第6回 宿題解答 クイズ 式(5.15)を導出しなさい。 𝑅′ (𝑧) = 𝑧 −5 𝑅(𝑧) = 𝑧 −4 − 0.5𝑧 −3 + 0.25𝑧 −2 − 0.125𝑧 −1 + 0.0625 …(5.15) 解) 式(5.13) 𝑅(𝑧) = 1 0.5+1𝑧 −1 = 𝑧 が成り立っている。 0.5𝑧+1 D=5 より、 𝑅′ (𝑧) = 𝑧 −5 𝑅(𝑧) = 𝑧 −4 0.5𝑧+1 べき級数展開をし、𝑧 0 の項で打ち切ると、 𝑅′ (𝑧) = 𝑧 −4 − 0.5𝑧 −3 + 0.25𝑧 −2 − 0.125𝑧 −1 + 0.0625 以上より、式(5.15)が導出できた。 宿題 5.1.等化器の回路とアルゴリズム 通信路 F(z)のが次式で与えられているとする。この場合、ZF 型線形等化器で等化が不可能である。その理 由を述べ、どのような回路構造とアルゴリズムを使えば等化がある程度可能となるか説明しなさい。なお、 式(5.3)において D=5 とする。 𝐹(𝑧) = 0.1 + 0.5𝑧 −1 𝑅(𝑧) = 𝑧 −𝐷 𝐹(𝑧) …(5.3) 解) 等化器の伝達関数R′ (z) = 𝑧 −𝐷 𝐹(𝑧) = 𝑧 −5 0.1+0.5𝑧 −1 = 𝑧 −4 0.1𝑧+0.5 とおくと、 極は0.1𝑧 + 0.5 = 0よりz = −5となり、z 平面の単位円外に出るので等化できない。 D=0 のとき、𝑅(𝑧) = 1 0.1+0.5𝑧 −1 = 𝑧 0.1𝑧+0.5 べき級数展開すると、 𝑅(𝑧) = 2𝑧 − 0.4𝑧 2 + 0.08𝑧 3 − 0.016𝑧 4 + 0.0032𝑧 5 + ⋯ D=5 とし、𝑧 5 の項で打ち切ると、R(z) = 2z − 0.4𝑧 2 + 0.08𝑧 3 − 0.016𝑧 4 + 0.0032𝑧 5 よって、 R′ (z) = 𝑧 −𝐷 𝑅(𝑧) = 𝑧 −5 (2𝑧 − 0.4𝑧 2 + 0.08𝑧 3 − 0.016𝑧 4 + 0.0032𝑧 5 ) = 0.0032 − 0.016𝑧 −1 + 0.08𝑧 2 − 0.4𝑧 −3 + 2𝑧 −4 以上より、通信路のインパルス応答 等化器のインパルス応答 𝑓(𝑛) = [0.1 0.5 0 0 0] 𝑟(𝑛) = [0.0032 − 0.016 0.08 − 0.4 2] 畳み込みを行うと、𝑓(𝑛) ∗ 𝑟(𝑛) = [0.00032 0 0 0 0 1 0 … ] このように、時間遅延を導入することで部分的に因果システムとなり、等化がある程度可能である。 5.2.ZF 等化器 例題 5.2 の等化器をデジタル信号処理の回路として描きなさい。それより、インパルス応答 r(n)を回路か ら求めなさい。なお、式(5.3)において、D=4 とする。 解) 例題 5.2 より、D=0 の場合はインパルス応答 r(n)=[1 -0.5 0.25 -0.125 0.0625 -0.0313] D=4 の場合、回路は 入力 𝑍 −4 𝑍 −1 𝑍 −1 1 𝑍 −1 0.25 -0.5 𝑍 −1 𝑍 −1 -0.125 0.0625 -0.0313 出力 以上より、r(n)=[0 0 0 0 1 -0.5 0.25 -0.125 0.0625 -0.0313]
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