統計II S14 多変数回帰、直交条件 1 多変数回帰 例1:消費と所得・資産 C:消費支出、I:所得、W:資産 C = +I+W + (,の意味 :資産(W)一定、所得が1単位増加すると消費は増加 他の条件(資産)一定の時、所得増の消費への純粋効果(限界効果) :資産の限界効果 限界効果は所得、資産のレベルに関わらず一定と仮定 Y = + X1 + X2 + 2 例 2 所得と年齢 若い間は年齢とともに所得は上昇 五十代半ばでピークに達し、それ以降は下降。 二次式! 限界効果は一定ではない! Y = + X + X2 + 所得 * * * * 20 才 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 年齢 50 才 3 例 3 マンションの家賃 (都心からの距離と広さ、交差項) 家賃(R)、都心からの距離(Km)、広さ(Sq) 候補1:R = +Km+Sq+ 広さSqの限界効果は都心からの距離にかかわらず一定 実際には距離とともに広さあたりの家賃増は下がる! 候補:R = + Km + Sq + Km Sq+ (3-1-3) 交差項(Interaction term) 広さの限界効果: R/ Sq = +Km 限界効果は距離とともに変化。 の符号はマイナス 4 Y = b0 + b1X1 + b2X2 + ...+ e 3 変数回帰 平面のあてはめ Y X2 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * = a+bX1+cX2 Y * * * * * * * X1 5 二変数回帰(最小二乗)の行列表示 (1) Yi = a + bXi + ei, i = 1,..,n (2) Y1 a+bX1 +e1 a X1 e1 1 X1 e1 Y a+bX +e a X e 1 X e 2 2 2 2 b 2 a+ 2 b+ 2 : : : : : : : : Y a+bX +e X a n n n n en 1 X n en (3) Y1 X1 e1 1 Y X e 1 a 2 2 Y , 1 , x , b , e 2 : : : : b 1 Yn X n e n a Y = 1a + xb + e = [1 | x] + e = [1 | x] b b1 b + e = Xb + e, 2 X = [1 | x]= [X1 | X2] 6 X:n行2列の行列 x:n次元ベクトル 説明変数からなる行列をXで表す。 Xの二つの列に添字を付けてX1,X2と表記。 二変数回帰モデルの行列表示: Y Xb e X1 b1 X2 e b2 行列とベクトルはY, X, b等太字で表す。 ベクトルaは常に列ベクトルを表し、 行ベクトルはaの転置(a’)として表記。 7 最小二乗法の幾何学、射影 最小二乗法: iei2を最小化 基準をベクトルで表す。 残差ベクトル e = Y Xb = Y X1b1 X2b2 残差二乗和 iei2 = e’e 最小二乗法:(b1,b2)を調節し、e’eを最小にする手続き。 射影 e'e:ベクトルeの長さの二乗 最小二乗基準:係数(b1,b2)を選び ベクトルYとX1b1+X2b2の距離を最小化 射影! X1, X2の一次結合、 8 図:最も簡単な射影の例 n=2, k=1のケース Xの定数倍XbとYの距離 ( |Y – Xb| )を最小化。 ・Xbの取り得る値は点線で表されたXの延長上 係数bを1とすれば残差は(ア) 、 異なったbの値に対する残差は(イ)。 ・Yとの距離を最小にする残差は? 答:YからXの延長上へおろした垂線 残差eとXbが直交 XbはYの推定値(あてはめ値)、eはあてはめの誤差 射影としての最小二乗法(n=2,k=1) e=Y-Xb Y (ア) (イ) X =Xb Y 9 ˆ : YをXの張る平面上に射影したベクトル (Xb) Y 最小二乗法の条件: Yˆ とeが直交 (Xとeが直交するようbを決定) ベクトル a, b (a,b) = |a| |b|cos、 ・直交するなら内積はゼロ また ・(a,b) = a'b = b'a Xとeの直交条件は行列表示では X'e = 0、 X'(Y-Xb) = 0 10 k=2, n=3 図 3-4 b は二次元ベクトル。 LM Y OP Y MY P , MNY PQ 1 2 LM X MX MN X 11 X X1| X 2 3 X12 X 22 31 X 32 21 OP PP Q Xb:三次元ベクトルX1, X2の一次結合 (X1, X2の張る二次元平面上のベクトル) YとXbとの距離が最小 <―> XbはベクトルYからこの平面に降ろした垂線の先 ˆ : Yの [X1, X2]の張る二次元平面への射影 Y ・ Xbは残差eと直交 ・ eが垂線ならX1とX2の両方と直交 11 射影としての最小二乗法 (n=3,k=2) Y e=Y-Xb X2 =Xb Y X1 12 最小二乗の条件:Xの二つの列とeが直交 (X1'e = 0 かつ、X2'e = 0) 直交条件の行列表示 X 'e X ' 1 = 1 e = X'e 0 0 X 'e X ' 0 2 2 X'(Y-Xb) = 0 bは直交条件、X'e = 0を満たすように決まり、(3-3-3)が成立。 X'Y = X'Xb 回帰の正規方程式 X'Y:二次元ベクトル、X'X:2x2正方行列 正規方程式:bの二個の要素についての線形の連立方程式。 解 : X'Xに逆行列が存在すれば、 b = (X'X)-1X'Y 一般のn,kについても(X'Xの逆行列が存在すれば)解は同じ。 13
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