セミ・ノンパラメトリック計量分析 練習問題2

セミ・ノンパラメトリック計量分析 練習問題2 提出:1 月 5 日まで
以下の設問に答えよ。
1. (Y, X) を連続確率変数のベクトルとする。X = x を条件とする Y の条件付 α 分位点を qα (x)
で表すことにする。g(·) を X の任意の関数とすると、
E[ρα (Yi − g(X))]
は、g(X) = qα (X) のとき最小となることを示せ。ただし、ρα (·) はチェック関数である。
2. (教科書 Exercise 6.5) (Y1 , X1 ), . . . , (Yn , Xn ) を分布 FY,X からの無作為標本とする。Xi = x
を条件とする Yi の条件付分布関数 FY |X (y|x) の weighted Nadaraya-Watson 推定量は次の
ように与えられる。
(
)
∑n
pˆi (x)k Xih−x 1{Yi ≤ y}
( X −x )
FˆY |X (y|x) = i=1∑n
ˆi (x)k ih
i=1 p
ただし、pˆ1 (x), . . . , pˆn (x) は次のような制約付最大化問題の解である1 。
n
∑
max
p1 (x),...,pn (x)
log pi (x)
)
(
n
n
∑
∑
Xi − x
= 0 and
(Xi − x)pi (x)k
pi (x) = 1
h
i=1
i=1
s.t.
i=1
この制約付最大化問題を解くために、ラグランジュ乗数法を用いる。ただし、ラグランジュ
関数は
L=
n
∑
(
log pi (x) − γ
i=1
n
∑
)
pi (x) − 1
i=1
(
)
n
∑
Xi − x
− nλ
(Xi − x)pi (x)k
h
i=1
とする。このとき
pˆi (x) =
1
ˆ i − x)k
n[1 + λ(X
( Xi −x )
h
]
を示せ。ただし、
ˆ = arg min
λ
λ
(
(
))
Xi − x
log 1 + λ(Xi − x)k
h
i=1
n
∑
である。
3. 次のようなセミパラメトリックモデルを考える。
Yi = βτ (Xi ) + ui ,
E[ui |Xi ] = 0
ただし、τ : R → R は未知の関数で、β ∈ R は未知のパラメータである。
(a) τ (·) が既知であるとする。このとき、β の最小 2 乗推定量の漸近分布を求めよ。
1 p (x) ≥ 0 が制約に含まれていないが、対数関数は負の値については定義されず、また、lim
x→0 log x = −∞ なので、
i
最大化問題の解は必ず pˆi (x) > 0 を満たす。
1
(b) τ (·) を supx |ˆ
τ (x) − τ (x)| = op (n−1/4 ) を満たす適当なノンパラメトリック推定量 τˆ(·)
で置き換えたとする。一般に、β の最小 2 乗推定量の漸近分散は、(a) で求めた漸近分
散と異なるだろうか。Andrews (1994) の MINPIN の直交条件をチェックすることで調
べよ2 。
4. (教科書 Exercise 7.7 を少し変更) 次のような部分線形モデルを考える。
= Xi β + g(Zi ) + ui Yi
E[ui |Xi , Zi ] = 0
E[u2i |Xi , Zi ] = σ 2 (Xi , Zi )
ただし、g(·) と σ 2 (·, ·) は未知の関数である。このモデルの β のセミパラメトリック効率性の
限界 (semiparametric efficiency bound) は以下のように与えられる。
 
[

E
Xi
|Zi
σi2
] 2 −1

 1
] 
V1−1 = E  2 Xi − [

1
σi
E σ2 |Zi
i
ただし、σi2 = σ 2 (Xi , Zi ) である。
(a) E[u2i |Xi , Zi ] = σ 2 (Zi ) (条件付分散は Xi に依存しない) とする。このとき V1−1 は
V0−1 =
( [
E
1
(Xi − E[Xi |Zi ])2
σ 2 (Zi )
])−1
となることを示せ。
(b) V1−1 と V0−1 の大小関係について考えを述べよ。証明をする必要はない。
2 この例のように、
「回帰変数」τ (X
i)
を「推定量」τˆ(Xi ) で置き換えたものを、generated regressor と呼ぶ。
2