力学 (2014 年度 前期) 定期試験問題 2014.08.04 力学.exm14-1.1 . 【1】x 軸上を運動する質量 m の質点を考える。力のポテンシャル U (x) が以下の式で与えられる場合に,位置 x にあ る質点に働く力 (の x 成分)Fx (x) を求めなさい。 (1) U (x) = 4x2 + 10x4 (2) U (x) = 1 − cos(2x) x3 (exm14-1.1.1) 【2】質量 m = 1 の質点が,x 軸上を力のポテンシャル U (x) = −10x2 + x4 による力を受けて運動する。 (1) この質点にはたらく力の大きさが 0 となる位置を全て求めなさい。 (2) 時刻 t = 0 での初期条件が x(0) = 2 , vx (0) = √ 30 (exm14-1.1.2) である場合,質点は x 軸上のどの範囲を運動するかを答えなさい。 (3) 時刻 t = 0 での初期条件が x(0) = 2 , vx (0) = v0 (> 0) (exm14-1.1.3) √ √ である場合,v0 がある値 vmin より大きければ,質点は x = − 5 に到達し,vmin より小さければ,x = − 5 に到達しない。vmin を求めなさい。 【3】位置 ~r にある質量 m の質点に働く力,F~1 (~r) と F~2 (~2),を考える: ( ) F~1 (~r) = − 2x − y , −x − 4y , −3x − 6z − 2 , ( ) F~2 (~r) = − 2x − y − 3z , −x − 4y , −3x − 6z + 1 . (1) (2) (exm14-1.1.4) (exm14-1.1.5) ~ × F~1 (~r) と ∇ ~ × F~2 (~r) を計算しなさい。 ∇ F~1 (~r) と F~2 (~r) が保存力の場合は力のポテンシャル U (~r) を求めなさい。力のポテンシャルは U (~0) = 0 と なるように定めなさい。 【4】質量 m = 1 の質点の位置ベクトルが ( ) √ ~r(t) = 1 + 2 2 cos(3t) , 1 + 2 sin(3t) , −2 sin(3t) (exm14-1.1.6) で与えられている。 ~ (1) この質点の時刻 t での原点 O = (0, 0, 0) に関する角運動量 L(t) を求めなさい。 ~ (2) この質点の時刻 t での点 A = (1, 1, 0) に関する角運動量 L(t) を求めなさい。 【5】質量 m1 = 1 , m2 = 2 , m3 = 1 , m4 = 2 の 4 つの質点からなる剛体を考える。時刻 t = 0 でのそれぞれの質点の 位置ベクトルが ( ) ~r1 = 4 , −4 , 2 , ( ) ~r2 = 0 , 2 , 1 , ( ~r3 = ) − 2 , −4 , 0 , ( ~r4 = − 1, 2, 1 で与えられるとする。 (1) 時刻 t = 0 での剛体の質量中心の位置ベクトル ~rG を書きなさい。 (2) この剛体を z 軸を回転軸として回転させる。慣性モーメント Iz を求めなさい。 ) (exm14-1.1.7) 力学 (2014 年度 前期) 定期試験略解 力学.exm14-1.2 . “ ” “ ” ~ = Fx , 0 , 0 = − dU (x) , 0 , 0 という関係式を用いる。 【1】F dx (1) Fx (x) = −8x − 40x3 . (2) Fx (x) = (exm14-1.2.1) 3 − 3 cos(2x) − 2x sin(2x) . x4 (exm14-1.2.2) 【2】 (1) Fx (x) = − dU (x) = 20x − 4x3 = 4x(5 − x2 ) dx より,Fx (x) = 0 となるのは x = 0, (2) 質点の力学的エネルギー E は E= (exm14-1.2.3) √ ± 5. (exm14-1.2.4) 1 “√ ”2 30 + U (2) = 15 − 24 = −9 2 (exm14-1.2.5) となる。運動する範囲は U (x) ≤ E なので, x4 − 10x2 ≤ −9 → (x2 − 9)(x2 − 1) ≤ 0 (exm14-1.2.6) より,条件 −3 ≤ x ≤ −1 , 1≤x≤3 (exm14-1.2.7) が得られるが,最初の質点の位置は x = 2 なので,質点の動く範囲は 1≤x≤3 (exm14-1.2.8) となる。 (3) √ √ 質点が x = 2 から x = − 5 に到達するためには,質点の力学的エネルギー E が − 5 ≤ x ≤ で E > U (x) となって いる必要がある。この区間での U (x) の最大値は U (0) なので,E が U (0) = 0 より大きければよい; E= √ より,vmin = 4 3 。 