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維持規格2012年版, 2013年追補
JSME S NA1-2012、2013
「評価章の改訂概要」
0
目次
1. 維持規格2012年版, 2013年追補までの主な変更点
2. 維持規格2012年版, 2013年追補までのその他変更点
1
1. 維持規格2012年版,2013年追補までの主な変更点
年版
No.
2009年追補
1
評価不要欠陥表
EB-2000-1,表
EB-2000-3およ
び解説E-1の改
訂
評価不要欠陥表EB-2000-1および,表EB-2000-3に
よる内部欠陥の表面欠陥への置き換えにおいて,欠
陥のアスペクト比によっては,不連続性が生じる場合
があり,この置き換えが連続的になるよう,評価不要
欠陥寸法の内部欠陥の表記法を改訂した。
2
フェライト鋼容器と
管との接合部に
おける機器区分
の解説見直し
解説E-1及びE-3において,セーフエンド部(管台との
解説E-1,
解説E-3
溶接金属及びバタリング含む)のみを管の許容基準
が準用できることを明確化し,機器区分の整合を図り,
境界位置を変更する。
3
亀裂の合体基準
の表記改訂
複数欠陥の扱いに関する不適合を改訂し,評価にお
ける取扱いを明確にする。
添付E-1
4.4,添付
E-4 2.及
び解説E-9
規格の適正化
4
破壊靱性要求関
連規定の改訂
JEAC 4206「原子力発電所用機器に対する破壊靱
性の確認方法」の引用年版見直し(2007年版)及び
引用附属書の明記
EB-3320,
EB-3500,
添付E-6,
解説E-13
等
JEAC最新年
版の反映
5
応力拡大係数算
出式の追加
添付E-5に記載される応力拡大係数(K) 算出式の分
類法には一貫性が乏しいため,添付の構成を見直し
体系的な整理を行った.また,K算出式について,内
外の文献調査を実施し,相互比較による解の精度,
応力分布の自由度,適用範囲の広さ,補正係数の内
挿性の良さ,および算出の簡便性の観点から,K式を
選定した.
添付E-5
最新知見の反
映
2010年追補
件
名
変 更 内 容
記載箇所
備 考
表EB規格の適正化
2000-1,表
EB-2000-3,
解説E-1
規格内容の明
確化
2
1. 維持規格2012年版,2013年追補までの主な変更点
年版
No.
2011年追補
6
2013年追補
7
件
名
変 更 内 容
記載箇所
備 考
クラス1機器の
欠陥評価の流
れの規定改訂
EB-1110, EB-1120, EB-1200の相関関係が明確
でなく,クラス1容器及びクラス1配管の試験結果
にEB-1200の判定基準が適用できるか明確でな
いため,本文と図 EB-1000-1を改訂した。
EB-1100,
EB-1120,
図B1000-1
規格内容の明
確化
クラス2,3 機器
の欠陥評価関
連規定の改訂
クラス2,3機器の欠陥評価をクラス1機器並みに
詳細に実施できるよう,全面改訂した。
EC章,ED
章全体
規格内容の明
確化,最新知
見の反映
3
主要変更点1:評価不要欠陥表EB-2000-1,表EB-2000-3および解説E-1の
改訂
1.変更理由
評価不要欠陥表EB-2000-1および,表EB-2000-3による内部欠陥の表面欠陥への置き換えに
おいて,欠陥のアスペクト比によっては,不連続性が生じる場合があったため。
○同一深さのき裂で,表面に近づくにつれて,許容→非許容→許容となる場合がある[1]。
4
Vessel
/ = 0.25
容器 aa/ℓ=0.25
S/t %
3
A
t
Allowable
2a

B
S
Y = S/a =1.0
2
Non-allowable
1
内部欠陥
Y = S/a
= 0.4
C
0
2
B

2a
S
C


2a
2a
S
S
( Y > 1.0) ( 0.4 < Y < 1.0)
表面欠陥
0
A
4
Class 1 Vessel
( Y < 0.4)
6
Total depth, 2a/t, a/t %
[1] 玉古,宮崎,長谷川,機械学会維持規格の評価不要欠陥における内部欠陥の不連続と提案,
日本機械学会論文集(A編),72巻717号 p646-652, 2006-5.
