QA3

電気回路学 I 及び演習 (web 公開:2014.6.2)
QA–3
質問と回答 (その 3)
3
小テストについて
3.1
小テスト 04 の 1 の問題なのですが、電流源 J に対して電圧 VR が逆に流れている
ので、VR = −RJ としてしまいました。解答は VR = RJ となっていたのでどうして
符号が違うのか分からなくて質問しました。解説をいただけないでしょうか?
IE
R
E
VR
VJ
J
E
IR
R
(a)
J
(b)
(2014.5.31,メール;2014.6.2,回答)
電気回路の小テスト 04 の 1 番の問題の解答例で,VR = RJ となっているのは,
オームの法則によります.具体的には,問題で指定されている電流源の電流 J と電圧 オームの法則については,資料 0-3
VR の向きが,オームの法則の標準的な向きになっているためです.オームの法則に出
てくる電流と電圧の「測定の向き」の関係について,復習することをお勧めします.
質問の文章にも問題があり,読んだだけで電圧について正しく理解できていないこ
の説明,資料 0-5 の例題 2 を参照し
て下さい.小テスト 04 の 2 番の問
題の解説(質問と回答 (その 1) を
参照)も参考になります.
とが分かってしまいます.問題の箇所は「電圧 VR が逆に流れている」で,電圧は電荷
を押し流そうとする力(圧力)ですので,正しくは,電圧 VR が逆にかかっていると
い言います(「水圧が流れる」と言わないのと同じ).なお,電流は電荷の流れですか
ら,電流が流れる/電流を流すと言います.
電圧源と電流源の等価(等価変換)について
3.2
教科書 p.11 の図 1・15(資料 1–3)の置き換えのところで、何で同じなのかがわ
かりません。
R
R
J = E/R
E=RJ
図 1・15
(2014.6.1,メール;2014.6.2,回答)
図 1・15 の変換を行ったときに,同じ(等価)になる理由や条件 J = E/R につ
いては,講義の中で説明しましたので,ノ−トを参照して下さい.ここでは,電圧源
と電流源の等価変換の考え方についてまとめておきます.
まず,等価の意味ですが,これは電気的な特性が等しくなるという意味です.具体
的には,回路の電流と電圧が等しくなるということを意味します.
次に,等価変換が使える状況ですが,回路の一部分が,図 1・15 に示す電源と内部
抵抗と見なせるときに,相互に回路の等価変換が可能です.この状況を,下図に示し
ます.
電圧がかかる/電圧をかける以外の
表現として,電圧が加えられる/電
圧を加える,少し古くさい言い方で
すが電圧が印可される/電圧を印可
するなどと言います.
電気回路学 I 及び演習 (web 公開:2014.6.2)
QA–4
線形回路
線形回路
この図では,影をつけた部分は任意の回路を表します.影をつけた部分の回路は左右
の回路で同一で,図に示す変換を行っても各部の電流と電圧は変化せず等しく保たれ
ます(等価変換).ただし,変換した部分(白い部分)は,外部に対しては変化を起
こしませんが,一般にその内部の電流と電圧は変化することに注意します.
回路の問題にもよりますが,等価変換をうまく用いて複雑な回路の見通しを良くす
ることで,問題を簡単に解くことが可能になります.
3.3
中間試験の過去問について
中間テスト 2013 の問題 2 についての質問です.R =
r(2r + R)
とありますが,
r + (2r + R)
2r とは 3 つの r のうちどれとどれを足したものですか?
V
;
V
V
V
V
V
V
V
PPPQRSTU
V
(2014.6.1,メール;2014.6.2,回答)
R1 R2
を用いています.下の図の右側
R1 + R2
の青い部分(直列部)の抵抗が,2r + R です.
この式は,2 並列の抵抗の計算式 R =