1 2 1 v0 + U (2) = v02 − 24 > 0 2 2 → v0 > √ √ 48 = 4 3 (exm14-1.2.9) 【3】 (1) ~ × F~1 (~r) ∇ = = „ « ∂(−3x − 6z − 2) ∂(−x − 4y) ∂(−2x − y) ∂(−3x − 6z − 2) ∂(−x − 4y) ∂(−2x − y) − , − , − ∂y ∂z ∂z ∂x ∂x ∂y (exm14-1.2.10) (0 − 0 , 0 + 3 , −1 + 1) = (0 , 3 , 0) . ~ × F~2 (~r) = ∇ „ « ∂(−3x − 6z + 1) ∂(−x − 4y) ∂(−2x − y − 3z) ∂(−3x − 6z + 1) ∂(−x − 4y) ∂(−2x − y − 3z) − , − , − ∂y ∂z ∂z ∂x ∂x ∂y = (0 − 0 , −3 + 3 , −1 + 1) = (0 , 0 , 0) = ~0 . (exm14-1.2.11) (2) ~ × F~1 (~r) 6= ~0 なので,F~1 は保存力ではない。また,∇ ~ × F~2 (~r) = ~0 なので,F~2 は保存力である。 ∇ ∂U F~2 に対する力のポテンシャル U (~r) を求める。まず, = 2x + y + 3z を x について積分する: ∂x Z U = (2x + y + 3z) dx = x2 + xy + 3xz + C1 (y, z) (exm14-1.2.12) が得られる。ここで,C1 (y, z) は x の積分に対する積分定数なので,y や z の関数である可能性がある。 力学.exm14-1.3 次に,上式を ∂U = x + 4y の左辺に代入する: ∂y ∂C1 (y, z) ∂U =x+ . ∂y ∂y (exm14-1.3.1) ∂C1 (y, z) = 4y ∂y (exm14-1.3.2) これより,C1 (y, z) が満たすべき条件 が得られる。この式を y について積分して C1 (y, z) = Z 4y dy = 2y 2 + C2 (z) (exm14-1.3.3) が得られる。C2 (z) は y の積分に対する積分定数なので,z の関数である可能性がある。さらに,得られた結果 U = ∂U x2 + xy + 3xz + 2y 2 + C2 (z) を = 3x + 6z − 1 の左辺に代入すると ∂z dC2 (z) ∂U = 3x + ∂z dz (exm14-1.3.4) dC2 (z) = 6z − 1 dz (exm14-1.3.5) (6z − 1) dz = 3z 2 − z + C3 (exm14-1.3.6) より,C2 (z) が満たすべき条件 が得られる。この式を z について積分して C2 (z) = Z が得られる。以上より,力のポテンシャルは U (~r) = x2 + xy + 3xz + 2y 2 + 3z 2 − z + C3 (exm14-1.3.7) となる.(C3 は定数。) U (~0) = 0 の条件より,C3 = 0 なので, U (~r) = x2 + xy + 3xz + 2y 2 + 3z 2 − z (exm14-1.3.8) となる. 【4】 (1) ~ L(t) = = “ ” “ √ ” √ d~r = 1 + 2 2 cos(3t) , 1 + 2 sin(3t) , −2 sin(3t) × −6 2 sin(3t) , 6 cos(3t) , −6 cos(3t) m~r × dt “ ” √ √ √ −6 cos(3t) , 12 2 + 6 cos(3t) , 12 2 + 6 cos(3t) + 6 2 sin(3t) . (exm14-1.3.9) (2) ~ L(t) = = “ ” d~r “ √ ” “ √ ” m ~r − (1, 1, 0) × = 2 2 cos(3t) , 2 sin(3t) , −2 sin(3t) × −6 2 sin(3t) , 6 cos(3t) , −6 cos(3t) dt “ √ √ ” 0 , 12 2 , 12 2 . (exm14-1.3.10) 【5】 (1) ~rG = m1~r1 + m2~r2 + m3~r3 + m4~r4 = (0 , 0 , 1) . m1 + m2 + m3 + m4 (exm14-1.3.11) (2) Iz = 4 X i=1 “ ” mi x2i + yi2 = 1 (42 + (−4)2 ) + 2 (02 + 22 ) + 1 ((−2)2 + (−4)2 ) + 2 ((−1)2 + 22 ) = 70 . (exm14-1.3.12)
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