ロータリー財団の資金モデル よく尋ねられる質問と要点 ロータリー財団は、国際的なプログラムに安定して資金を提供し続けていくことに常に力を注いでいます。管理委員会は、財団の長期的 な財務の安定を図るための措置として、2015 年 7 月より、ロータリー財団の運営費(一般管理運営費と寄付推進費)を賄うためのリソ ースを拡大することを決定しました。 現在は、以下の 2 つの資金源によって賄われています。 年次基金からの投資収入 恒久基金からの投資収益の使用可能な部分 2015年7月1日より、これに以下3つの資金源が加わります。 年次基金への寄付の5% グローバル補助金への現金寄付(「通過寄付」と呼ばれる寄付)の5% 合意した企業・法人からの大口寄付の10%まで 質問 回答 この資金モデルは、財団にとって大きな 変更となりますか? 大部分は以前とほとんど変わりません。特にDDF(地区財団活動資金)については変更は ありません。 このモデルは、いつ有効となりますか? 2015年7月1日より有効となります。これより前に行われる寄付には影響が一切なく、現在 と同じ方法で手続きが行われます。 なぜ、このモデルが必要なのですか? 現在、運営費(一般管理運営費と寄付推進費)の大部分を純投資収益に頼っています。運 営準備金(緊急時のための資金)は、常に十分なレベルに達しているわけではありませ ロータリー財団の新しい資金モデル(2014 年 8 月) 1 ん。このため、十分な投資収益がない場合には、財団の運営費を賄えなくなる可能性があ り、その場合、プログラムへの支出を削減せざるをえないこともあります。 この資金モデルは、プログラムに影響を与えずに、今後の運営費を賄うのに十分なリソー スを確保する必要があるという考えに基づいています。経済不況に見舞われた 2008 年、 財団には運営費を賄える十分な投資収益がなかったため、続く 2009 年、「世界でよいこ と」を続けていくために WF(国際財団活動資金)から運営費を賄う必要がありました。 「十分なレベルの運営準備金」とは、 どういう意味ですか? このモデルは、どのような仕組みですか? ロータリー財団では、3年分の運営費に相当する運営準備金を蓄えることが必要とされて います。2015年の場合、このレベルはおよそ6,700万米ドルとなります。 毎年度末、財団は、純投資収益、恒久基金の使用可能な収益、グローバル補助金への現 金寄付の5%が、運営費を賄うのに十分であるかどうかを確認します。これらが十分である 場合、年次基金寄付の5%は不要となります。 次に、運営準備金が十分なレベル、つまり3年分の運営費(約6,700万米ドル)に達してい るかどうかを確認します。これも十分である場合、年次基金寄付の5%はWF(国際財団活 動資金)に留まります。 最後に、直前3年間の寄付の50%+500万ドルの成長要因に相当するWF残高があるか どうかを確認します。WFが十分にあり、しかも余剰金がある場合は、この余剰金は恒久基 金に入れられます。 重要なのは、年次基金寄付の5%は、必要な場合にのみ運営費に充てられるということで す。また、WFの残高は、直前3年間の寄付の50%+500万ドルを目標としています。 DDF(地区財団活動資金)には、どのよう な影響がありますか? DDFへの影響はありません。年次基金(シェア)へのご寄付は、これまでと同じように、 50%がDDFに、50%がWFに分割されます。このうち、運営費や運営準備金に充てられる 5%はWFから差し引かれるものであり、しかも必要がない限りこの5%は差し引かれませ ん。 グローバル補助金には、どのような影響が ありますか? グローバル補助金に現金を拠出する場合、提唱者は拠出金の5%を追加で支払う必要が 生じます。オンラインシステムにも変更が加えられ、グローバル補助金申請ページには、提 唱者に求められる5%を加えた合計額が自動的に表示されることになります。 ただし、提唱者の現金拠出金に対するWFからの50%の上乗せは、補助金として使用され ロータリー財団の新しい資金モデル(2014 年 8 月) 2 る部分のみに適用され、追加の5%は上乗せの対象とはなりません。 なぜ、グローバル補助金にも変更を 加えるのですか? 現行のシステムでは、グローバル補助金に現金拠出が行われる場合、さまざまな事務手 続きが必要となります。しかし、現金拠出による資金は3年間の投資を経ないため、収益を 生み出しません。補助金への現金拠出の5%は、このような手続きと事務にかかる費用を 賄うためのものです。 グローバル補助金に現金を拠出する 場合、提唱者は、この現金拠出に追加す るかたちで5%を支払う必要があるのでし ょうか? はい。この5%を含め、すべての拠出金を財団が受理するまで補助金は支払われません。 ただし、提唱者は追加の5%を必要としない以下のような方法を選択することもできます。 <プロジェクト専用口座に直接送金する場合> 現金をプロジェクト専用の銀行口座に直接送金する場合は、財団で寄付の処理や認証手 続きを行う必要がないため、追加の5%を支払う必要はありません。ただし、この場合は、 税制上の優遇措置や認証ポイントの対象になりません。 <DDFのみを使用する場合> DDFのみを使用する場合は、追加の5%を支払う必要はありません。 税制上の優遇措置は追加の5%について も対象になりますか。 はい、なります。 ただし、プロジェクト口座に直接送金する場合は、対象にはなりません。 認証ポイントの対象となるのは、提唱者が 支払う全額ですか、それとも全額から5% を差し引いた額ですか? 5%を含めた提唱者が支払う全額が認証ポイントの対象となります。 ただし、プロジェクト口座に直接送金する場合は、対象にはなりません。 このモデルは、現在、財団に寄せられてい る資金にも適用されますか? いいえ。このモデルは、2015年7月1日以降に寄せられる寄付に適用されます。それまで の間、財団は、このモデルに関するロータリアンへの周知、オンライン申請システムの更 新、研修の提供に力を入れていきます。 2015年6月30日までに行われる寄付は、現行の手続きの下で受理・承認されることになり ます。 新しい補助金モデル(未来の夢)は、 管理運営費を削減するためのものでは なかったのでしょうか? ロータリー財団の新しい資金モデル(2014 年 8 月) 「未来の夢」と呼ばれる新しい補助金制度によって、プログラム運営費(財団プログラムに おける審査、手続き、資金管理等にかかる費用)にかかるコストを抑えることができました。 ロータリー平和センタープログラムや他のプログラムが拡大しているため追加の経費が発 3 生していますが、未来の夢によって補助金手続きの担当職員数を減らすことができまし た。 しかし、未来の夢は、寄付推進費と一般管理運営費、すなわちこの資金モデルを通じて補 われる「運営費」には影響を与えるものではありませんでした。寄付推進費とは、例えば、 メジャードナー行事、認証、計画寄付や大口寄付のご相談など、寄付者との関係構築や、 ご意向に最も沿うように寄付していただくためのサポートにおいて発生する費用です。一般 管理運営費とは、コーポレート・ガバナンスや現金を扱う際の手続きのほか、財団の運営 に必要不可欠な諸々のコスト(特定のプログラムや寄付推進のためではなく)が含まれま す。 「寄付の100%がプログラムに使用される」 という従来の考え方はどうなりますか? 寄付推進費と一般管理運営費を賄うために、3年間の投資サイクルを経る仕組みは、非営 利の世界において他では見られない非常にユニークな方法です。しかし、近年の経済不況 時には投資収益の不足や損益が生じ、WFから運営費が差し引かれたこともありました。 2014年には、通常よりも多くの純投資収益があったおかげで、ロータリー財団はこれで運 営費を賄い、運営準備金を十分なレベル(3年分の運営費)にまで補充することができまし た。さらに、WFの蓄えは今後3年間のプログラムを賄うのに十分であり、余剰金800万ドル が恒久基金に入れられました。 財団の第一の目標は、これまでも、そして今後も、プロジェクトに補助金を提供し続けるこ とです。財団は常に、不況に備えるための運営準備金を含め、堅固な財務基盤を維持す ることに力を注いでいます。今後も、経済不況によって投資収益が不足した場合には、必 要に応じて年次基金寄付の5%が運営費に回されることがあります。501(c)3の組織(米国 の国税収入局により規定される非営利非課税組織)の大半は、寄付の一部を運営費に使 っており、これは非営利団体において標準的な慣行であると言えます。 このモデルには「合意した企業・法人から の大口寄付の10%まで」とありますが、こ れはどのように決められるのでしょうか? 非常に大口の法人寄付から一部を運営費に充てる方法は、寄付者と慈善団体の間で一 般的に広く認められている慣行です。このような法人寄付は、プロジェクトへの支援を増や すものとなります。この寄付の最高10%を管理運営費に充てることで、より多くの資金をク ラブや地区への補助金として確保することが可能になります。 これは、各企業や法人との交渉を通じてケース・バイ・ケースで決められるもので、 500,000米ドル以上の非常に大口の寄付のみに適用されます。ただし、ポリオプラス基金 ロータリー財団の新しい資金モデル(2014 年 8 月) 4 と恒久基金寄付、および冠名指定寄付には適用されません。 経費削減についてはどのように 考えられていますか? ロータリー財団の新しい資金モデル(2014 年 8 月) 今後も、適切な資金管理による無駄のない運営が財団の優先事項となります。とはいえ、 一律にすべてのコストを削減しても、財団を成長させ、影響力を高めるという長期的目標を 達成することはできません。大切なのは、財団の成長を支える取り組み、つまり寄付推進 活動(ファンドレイジング)に戦略的に投資することです。近年、財団に支援を寄せるロータ リアンの数は増えていますが、さらに多くの会員、企業や財団法人、ロータリアン以外の寄 付見込者からの支援を得ていくことが重要です。そのためには、こうした取り組みに資金を 投資する必要があります。 5
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