4
主要変更点1:評価不要欠陥表EB-2000-1,表EB-2000-3および解説E-1の
改訂
是正方針:
5
主要変更点1:評価不要欠陥表EB-2000-1,表EB-2000-3および解説E-1
の改訂
2.変更内容例
表1 フェライト鋼容器の平面欠陥についての評価不要寸法基準
厚 さ t (mm)
アスペクト
比
a/  (4, 5)
7 ≤ t < 100
100 ≤ t < 300
300 ≤ t
表面
内部(2)
表面
内部(2)
表面
内部(2)
a (mm)
a (mm)
a/ t (%)
a/ t (%)
a (mm)
a (mm)
0.50
5.2(3)
5.4Y(3)
5.2
5.4Y
15.6
16.2Y
0.45
5.1(3)
5.3Y(3)
5.1
5.3Y
15.3
15.9Y
0.40
5.0(3)
5.2Y(3)
5.0
5.2Y
15.0
15.6Y
0.35
4.4(3)
4.6Y0.8 (3)
4.4
4.6Y0.8
13.2
13.8Y0.8
0.30
3.8(3)
4.0Y0.7 (3)
3.8
4.0Y0.7
11.4
12.0Y0.7
0.25
3.3(3)
3.4Y0.5 (3)
3.3
3.4Y0.5
9.9
10.2Y0.5
0.20
2.8(3)
2.8Y0.3 (3)
2.8
2.8Y0.3
8.4
8.7Y0.3
0.15
2.5(3)
2.6Y0.4 (3)
2.5
2.6Y0.4
7.5
7.8Y0.4
0.10
2.2(3)
2.3Y0.6 (3)
2.2
2.3Y0.6
6.6
6.9Y0.6
0.06
2.0(3)
2.1Y0.8 (3)
2.0
2.1Y0.8
6.0
6.3Y0.8
(1)aは欠陥深さ(mm),は欠陥長さ(mm),tは対象部の厚さ(mm)とする。aおよびの取扱いは添付E-1に従う。
(2) Y= S/ aとし,Y > 1.0の場合は,Y = 1.0とする。ここで,Sは,表面から欠陥までの深さ(mm)とし,その取扱いは添付E-1
に従う。
(3)厚さが7 mm以上100 mm未満の場合は,表EB-2000-3に規定する寸法と比較して,いずれか小さい方の寸法を評価不要
欠陥寸法とする。
(4)欠陥長さに関して,2θ ≦30°,  / Rt ≤ 2 の範囲であること。ここで,2θ は欠陥長さの両端と容器の軸芯とを結ぶ間の角度
(°),Rは容器の平均半径(mm)とする。
6
主要変更点1:評価不要欠陥表EB-2000-1,表EB-2000-3および解説E-1
の改訂
3.参考
ASME Sec. XI 2013 ed.
7
主要変更点2:フェライト鋼容器と管との接合部における機器区分の解説見直し
1.変更理由
フェライト鋼容器-管接続部では,容器管台の厚さ増加位置Bから容器側は容器評価
不要欠陥寸法基準,管側は管の評価不要欠陥寸法基準を適用し,機器区分の扱い
と異なる。これは維持規格にオーステナイト系ステンレス鋼容器の規定がなく,同材
料のセーフエンドを容器として評価が出来ないため。
これに対し以下の課題がある。
(1)容器と管との機器区分が設計・建設規格および維持規格検査章と維持規格評価
章で異なる。
(2)厚さ増加位置Bより管側にあるフェライト鋼部を管とする場合,EB-2010(3)のフェラ
イト鋼管材料に該当せず,最小降伏点275MPa以下の要求に適合しない。
(3)厚さ増加位置Bより管側にあるフェライト鋼部は,通常クラッドが施工されているが,
管に対するクラッドの規程がない。
A
B
主要変更点2:フェライト鋼容器と管との接合部における機器区分の解説見直し
2.変更内容
(1) 容器-管区分は,検査区分および設計・建設規格機器区分と整合するよう,Aとする。
(2) 厚さ増加位置Cより管側にあるフェライト鋼部は材質及びクラッド施工されていること
から容器とする。解説E-1及びE-3において,セーフエンド部(A-B間:管台との溶接金
属及びバタリング含む)のみを管の許容基準が準用できるとして境界位置を変更。
(3) 表記の適正化(セーフエンドと配管の溶接部の機器区分は管として明確化等)。
