当日配布資料(4.32MB)

1
エネルギー変換効率
✦
火力発電 ・・・約50%
✦
ガソリンエンジン・・・ 約30%
✦
太陽電池・・・約30%
✦
熱電発電・・・ 約8∼15%
エンジンなどの内燃機関ではエネルギーの約70%が
熱として放出
この未使用の熱エネルギーを
電力として再利用
2
従来の熱電材料
ゼーベック効果を利用した発電材料
✦
BiTe ・・・室温では最高性能
低融点のため、高温では使用不可
✦
PbTe・・・排熱温度域で使用可
Pbを含有しているため、工業利用に難
✦
Si-Ge・・・排熱温度域で使用可
Geを20at%程度入れる必要があり、コストに難
3
熱電変換材料に望まれる性質
・熱起電力が大きい。
Cooling
-
+
n-type
p-type
+
-
Heating
(ゼーベック係数が大きい)
・電気伝導度が大きい。
・熱伝導度が小さい。
4
ゼーベック効果の原理
n型の場合
伝導帯
不純物準位
+
-
価電子帯
バンドギャップ
温度差により発電 温度差が存在しないと発電できない
(熱流によるエネルギーロスが生じる)
5
シリコンクラスレート
Ba8Si46 Crystal
Ba
Si
•
熱電発電材料として有望
•
Ba8Si46クラスレートは、
高圧下でのみ合成
•
添加元素(Al, Ga, Auなど)によ
り、常圧で合成可能
6
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• 従来のゼーベック効果による発電では、素子に
温度差を与える必要があり、それにより生じる
熱流により変換効率の低下が避けられない。
• 本技術は発電の際に、温度差を必要としないた
め、熱流が発生せず、変換効率の低下を抑えら
れる。
• 温度差を必要としないため、冷却を考慮する必
要がなくなり、使用用途の幅が広がる。
7
実験方法
純Ba、Au、Si
アーク溶融
8
実験方法
種結晶
成長した結晶
Ba8AuxSi46-xの融液
成長方向
Al2O3るつぼ
9
ceramic holder
Melt
SUS shaft
5 mm/h, 2.5 rpm
Seed
~ 1400 K
Pulled sample
10
No.0
No.10
熱電特性評価用
11
粉末X線解析
測定値
理論値と測定値のピーク位置が一致
理論値
クラスレート構造であることを確認
12
EBSP解析
多結晶試料
CZ試料
111
400 μm
400 μm
001
110
• XRD、EBSPの結果 → 単結晶BaAuSiクラスレート
13
WDXによる組成分析
仕込み組成 : Ba8Au8Si38
試料
No.0
No.1
No.2
No.3
No.4
No.5
No.6
No.7
No.8
No.9
No.10
Ba : Au : Si
7.56
7.53
7.53
7.51
7.49
7.45
7.49
7.39
7.45
7.46
7.40
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
4.75
4.75
4.66
4.76
4.80
4.95
5.04
5.08
5.09
5.03
5.13
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
41.24
41.24
41.34
41.24
41.20
41.05
40.96
40.92
40.91
40.97
40.87
14
ゼーベック係数測定
温度計
低温側
電圧計
高温側
温度計
15
ゼーベック係数測定
組成が真性領域に近づくほど減少に転じる温度が低い
真性半導体近傍になるほど、バンドギャップが小さい
16
x=6.0
x=5.0
x=4.0
1.0
0.5
Energy(eV)
0.15eV
0
0.05eV
0.10eV
-0.5
p型半導体
n型半導体
n型半導体
-1.0
R
Γ
X
M
Γ
R
Γ
X
M
Γ
R
Γ
X
M
Γ
17
温度計
均一温度
電圧計
温度計
18
0.7
V_chromel (mV)
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0
-0.1
0
100 200 300 400 500 600
Temperature (。C)
温度差を与えていないにも関わらず、起電力が発生
19
発電メカニズム
熱
伝導帯
価電子帯
20
応用のイメージ
従来
本技術
投入エネルギー
投入エネルギー
エンジン
熱-電力システム
動力
熱電
モジュール
電力 排熱
電力
排熱
21
アドバンテージ
★
温度差を必要としない・・・冷却側を考慮する必要がなくなる
★
熱流が発生しない・・・変換効率の大幅な向上が期待できる
実用化に向けた課題
✦
材料および製造の低コスト化
✦
材料性能の向上
22
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排熱を電力として回収しようとする動きがほとんど行われてい
ないのが現状。
化石燃料の枯渇がいつになるかは分からないが、中長期的な視
野での技術推進に取り組んでいただけることを期待する。
本技術に関する知的財産権
発明の名称:半導体単結晶、及びこれを用いた発電方法
出願番号:特願2014-028554
出願人:九州大学
発明者:宗藤 伸治、古君 修など
23
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