第六回演習問題

代数学演習 A 第一 第 6 回 (皆川・山川・鈴木
定義
2014 年 6 月 3 日)
f (x), g(x) ∈ Q[x] \ {0} に対し f (x), g(x) の最大公約元 d(x) ∈ Q[x] を f (x), g(x)
の両方を割り切る多項式で次数が最大のものと定義する。
基本問題
問 6.1 Z/17Z において、方程式 x2 = −1 の解をすべて求めよ。
問 6.2 (1) Q[x] の 2 元 x5 + x4 + x3 + x2 + x + 1 と x4 − x3 − x + 1 の最大公約元で
最高次の係数が 1 であるものを求めよ。
(2) f (x), g(x) ∈ Q[x] \ {0} に対し f (x), g(x) の最大公約元 d(x) ∈ Q[x] を考える。
p(x), q(x) ∈ Q[x] で d(x) = p(x)f (x) + q(x)g(x) を満たすものが存在することを
示せ。
問 6.3 Q[x]/(xr ) によって問 5.5 の同値関係についての同値類全体の集合を表すものと
する。また f (x) ∈ Q[x] に対し、f (x) を含む同値類を f (x) によって表す。
(1) 1 を Q[x] の部分集合として表せ。(答えのみで良い)
(2) Q[x]/(xr ) における加法、乗法を
f (x) + g(x) = f (x) + g(x)
f (x) · g(x) = f (x)g(x)
によって定義する。この定義が代表元の取り方によらないこと(well-defined である
こと)をそれぞれ確かめよ。
(3) f (x) = x2 + 2x + 2 ∈ Q[x]/(x3 ) について f (x) · g(x) = 1 となる g(x) ∈ Q[x]/(x3 )
を求めよ。
発展問題
問 6.4 写像 f : Z/17Z → Z/17Z を x ∈ Z/17Z に対し f (x) = x2 によって定める。こ
のとき集合 G、及び全射 p : Z/17Z → G、単射 i : G → Z/17Z で f = i ◦ p となるもの
を一組挙げよ。
問 6.5 (1) p を素数とする。1 ≤ k ≤ p − 1 なる自然数 k に対し 2 項係数
( )
p
k
はpの
倍数となることを示せ。
(2) 2 項定理、及び n に関する帰納法を用いて次を示せ。
p が素数であれば、任意の自然数 n に対して np ≡ n mod p が成立する。
(Fermat の小定理)