セーフエンド-管溶接線(セーフエンド側)
セーフエンド-管台溶接線
(管台側)
C 厚さ増加位置
主要変更点3:亀裂の合体基準の表記改訂(1/3)
1.変更理由
(1) 添付E-1 欠陥のモデル化
亀裂進展評価で,同一平面に投影された欠陥が合体しない場合,破壊評
価で再度同一平面に投影するかの判断が明記されず。表添付E1-1で,隣
接複数欠陥は「面積の最大となる欠陥の面上に他の欠陥を投影する」とあ
るが,面積の最大となる欠陥の面上に他の欠陥を投影することが必ずしも
保守的ではない(破壊評価用荷重,投影面板厚,材質等から)。
(2)添付E-4 欠陥の合体条件評価法
亀裂進展中の同一平面にない複数欠陥は,「もっとも大きな欠陥を含む同
一平面に投影する」ように読めるが,1)と同様もっとも大きな欠陥を含む面
上に欠陥を投影することが必ずしも保守的とはならない。
(3)解説E-9 亀裂進展中の合体評価
2)に関する記載がある。
主要変更点3:亀裂の合体基準の表記改訂(2/3)
2.変更内容(1)
箇所
2008年版
2012年版
表添付E-1-1
ステップNo.8
複数欠陥(ステップNo. 8 (3)以外の場合)
は,面積の最大欠陥の面上に他の欠陥
を投影し,同一平面上の欠陥として上記
(1)に従い取り扱う。
複数欠陥(ステップNo. 8 (3)以外の場合)
は,き裂進展評価においては評価期間中
の予測欠陥寸法が最大,破壊評価にお
いては許容応力が最小となる同一平面上
の欠陥として上記(1)に従い取り扱う。
添付E-4
2.合体条件評価法
(1) 同一平面上にな
い複数欠陥(平行平
面上欠陥)
平行平面上であって,かつ,機器の表面
と平行でない平面上に位置する複数欠陥
は,複数欠陥のうち最も大きな欠陥を含
む平面上に投影した場合の欠陥の内側
先端間の距離S および平行平面間の垂
直距離Hが以下の(1)式または(2)式を満
足する場合,同一平面上の複数欠陥とし
て取扱い,b.項の規定に従う。
平行平面上であって,かつ,機器の表面
と平行でない平面上に位置する複数欠陥
は,欠陥を評価期間中の予測欠陥寸法
が最大となる同一平面上に投影した場合
の欠陥の内側先端間の距離S および平
行平面間の垂直距離Hが以下の(1)式ま
たは(2)式を満足する場合,同一平面上
の複数欠陥として取扱い,b.項の規定に
従う。
主要変更点3:亀裂の合体基準の表記改訂(3/3)
箇所
変更箇所(2)
2012年版で新規追加
解説E-9 亀裂進
展中の合体評価
3.投影面の選定
A
B
き裂A
A
(a)
溶接部
き裂B
A
B
き裂A
き裂B
A
B
厚さが異なる場合
(b)
母材部
B
材料が異なる場合
投影断面のき裂進展速度や応力条件が同
投影断面が溶接金属と母材のように材料
等であっても,薄肉断面である B 断面に投
が異なる場合は,き裂進展速度が速いほうの
影する場合が保守的な評価となり,投影断面
断面を投影断面に選定することとなる。
として B 断面を選定することとなる。
応力振幅
A
A
(c)
B
B
き裂A
き裂B
A
B
応力条件が異なる場合
投影断面でき裂進展評価に用いる応力振幅が異なる場合,応力振幅の大きい A 断面に投影
する場合が保守的な評価となり、投影断面として A 断面を選定することとなる。
図4 段違い複数き裂の投影断面の選定例
主要変更点4:破壊靱性要求関連規定の改訂
1.変更理由
添付E-6は,フェライト鋼容器の破壊靭性KIc及びKIaを規定するが,最新の関連規格ASME Sec. XI
及びJEAC4206との整合が取れていないため。
2.変更内容
箇所
2008年版
2012年版
4.破壊靱性
(2)
記載なし
RTNDT あるいは(2)c.のvTrsが得られていな
い初期のプラントに対しては,JEAC42062007「原子力発電所用機器に対する破壊靱
性の確認方法」附属書Eを適用してKIaある
いはKIcを定めてもよい。
5.経年化の考
慮
5.1(2)原子炉圧力容器の炉心領域にあって,
破壊靭性に及ぼす照射によるぜい化への影
