第5章 多元配置分散分析(2つ以上の要因を分析する)

異文化言語教育評価ⅠA
平成 26 年 5 月 21 日
第5章 多元配置分散分析(2つ以上の要因を分析する)
報告者:Y.W., B.C., M.U., & R.K.)
§5-1
2元配置分散分析
多元配置分散分析:
①複数の要因による従属変数への影響を分析する場合に使用される。
例)1要因 英語への興味(高・低)がスピーキングテストの成績に影響するかどうかを
検討…t検定【1 要因:2 水準】
1要因 英語への興味(高・中・低)がスピーキングテストの成績に影響するかどう
かを検討…1元配置分散分析【1 要因:3 水準】
2要因 英語への興味(高・低)と話す相手の国籍(日本人・米国人)がスピーキン
多
元
配
置
分
散
分
析
グテストの成績に影響するかどうかを検討…2元配置分散分析【2 要因:興
味 2 水準,国籍 2 水準】
3要因 英語への興味(高・低)と話す相手の国籍(日本人・米国人)と話す相手の
性別(同性・異性)がスピーキングテストの成績に影響するかどうかを検討
…3元配置分散分析【3 要因:興味 2 水準,国籍 2 水準,性別 2 水準】
②多元配置分散分析の前提
(1元配置分散分析の前提と同様 p51, 前回のレジュメ p2 参照)
1.ランダムサンプリングした、間隔尺度または比率尺度の連続データであること。
2.正規性
3.等分散性
4.観測値の独立性
5.球面性(対応あり要因のみ p86)
5-1-1 2元配置分散分析のデータの並べ方
2 元配置分散分析には 3 種類のデザイン(AB,AP,PQ)があります。これらのデザインの
違いによって、p72、73 の図 5.1、5.2、5.3 のようにデータの入れ方が異なる。
対応なし要因の水準、データ(変量)➡縦列に並べる
対応あり要因の水準 ➡横列に並べる
デザイン AB:対応なし(指導法 3 水準)×対応なし(学習動機 2 水準)
・各被験者がテストを受けるのは1回のみ。
・要因の水準(指導法 3 水準、学習動機 2 水準)とそれに対応するデータを
同じ列で縦に並べる。
デザイン AP:対応なし(指導法 3 水準)×対応あり(学期 3 水準)
・各被験者がテストを受けるのは 1 学期、2 学期、3 学期の 3 回。
・対応なし要因の水準(指導法 3 水準)を縦に、対応あり要因の水準(学期
3 水準)を横に並べ、それぞれに対応するデータを縦に並べる。
デザイン PQ:対応あり(学期 3 水準)×対応あり(課題 2 水準)
・各被験者がテストを受けるのは各学期に 2 回ずつで、合計 6 回。
・要因の水準(学期 3 水準、課題 2 水準)計 6 水準を横に並べ、それぞれに
対応するデータを縦に並べる。
5-1-2 2元配置分散分析に関わる効果
①主効果:個々の要因が従属変数に与える影響のことで、要因の数だけ主効果がある。
・1 元配置分散分析➡1 要因 1 つの主効果を検定
・2 元配置分散分析➡2 要因 2 つの主効果を検定
②交互作用:一方の要因が従属変数に与える影響と、他方の要因が従属変数に与える影響
の「大きさ」または「方向」が一様ではなく、従属変数に対して 2 つの要因
が独立した関係になっていない場合に起こる。
例 1 .従属変数(読解テストの得点)に及ぼす影響の大きさが異なる場合
熟達度上位群…予備知識のあり・なしによる影響が小さい
熟達度下位群…予備知識のあり・なしによる影響が大きい
例 2 .従属変数(スピーキングテスト得点)に及ぼす影響の方向が異なる場合
英語への興味が高い…話す相手が米国人のほうが得点が高い
英語への興味が低い…話す相手が日本人のほうが得点が高い
★ 交互作用が有意だった場合には、各要因の主効果の検定ではなく、単純主
効果の検定を行う。
③単純主効果:各水準における主効果のことで、交互作用の原因を探るための下位検定。
たとえば、p73 の例 2 の点線の囲み部分のように、「英語への興味」の水準
(高・低)で、
「国籍」要因の話す相手が日本人と米国人の間に差があるかど
うかを検定する。
5-1-3 2元配置分散分析の流れ
2要因 英語への興味(高・低)と話す相手の国籍(日本人・米国人・インド人)がスピ
2
ーキングテストの成績に影響するかどうかを検討…2元配置分散分析【2 要因:興
味 2 水準,国籍 3 水準】
➊2 元配置分散分析を行い、2 要因間(興味・国籍)で交互作用が有意か確認
➋交互作用(興味×国籍)が有意な場合
①興味の単純主効果の検定:国籍の各水準における興味の水準間の比較
・話す相手が日本人の場合の興味高群、興味低群の得点を比較
・話す相手が米国人の場合の興味高群、興味低群の得点を比較
・話す相手がインド人の場合の興味高群、興味低群の得点を比較
②国籍の単純主効果の検定:興味の各水準における話す相手の国籍の水準間の比較
・興味高群で話す相手が日本人、米国人、インド人の得点を比較
➡❸有意であれば多重比較(日本人、米国人、インド人、3水準間のどこに差があるかを検討)
・興味低群で話す相手が日本人、米国人、インド人の得点を比較
➡❸有意であれば多重比較(日本人、米国人、インド人、3水準間のどこに差があるかを検討)
❹交互作用(興味×国籍)が有意でない場合
Ⅰ.話す相手の主効果を検定する。
➡❺有意であれば多重比較(日本人、米国人、インド人、3水準間のどこに差があるかを検討)
Ⅱ.興味の主効果を検定する。
3
❶
❷
❹
❸❺
補足内容
1. プロファイルのプロットを設定する際に、横軸と縦軸の変数を入れ替えても良いのでし
ょうか。何か基準があるでしょうか。
4
回答:入れ替えても構わない。特に基準はないが、グラフが見やすいように設定したほう
がいい。
2.leveneの誤差分散の等質性検定の結果をどういうふうに見れば良いでしょうか。
5%水準で有意ではない場合、何を意味しているのでしょうか。
回答:levene検定は「グループの分散は等しい」という帰無仮説を検定する。
5%において有意でない場合、仮設を棄却することができず、対応なし要因のグルー
プ間の分散は等しいということを意味する。
3.固定因子と変量因子の違いは?
回答:因子を変化するものとみなすかどうかによる。
4.「シンタックス」を利用して熟達度 中×下を測った際、検定量は0.213だったが、「マ
ウス操作」を利用した際、検定量は0.166であった。その理由は?(5-3-6◆単純主効
果の検定と多重比較(マウス操作)p.91)
回答:検定方法が互いに異なるため、数値の差が生じた。ただし、どちらを使用しても問
題ない。
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