を減少させます.具体的には,
出席 = 1.0
30 分遅刻 = 0.66
1時間遅刻 = 0.33
といった具合です.この数値を使って出席率を算出します.
問題を解いて得た「測定の向き」に
基づく電流や電圧と「実際の向き」
との関係は,得た答えの符号に含ま
れる.