響を考慮する場合は,5.2項によってもよい。
(5.2にぜい化予測式を規定)
(2) 原子炉圧力容器の炉心領域にあって,
破壊靭性に及ぼす照射によるぜい化への影
響を考慮する場合は,JEAC4201-2007「原
子炉構造材の監視試験方法」附属書Bに
よってもよい。
13
主要変更点5:応力拡大係数算出式の追加(1/7)
1.変更理由
添付E-5の応力拡大係数(K) 算出式の分類法には一貫性が乏しい。また,解の精度,応力分布
の自由度,適用範囲の広さ,補正係数の内挿性,および算出の簡便性の観点から,国内外でよ
りよいK算出式の整備が進められており,その最新知見を本規格に反映する必要がある。
2.変更内容
モデル
欠陥形状
内部
(楕円)
平板
表面
(半楕円)
表面
(周方向半楕円)
円筒
表面
(軸方向半楕円)
算出式
応力
分布
2008年版
2012年版
非線形
―
白鳥ら
線形
ASME Sec. XI App. A
白鳥ら
非線形
ASME Sec. XI App. A
ASME Sec. XI App. A
CEA
線形
ASME Sec. XI App. A
ASME Sec. XI App. A
CEA
非線形
API
CEA
線形
―
CEA
非線形
―
CEA
線形
Raju-Newman(平板式)
API
CEA
改訂理由
・非線形応力分布用K式追加
・適用欠陥寸法範囲の拡張
(算出式変更)
・適用欠陥寸法範囲の拡張
(算出式の追加)
・適用欠陥寸法範囲の拡張
・補正係数内挿性向上
(算出式変更)
・適用欠陥寸法範囲の拡張
・補正係数内挿性向上
・平板モデル式流用取止め
(算出式変更)
14
主要変更点5:応力拡大係数算出式の追加(2/7)
2.変更内容
モデル
2008年版
2012年版
表面
(周方向全周)
非線形
API
CEA
線形
―
CEA
・適用欠陥寸法範囲の拡張
・補正係数内挿性向上
(算出式変更)
表面
(軸方向長い)
非線形
―
CEA
・算出式の追加
線形
―
CEA
表面
(周方向扇形)
非線形
―
線形
ASME Sec. XI App. C
表面
(軸方向扇形)
非線形
―
線形
ASME Sec. XI App. C
表面
(軸方向半楕円)
非線形
Buchaletら
―
線形
Raju-Newman(平板式)
―
円筒
円筒
容器
算出式
応力
分布
欠陥形状
改訂理由
・規格に扇形欠陥のモデル化
規定がないため削除
―
・より精度のよい円筒軸方向
半楕円式を適用
15
主要変更点5:応力拡大係数算出式の追加(3/7)
3.参考-平板と円筒のGi係数の比較(2012年版)
平板表面亀裂と円筒内表面亀裂の最深部と表面部のGi係数を比較
両者とも下記式のように,板厚方向応力分布を座標の3次式で近似したときの係数
σiとGiでKを表示
2
3

a 
a 
a  
 σ 0 + σ p G0 + σ1G1   + σ 2G2   + σ 3G3    π a
K =

t 
t 
 t  
(
)
2008年版では,円筒内側軸方向表面欠陥のK計算式がないため,平板式でしか
計算ができないが,2012年版ではこの形状に対するKが準備され,適正に計算が
できるようになった。
次ページに,平板表面と円筒内側軸方向表面欠陥のGi係数の比較を示す。
16
主要変更点5:応力拡大係数算出式の追加(4/7)
2
0
0.03125
0.0625
0.125
0.25
0.5
1.8
1.6
0
0.03125
0.0625
0.125
0.25
0.5
1.8
1.6
1.4
G0
G0
1.4
2
1.2
1.2
1
1
0.8
0.8
0.6
0.6
0.4
0.4
0
0.2
0.4
a/t
0.6
0.8
0
1
平板表面亀裂Gi係数(最深部)
0.2
0.4
a/t
0.6
0.8
1
円筒内表面亀裂Gi係数(最深部)
1
1
0
0
0.03125
0.0625
0.125
0.25
0.5
0.03125 0.9
0.9
0.0625
0.8
0.25
0.7
G1
G1
0.125
0.8
0.7
