PIMCO Spot Report

お客様向け資料
PIMCO Spot Report
2014年10月以降のブラジルレアルの動向と今後の見通し
2014年10月

10月26日のブラジル大統領選の決選投票において、現職のルセフ氏が再選

週明け27日のブラジルレアル (以下、レアル)は対円で約4%*調整して始まるも、反発の兆しも

レアル安抑制策の継続が期待される中、短期的な為替水準の調整はインカム積み上げの好機に
10月26日のブラジル大統領選の結果を受け、レアルは調整してスタート
現職のルセフ氏が対立候補のネベス氏を破り再選
【2014年9月末以降のレアル/円の推移】
27日のレアルは約4%下落、足元では42円台後半まで反発

ブラジルでは10月に入り、大統領選の行方に対する市
(レアル/円)
世論調査で
両候補の
支持率が拮抗
46
場の観測が株式市場およびレアルの変動要因に
米経済指標の
悪化による
リスク回避
45

大統領選
決選投票で
ルセフ氏再選
10月5日の大統領選1次投票では市場寄りの政策を掲げ

る対立候補のネベス氏が躍進、政権交代に対する期待
44
がレアルを押し上げる展開に
43
10月26日の決選投票で現職のルセフ氏が再選、レアル
42
は24日の44円台から27日には42円台前半へ約4%*の調
大統領選
1次投票で
ネベス氏躍進
世論調査で
ルセフ氏が
僅差でリード
41
整、28日東京時間午前10時現在は42円台後半へと反発
40
期間:2013年12月31日-2014年10月27日
出所:ブルームバーグ(*ロンドン時間午後4時基準、WMロイターベース)
9月30日
10月7日
10月14日
10月27日
10月21日
レアルが一方的に下落し続けるリスクは限定的
対米ドルでリーマン・ショック後の最安値水準へ近づく
【2007年12月末以降のレアルのパフォーマンス(対米ドル)】
短期的には神経質な展開も、調整が長引くリスクは限定的
(米ドル/レアル)
 レアルは特に対米ドルで調整が進み、足元ではリーマン
・ショック後の最安値まであと約2%の水準に
1.5
米ドル高・レアル安
 10月中旬以降、事前調査でルセフ氏勝利が示唆されてい
たこと等を背景に既にレアルの調整が始まっており、為
替にもルセフ氏勝利が一定程度織り込まれていた可能性
1米ドル=2.59レアル(2008年12月5日)
07年12月
インフレ圧力に対し、レアル安抑制策の継続が期待される
10年12月
レアル安によるインフレ
圧力を利上げにより抑制
(%)
12
ルセフ政権はこれまでもインフレ抑制を重視。当局は
政策金利
(左軸)
10
昨年4月から計3.75%の利上げを実施、持続的な為替介
入を通じたレアル安抑制策などによりインフレに対抗
8
5月以降もインフレ率は中央銀行の目標上限の6.5%近辺
12年6月
13年12月
利上げ停止後も
為替介入等を継続
レアル/米ドル (右軸)
■インフレ率
(左軸)
インフレ率目標上限(6.5%)
進行したことで、目標上限を突破し6.75%に上昇
利下げや
レアル安
↓
インフレ
要因に
×
6
で高止まりが続いていたものの、9月にレアル安が更に
(レアル/米ドル)
1.8
レアル高
2.1
2.4
2.7
4
3
2
3.3
レアル安
為替介入肯定派のルセフ氏が再選されたことで、当局
が急激なレアル安進行を放置する可能性は低い
期間:2011年12月末-2014年9月末
09年6月
【インフレ率、政策金利、レアル(対米ドル)の推移】
ルセフ政権は為替介入の継続に対して肯定的

リーマン・ショック後の最安値
まであと2.0%の水準に下落
2.5
期間:2007年12月31日-2014年10月27日
出所:ブルームバーグ(ロンドン時間午後4時基準、WMロイターベース)

1米ドル
=2.54
レアル
(10/27)
2.0
 短期的には神経質な展開が予想される一方、「政権交代
→レアル高」の構図は期待先行の感も否めず、為替介入
の継続も考慮すると大幅な調整が長引く可能性は限定的

米ドル安・レアル高
13年1月
出所:ブルームバーグ
過去の実績は将来の運用成果を保証または示唆するものではありません
1
13年7月
14年1月
14年7月
お客様向け資料
PIMCO Spot Report
2014年10月以降のブラジルレアルの動向と今後の見通し
2014年10月
2期目を迎えたルセフ政権
市場からの信認の獲得と構造問題の解消への取り組みが重要
与党労働者党 (PT)は中間所得層の拡大に高い実績
【ブラジルの失業率と実質最低賃金の推移】
(レアル)

与党である労働者党は、2003年にルラ前大統領がブラ
最低月額賃金(左軸)
800
15
労働者党政権(2003年~)
ジル社会民主党 (現在はネベス氏率いる野党)より政権

(%)
失業率(右軸)
を奪取、2011年よりルセフ現大統領が引き継いだ格好
600
労働者党はルラ前大統領の時代から最低賃金の引き上
400
10
げや生活費補助の導入により所得格差の是正を進め中
縮しつつ長期にわたる経済成長を実現
01年10月
中期的には構造問題の解消が期待される

