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 Type
Thesis or Dissertation
Title
自動車保有・利用構造および燃費決定要因に関す
る研究
Author(s)
呉, 明暢
Citation
Date
2013
URL
http://oacis.lib.kaiyodai.ac.jp/dspace/handle
/123456789/1410
Rights
Tokyo University of Marine Science and Technology
[課程博士](博士論文審査及び最終試験の結果要旨)
氏
名:
論文題目:
呉 明暢
自動車保有・利用構造および燃費決定要因に関する研究
博士論文審査:
2 月 17 日に行われた公聴会では,学生から提出された論文および口頭発表内容について,審査委
員および外部からの参加者と学生の間で質疑応答がなされた.主要な論点は,用語の確認(自動車
利用の『非効率性』について),効率性指標のより実用性の高い解釈方法のアイデア,そして結論
部分(7 章)における実際の交通施策との関連性についてであった.
本論文自体は,二時点の道路交通センサス,アメリカの交通調査データ,そして燃料消費量調査
を用いて,乗用車の『保有』・『利用』・『燃費』の三大要素に関する構造モデルを構築したこと
に大きな意義がある.使用したデータはいずれも国土交通省が実施している公的な調査結果であり,
極めて高い中立性を有していると見なせる.特に,世帯属性と車保有属性との関係から,近年の少
子高齢化と軽自動車の隆盛の関連性にも一定の知見を得,さらに確率的フロンティアモデルを用い
て,地域間の乗用車利用の効率性判別も行い得た.第三には,多時点にわたる燃費の決定要因分析
を行い,車種や地域条件(気温)などが燃費に大きな影響を与えることも明らかにしている.これ
ら三要因(保有・利用・燃費)を有機的に組み合わせて,これまでの実態を明らかにし,さらに将
来の省エネルギー・低炭素社会実現に必要となる施策をも考察し得たことは,工学分野にとり大き
な貢献と見なしえる.
以上の内容から,学生から提出された論文は,十二分に博士の学位に値することを,審査委員一
同確認した.
最終試験の結果要旨:
最終試験は,2 月 17 日に行われた.審査委員一同出席の下,まず,学術論文は 2 編が第一著者と
して公表済み(①呉明暢・兵藤哲朗:世帯特性と地域特性が自動車保有及び利用に与えるマクロ分
析,交通工学研究発表会論文報告集,Vol.31,頁 381~387,2011.8,②Mingchang WU, Tetsuro HYODO :
“An international comparative analysis of vehicle ownership and usage between Japan and the United
States”, Journal of International city planning, pp.261-270, 2012.8)であるとともに,この②論文は台北
における国際学会の英語発表であることを確認した.さらに,連名論文の学術論文は他にも 2 編(③
Tetsuro HYODO, Daisuke WATANABE, Mingchang WU : “Estimation of Energy Consumption Equation
for Electric Vehicle and Its Implementation”, Proceedings of the 13th World Conference on Transport
Research 2013, ④兵藤哲朗・渡部大輔・呉明暢:電気自動車の電気消費量推計式を用いた道路走行
特性の把握可能性分析,交通工学,Vol.49,No.1,pp.61-70, 2014)あることも確認した.合同セミ
ナーの出席回数も 60 時間以上である.
国際学会における英語による発表経験があり,さらに英語の③共著論文では学生が中心になり,
英文を著述したことが主査から紹介され,語学については問題ないことが確認された.また,学生
に対して,審査員一同で,最終試験時に論文の内容について質疑応答を行い,その内容も十分であ
った.
以上から,学生について論文審査,最終試験とも合格と判定した.