0.5
0.6
0.6
0.5
0.5
0.4
0.4
0
0.2
0.4
a/t
0.6
0.8
平板表面亀裂Gi係数(最深部)
1
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
a/t
円筒内表面亀裂Gi係数(最深部)
17
主要変更点5:応力拡大係数算出式の追加(5/7)
1
0
1
0.03125
0.0625
0.9
0.125
0.8
0.25
0.5
0.7
0.9
0.8
G2
G2
0.7
0.6
0.6
0.5
0.5
0.4
0.4
0.3
0
0.03125
0.0625
0.125
0.25
0.5
0.3
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
0
0.2
0.4
a/t
0.6
1
0
0.03125 0.9
0.0625
0.8
0.125
0.25
0.7
0.5
0.6
0.5
0.5
0.4
0.4
0.9
0.8
0.8
G3
1
0
0.03125
0.0625
0.125
0.25
0.5
G3
0.7
0.6
円筒内表面亀裂Gi係数(最深部)
平板表面亀裂Gi係数(最深部)
1
a/t
0.3
0.3
0
0.2
0.4
0.6
0.8
a/t
平板表面亀裂Gi係数(最深部)
1
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
a/t
円筒内表面亀裂Gi係数(最深部)
18
主要変更点5:応力拡大係数算出式の追加(6/7)
1.2
1.2
1
G0
0.8
0.6
0.03125
0.0625
0.125
0.25
0.5
1.0
0.8
0.6
G0
0.03125
0.0625
0.125
0.25
0.5
0.4
0.4
0.2
0.2
0.0
0
0
0.2
0.4
0.6
0.8
0
1
0.2
0.4
a/t
平板表面亀裂Gi係数(表面部)
0.3
G1
G1
0.2
0.15
0.6
0.8
1
円筒内表面亀裂Gi係数(表面部)
0.03125
0.0625
0.125
0.25
0.5
0.25
a/t
0.30
0.03125
0.0625
0.25
0.125
0.20
0.25
0.5
0.15
0.1
0.10
0.05
0.05
0.00
0
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
0
0.2
0.4
0.6
0.8
a/t
a/t
平板表面亀裂Gi係数(表面)
円筒内表面亀裂Gi係数(表面部)
1
19
主要変更点5:応力拡大係数算出式の追加(7/7)
0.10
0.1
0.03125
0.0625
0.125
0.25
0.5
0.03125
0.0625 0.08
0.125
0.06
0.25
0.5
0.06
G2
G2
0.08
0.04
0.04
0.02
0.02
0.00
0
0
0.2
0.4
a/t
0.6
0.8
0
1
平板表面亀裂Gi係数(表面)
0.4
a/t
0.6
0.8
0.05
G3
0.04
1
円筒内表面亀裂Gi係数(表面部)
0.06
0.03125
0.0625
0.05
0.125
0.25
0.04
0.5
0.06
G3
0.2
0.03
0.03125
0.0625
0.125
0.25
0.5
0.03
0.02
0.02
0.01
0.01
0.00
0
0
0.2
0.4
0.6
0.8
a/t
平板表面亀裂Gi係数(表面)
1
0
0.2
0.4
a/t
0.6
0.8
円筒内表面亀裂Gi係数(表面部)
1
20
主要変更点6:クラス1機器の欠陥評価の流れの改訂
1.変更理由
EB-1110, EB-1120, EB-1200の相関関係が明確でなく,クラス1容器及びクラス1配管の試験
結果にEB-1200の判定基準が適用できるか明確でないため。
EB-1110 評価の流れ
(1) クラス1容器,クラス1配管(ボルト等,フランジ面,オメガシール,キャノピーシール,蒸気発生器伝熱管を除く)