0
0
期間:2001年10月-2014年9月、出所:ブルームバーグ
最低賃金は

5
200
間所得層の拡大に大きく寄与したほか、対外債務を圧
04年10月
07年10月
10年10月
13年10月
【ブラジルのGDP成長率推移と寄与度分解(前年同期比)】
ブラジルは近年、低失業率と所得増などを背景に個人
5
消費は堅調ながら、インフラ投資の遅れや高水準の税
4
金・借入れコストを背景とした国際的な競争力不足に
3
よる輸出の停滞といった構造問題が成長の重石に
2
(%)
1
ルセフ大統領は再選後、2期目における「大きな変化」
13年
1-3月期
13年
4-6月期
13年
7-9月期
3.5
13年
14年
10-12月期 1-3月期
14年
4-6月期
2.5
2.2
1.8
1.8
0
の実現を強調。構造問題の解消には時間を要するため、
-1
市場から期待されているマンテガ財務相の交代に加え、
-2
財政緊縮など市場の信認を獲得する施策を取り入れつ
-3
-0.8
つ、同問題への中期的な取り組みが期待される
個人消費
輸出
実質GDP成長率
期間:2013年1月-2014年6月、出所:Haver
固定資本形成
その他要因
レアル安抑制策の継続が期待される中、短期的な調整は「インカム (金利) 収益の積み上げ」の好機に
レアル投資における最大の魅力は変わらず
【ブラジルレアルの金利込リターン(対日本円)】
(2007年12月末に投資開始の場合の累積収益)
短期的な調整はレアル投資の好機に
 当面は神経質な展開が予想されるものの、当局がレア
ル安抑制策を継続する環境においては、短期的な為替
水準の調整がインカム積み上げの好機に
(%)
60
為替変動が大きい環境下で活きる金利収入
40
 2007年末(1レアル=62.8円)に投資を開始した場合、
レアルの対円リターンは-28.6%と累積でマイナスに
20
 一方、同期間における金利込みリターンでは+27.3%と
金利収入の積み上げ効果により累積でプラスの収益に
0
為替のリターンがマイナスでも
相対的に高いインカムの積み上げ
が収益を底上げ
5.0
-4.5
5.0
5.9
37.7
29.7
27.1
-30.1
20.8
 為替の値動きが大きくなる局面でも相対的に大きいイ
ンカム収益を安定的に積み重ねることが最大の魅力に
56.0
金利込
総合収益
46.8
金利等
収益
8.0
-14.9
-20
27.3
17.8
-22.2
-38.1
-34.3
-32.7
-29.0
2011
2012
2013
-28.6 対円為替
リターン
-40
2008
期間:2007年12月末∼2014年9月末
出所:ブルームバーグ、JPモルガン
対円為替リターンはWMロイターの数値を、金利込リターンはJPモルガン
ELMI+サブインデックスの数値を用いて2007年12月末の投資開始で計算
過去の実績は将来の運用成果を保証または示唆するものではありません
2
2009
2010
2014*
お客様向け資料
PIMCO Spot Report
2014年10月以降のブラジルレアルの動向と今後の見通し
2014年10月
当資料は、一般的な情報提供を目的にピムコジャパンリミテッド(以下、「弊社」)が作成したものです。投資助言や特定の有価証券、戦略、もしくは
金融商品の売買の勧誘や推奨を目的とするものではありません。
記載された情報は充分信頼できるものであると考えておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。意見や見通しはあくまで作成日
における弊社の判断に基づくものであり、今後予告なしに変更されることがあります。運用状況、市場動向、コメント等は、過去の一時点あるいは過去
の一定期間についてのものであり、過去の実績は将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。また記載された投資戦略等は全ての投資家
の皆様に適合するとは限りません。当資料は法律、税務、会計面での助言の提供を意図するものではありません。
運用を行う資産の評価額は、組入有価証券等の価格、デリバティブ取引等の価値、金融市場の相場や金利等の変動、及び組入有価証券の発行体の財務状
況や信用力等の影響を受けて変動します。また、外貨建資産に投資する場合は為替変動による影響も受けます。したがって投資元本や一定の運用成果が
保証されているものではなく、損失をこうむることがあります。運用によって生じた損益は、全て投資家の皆様に帰属します。
弊社が行う金融商品取引業に関してお客様にご負担頂く手数料等には、弊社に対する報酬及び有価証券等の売買手数料や保管費用等の諸費用があります
が、それらの報酬及び諸費用の種類ごと及び合計の金額・上限額・計算方法は、投資戦略や運用の状況、期間、残高等により異なるため表示することが
できません。
PIMCOおよびYOUR GLOBAL INVESTMENT AUTHORITYは、それぞれ世界各国におけるアリアンツ・アセット・マネジメント・オブ・アメリカ・エル・ピ
ーおよびパシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー・エルエルシーの商標または登録商標です。
当資料及び記載されている情報に関する権利は弊社に帰属します。したがって、弊社の書面による同意なくしてその全部もしくは一部を複製またはその
他の方法で配布することはご遠慮ください。
‐資料の作成‐
ピムコジャパンリミテッド
金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第382号
加入協会/一般社団法人 日本投資顧問業協会、一般社団法人投資信託協会
PIMCOはパシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー・
エルエルシーを意味し、その関連会社を含むグループ総称として用いられ
過去の実績は将来の運用成果を保証または示唆するものではありません ることがあります。
3