県伊祭 ヤングフェスティバル

県伊祭
例年 1,500人にのぼる来校者で賑う
生徒会がとりしきる最大行事
平成26年度 一般公開
6月14日(土)
ヤングフェスティバル
3年生クラス対抗
創作劇コンクール
高校生のみずみずしい感性と関西ならではの笑いに満ちた
劇で、毎年大好評を博す。
AIホールの演出家・俳優の指導を受けて、シナリオ・大
道具・小道具・照明・タイムキーパー・音響・演出すべて
を生徒達が作りあげる。
当日は舞台裏に大道具を運び入れてから出すまで、制限時
間内での勝負になる。
平成 24 年度
吉永教頭先生のレポートをご紹介します。
総合的な学習の時間
レポート
~ヤンフェスへの道のり~
・・・舞台裏はすごかった・・・
6 月 16 日(土)11 時 05 分 体育館舞台裏。3年生6組の舞台裏で生徒の表情を映したかった。
そこは、部外者の自分にとっては厳しい場所だった。ぴんと張り詰めた空気、大きくふーっっと深呼吸する
者、一点を見つめて集中している者。舞台ではおどけた演技をする者も舞台袖では表情がまったく違う。時に
は仲間の演技に、にやっとすることがあるが、観客の笑いとは質がぜんぜん違う。仲間に対しての強い感情、
言葉にすると「やったな、よし俺も」という感じを受けた。袖のカーテンに身を潜め、出番を伺う。寸分の狂
いもなく、タイミングを見計らってスポットの中に飛び込んでいく。
役者同士舞台袖ではまったく会話がない。出たり入ったりを無言でやる。そして舞台に出た瞬間に役になり
きり、大きな声を出す。50歳半ばの私が17歳に圧倒されている。すごい。言葉に出すわけでもなく、表情
に出すわけでもないのになんという迫力か。人が集中したときの「気」をびしびし感じた。
彼らは舞台袖での振舞い方を、教えてもらったのだろうか?いやおそらく、自然にそうなるのだろう。
何かを成し遂げようとするとき、チームのあり方、個人の振舞い方が自然に最高の状態になった。
軽々しく声をかけることはできない。スポーツ選手の試合前の集中状態に近い。
道のりは遠いようで近かった。それは生徒たちの力が想像以上に強かったからと感じる。
3年生が本格的にヤンフェスに向けて始動したのは4月下旬。中間考査をはさみAIホールのプロの指導を
受けてどんどん研ぎ澄まされていく。
学んだことは何だろう。総合的な学習の時間の目標は「話す力、聞く力、話し合う力、チームで仕事をする
力、まとめる力を育てる」である。この2ヵ月半でおつりが来るほどの経験をし成長したのではないかと感じ
る。
人が集中し、びしびしとした「気」を出すことができる経験は貴重だ。似たような「気」を感じたことがあ
る。半年前のサッカー部の新人戦決勝でのハーフタイムでベンチ前の選手を見たときと、今年の総体のバスケ
ットボール部のベスト8をかけた試合での部員も、同じかそれ以上の「気」を出していた。「集中する」とい
う表現よりも「ゾーンに入っている」と表現したほうがいいかもしれない。
県伊祭前の緑創館での練習で、あるクラスがホールで練習していた。割り当てられた時間が終了し、次のク
ラスが来た。すると練習していたクラスの監督が「撤収!」と声をかけると、ものの30秒で全員が自分のや
るべきことをやり、さっきまであんなに熱気にあふれて練習していたのがうそのように場所を空けた。その見
事さにびっくりした。話すのが苦手、まとめるのが苦手な生徒もいるだろう。しかし、チームで仕事をする、
話し合うことに協力する、まとめることに協力する力は確実に身についた。 3年生がこのあと受験勉強に向
かうとき、「ゾーンに入る」経験はとても重要に思う。
ただ自らの力で「ゾーンに入った」ものと気付かないうちに「ゾーンに入っていたもの」がいる。ひとは状
態が悪いときに「なぜ 状態が悪いのか」は分析するが、状態が良いときに「なぜ状態が良いのか」は分析し
ない傾向にある。しかし実は、大切なのは「ゾーンに入ったときに、なぜゾーンに入れたか」を自己分析する
ことだ。受験勉強はゾーンに入れるか入れないかで決まると言っても過言ではない。
ヤングフェスティバル・総合的な学習の時間はこういうことを学ぶ大切な場だ。
トップのアーチストやトップのスポーツ選手は「ゾーンに入りながら、周りが非常によく見えている」その
ため、裏方に対する感謝の気持ちを常に口にする。今回の文化祭で裏方に徹した生徒や、舞台の進行を支えた
有本先生(もちろん他のすべての教員も)への感謝の気持ちも教えたい。 2年生が憧れの気持ちを持って「自
分たちも来年は・・」と思っているのがとても強く感じられた。AIホールの方々に感謝です。