について実施した試験結果は,EB-1310の規定に従い評価する。
ただし,表面試験による指示であって割れ以外のもの,及び体積試験による溶接部内部の指示については,EB1120の規定に従い評価することができる。
(2) クラス1容器,クラス1配管のうち,ボルト等,フランジ面,オメガシール,キャノピーシール,蒸気発生器伝熱
管について実施した試験結果はEB-1120の規定に従い評価する。
(3) クラス1容器,クラス1配管以外について実施したクラス1機器の試験結果はEB-1120の規定に従い評価する。
EB-1120 試験に対する評価
(1) 試験の結果が,EB-1200の規定に適合している場合または,供用前検査の記録あるいは以前の供用期間中検査の記
録と比較して有意な差が認められない場合,その機器を継続して使用することができる。
(2) 試験の結果が,EB-1120(1)の規定に該当しない場合は,その機器は,EA-3000「評価の一般規定」に基づいて評価
を行うか,EB-1130「補修・取替」またはIA-3400に示す漏えい試験によって発見された漏えいの「是正措置」のい
ずれかの規定に基づいて必要な措置を講じなければならない。
EB-1200 判定基準
EB-1210 体積試験または表面試験
EB-1220 目視試験
EB-1230 漏えい試験
21
主要変更点6:クラス1機器の欠陥評価の流れの改訂
2.変更内容
2008年版
2012年版
22
主要変更点7:クラス2,3 機器の欠陥評価関連規定の改訂
1.変更理由
現行維持規格に明確に規定されていないクラス2, 3配管に対する評価不要欠陥寸法, 欠陥評
価法を整備し, 適用性の向上を図るため。
2.主な改訂箇所
1) 評価不要欠陥寸法の補正係数γの導入
2) 流動応力σf の設定
3) Z係数の設定
4) 評価フローの改訂
23
1) 評価不要欠陥寸法の補正係数γ の導入
•
改訂理由
クラス2、3機器に適用されるフェライト鋼管は使用条件が広範囲であり,広範囲な破壊靭
性を持つことが想定される。
フェライト鋼管では,クラス2,3配管用の評価不要欠陥寸法を定める。
オーステナイト系ステンレス鋼管は,クラス2,3配管でも靭性が十分に高いと想定される
ため,クラス1と同じ欠陥寸法とする。
• 改訂の考え方
- 補正係数γ を使用して,クラス1配管の評価不要欠陥寸法からクラス2,3配管用の評価
不要欠陥寸法を求める。
- 補正係数γ の求め方
解説E-19に記載のJIc=119 kJ/m2 (クラス1配管のJIcの代表値とする)と,添付E-12に
規定する方法で求めたクラス2,3配管のJIcから,γ を算出
J
γ の算出式: γ = Ic
JIc:弾塑性破壊靱性
119
1) 評価不要欠陥寸法の補正係数γ の導入

クラス1配管の評価不要欠陥寸法に,補正係数γ を乗じてクラス2,3配管用の評価不要欠陥寸法
とする。
クラス1配管の評価不要欠陥寸法
×補正係数γ
クラス2,3配管の評価不要欠陥寸法
(フェライト鋼管)
2) 流動応力σf の設定
•
改訂理由
– クラス1配管の流動応力σf :設計応力強さSm を使用
– クラス2,3配管の設計
:設計引張強さS を使用
クラス2,3材の特性を考慮し、安全側となるようなσf の定め方を検討する。
•
改訂の考え方
– 実測したσy ,σu が得られる場合(従来通り)
σf =
σ y +σu
σy:降伏応力(または0.2%耐力),
σu:引張応力強さ
2
– 実測値が得られない場合
(ASME Section XI Appendix Cを参照)
σf =
S y + Su
2
Sy:設計降伏点,Su:設計引張強さ
Appendix Cの式は,実測値によるσf に対して
保守的な結果を与える。(図2.1)
図2.1 実測値とAppendix Cの式によるσf の比較
3) Z係数の設定
• 改訂理由
延性破壊に対する
破壊荷重の影響因子
=
配管
欠陥
の形状 及び 材料の
引張特性
破壊特性
これに対して
– クラス2,3配管は,クラス1配管よりも薄肉(R/tが大)
– 破壊靱性が相対的に低い
材料の破壊靱性や形状の違いを考慮したZ係数の評価式を策定する。
•
改訂の考え方
– オーステナイト系ステンレス鋼管
クラス1配管と同じ式を適用。ただし,適用範囲(5.56≦R/t≦15.5)を明記する。
(靭性は十分に高いと想定されるが,クラス2,3配管では,相対的に薄肉となる可能性が
あるため。)
– フェライト鋼管(電中研研究報告:Q05013 「軽水炉クラス2,3機器に対する欠陥評価のあ
り方」から引用)
Z=[0.32log(OD/25)+0.88](R/t)0.13 (5≦R/t≦30)
OD:呼び径(A),R:管平均半径,t:管の厚さ
4) 評価フローの改訂
•
改訂理由
– 規格委員会において,現行規格のクラス1機器の評価フローの分かりにくさが指摘さ
れている。
(有意な欠陥指示の判断で無限ループになる等:規格委員会資料55-13-3)
クラス2,3機器について,評価フローを見直す。
•
改訂の考え方
– クラス2,3配管(オーステナイト系ステンレス鋼管およびフェライト鋼管)
クラス1配管と同様に,「第1段階」「第2段階」の欠陥評価に進む。
– クラス2,3配管以外のクラス2,3機器
「溶接規格」「設計・建設規格」による評価または過去の検査記録と比較 (従来通り)
4) 評価フローの改訂
-クラス2,3配管の評価フロー-
溶接規格等による評価
配管か,それ以外の機器か
で振り分け
第1,2段階の欠陥評価
第1,2段階の欠陥評価の対
象かどうかで振り分け
第1,2段階の欠陥
評価は,クラス1の
フローと同様
クラス1のフローでは曖昧な
「判定基準に適合しない場合
の措置」について,EC-1400で
具体的に記載
2. 維持規格2012年版,2013年追補までのその他変更点
年版
No.
件
名
2011年
追補
1
扇形欠陥模式図の改訂
変 更 内 容
矩形状欠陥形状をモデル化で前提とする半楕円欠陥形状に変更
30
2. 維持規格2012年版,2013年追補までのその他変更点
年版
No.
2013年
追補
2
3
件
名
JIS Z 8401数値の丸め方の引用
削除
評価不要欠陥寸法基準の表EB-2000-1, 3及びその解説の注の,表の
数値の丸め方に関するJIS規格の引用を削除。
材料規格の引用規格への追加
A-5300 評価に関する用語に「最小降伏点」の定義として,材料規格を追
加引用。
極限荷重評価式における内部欠
陥に関する表記法の修正
1) 内部欠陥の全体の深さを2aあるいは2dと表記しているため,添付E-8,
添付E-9における極限荷重評価式で内部欠陥の全体の深さを2aと表記
し,関連する式,図,表を修正。
2) 添付E-8および添付E-9において,評価法の選択に関して「~してもよ
い」と表記していたもののうち,評価法が自ずと限定されるものについて
表現を訂正する。4.3項,5.3項は許容応力算出法にも関らず,4.1項,
4.2項,5.1項および5.2項の許容欠陥深さ算出法の代替法として記載さ
れているため,その部分を削除。
添付E-10の限界荷重のカットオ
フの記載の削除
添付E-10 2 パラメータ評価法に従う破壊評価の手順のうち,評価点の
座標(Sr‘, Kr’)の設定に関する冗長な記述を削除。
進展速度式の適宜見直しの削除
解説3-2-27,3-2-106の,データが得られれば適宜線図を見直すという
記載は,規格改定の当然のアクションとして削除。
ステンレス鋼の材料定数の修正
解説 3-2-187の表1のステンレス鋼のZ係数算出に使用した材料定数の
誤記修正。
評価法の選択に関する限定的表
現への変更
添付E-8および添付E-9において,評価法の選択に関して「~してもよい」
と表記していたもののうち,評価法が自ずと限定させるものについて表
現を訂正。
4
5
6
7
8
変 更 内 容
31
使用資料
1) 評価不要欠陥:2008年8月27日 第52回原子力専門委員会維持規格分科会提
出資料
2) K式改訂:2009年12月9日 第51回規格委員会提出資料
32