TRM 自治体編検討WG 平成25年度 活動報告書

TRM 自治体編検討WG
平成25年度 活動報告書
平成26年10月
独立行政法人 情報処理推進機構
技術本部 国際標準推進センター
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1.経緯
独立行政法人情報処理推進機構(以下、IPAとする。)が取りまとめる「情報システム調達のための技
術参照モデル」(以下、TRMとする。)では、中央省庁向けに情報システム化推進のために活用する技
術情報とIT調達の必須知識を整理・提供している。
IPAではまた、予てより地方自治体等に向けたIT利活用に関するアンケート等を実施し、IT利活用の
レベル向上を推進してきたことから、平成24年度、地方自治体等の団体でもTRMの成果を利活用できる
ことを意図して、自治体SGを設置、TRM24自治体編を作成した。
平成25年度は体制を格上げしてTRM自治体編検討WGとして活動し、地方自治体等におけるIT導入を
より円滑化するため、平成24年度の成果を踏まえつつ、その効果を一層高めるために必要な方策を改め
て検討した。
議論の結果、地方自治体等が置かれた環境に即したIT調達に係る技術的知見を広く収集・整理して提
供することを合意し、試行に着手した。
以下に、平成25年度の活動成果を報告する。
2.平成25年度 TRM自治体編検討WGの活動目的
地方自治体等の団体で利活用する、IT調達に係る技術的知見を収集・提供するための試行。
3.TRM自治体編検討WGメンバ
委員:浅田(総務省)、大山(川口市) 、上澤(富士ゼロックス) 、木村(日本オラクル) 、窪田(外務省) 、
桑原(広島県庁) 、高橋(町田市) 、西村(外務省) 、平林(静岡大学) 、宮崎(情報システム監査) 、
三輪(プライド)(主査)、他1名
オブザーバ:中川(内閣府)、野嶽(インテック)、野村(ビジネス・ブレークスルー大)
IPA :田代、平野、今井、山中
4.活動の経緯
・第1回会合:7月31日(水)
議題:平成 25 年度の議論の方向性と進め方の共有
・第2回会合:8月23日(金)
議題:自治体における問題認識と発信方法について
・第3回会合:9月20日(金)
議題:自治体の規模別留意点について
・第4回会合:10月23日(水)
議題:自治体編のコンセプトと構成について
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・第5回会合:11月22日(金)
議題:自治体向けノウハウ集 事例検討
・第6回会合:12月20日(金)
議題:カテゴリ付け試行結果の確認、知見募集状況の共有
・第7回会合:1月24日(金)
議題:カテゴリ付けの方向性確認、H.25 年度版自治体編の確認
・第8回会合:3月14日(金)
議題:ノウハウ集(試行版)イメージ共有、H.26 年度課題の確認
5.知見(ノウハウ)集(試行版)の概要
・対象者(利用者):原課 IT 担当者(IT 経験数年以内)
・取り扱う知見
IT 調達に必要となる IT の知識、ならびに調達プロセスとその実施に関する知見。
課題に対する解の位置づけとなるが、環境や経緯により複数の解が想定される。
・作成方法
収集:試行年度である平成 25 年度は、
27 団体の協力を得て収集した
(平成 26 年 3 月 31 日現在)
。
・ノウハウの分類軸
1~7のライフサイクルプロセスを軸に、フォーカスポイントを紐付けるべく議論している。
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6.TRM 自治体編~知見(ノウハウ)集 のイメージ
収集した「事例」と「解決策」を、上記分類軸により整理することを検討している。
№
地域
1 関東
人口
規模
カテゴリ1
ライフサイクル
~150万人 保守・運用
カテゴリ2
フォーカス
移行支援
事例(成功・失敗・疑問・悩み等)
解決策
発生年月 収集年月
当市では、事業者が提供するパッケージソフトを基に情報システム(業務用アプリ
ケーション)を構築しているが、ハードウェア更改時、業務利用アプリケーションに機 アプリケーションを統合仮想環境に集約することにより、ハードウェアのライフサイク
2013年4月 2013年12月
能の追加・改修が発生しなくても、OS・ミドルウェアのバージョンアップ、データ移 ルによらず、システムのライフサイクル計画がアプリケーションのみで計画できる。
行、それに対応するテストが発生し、想定以上の費用が発生する。
~100万人 基本計画書作成 調達仕様書
そのような自治体の方のために平成26年度TRM自治体編では、さまざまな自治体
他自治体ではどのような調達行為(事務や手続き)をしているのか、情報交換をし
の調達事例を集め調達テクニックのリファレンスモデルを作成する予定なので活用
2013年10月 2013年12月
てみたい。
されたい。また、積極的に他の自治体に問い合わせ等を行うこともあわせてお勧め
する。
3 東北
~10万人 基本計画書作成 調達仕様書
プロポーザルでの調達で、RFPによる文書選考が終了し、選考に残ったベンダのプ RFPに進む前にRFIを時間をかけて行い、RFPの前に有効な機能や機器を把握して
レゼンに進む状態での事例。
おき、対応できるベンダーが複数あった場合には要件定義に追加した後、RFPに進
2013年12月 2013年12月
RFPに記載の無い機能や機器で軽微なものであったが、実は導入したいベンダ(本 む2段階の調達を行う。
命)が提案せず、あまり導入したくないベンダ(問題あり)が提案してきた。
4 中部
~50万人 保守・運用
マルチベンダーでは基本的に直接やりとりを行うのではなく、自治体を通してのやり
システム再構築が進みマルチベンダー化していく中で、ベンダー間同士でのやりと
とりとすることが重要。そのためには個々の要件を明確にし、直接やりとりを行わな
2012年6月 2013年12月
りを行うことで疑問・質問等の解決を行い構築等がより早く進む事例においても、ベ
くてもよくすればよい。たとえば、システム間連携はベンダー同士で調整するので
ンダーによってはベンダー間で直接のやりとりに難色を示す場合がある。
はなく、地域情報プラットフォームのような標準インターフェースを介すことで可能。
2 甲信越
アプリケーション保守
7.平成 26 年度の活動予定(方向性)
・平成 25 年度に収集・整理した知見(ノウハウ)集(試行版)を元に、正式版の初版を作成する。
-試行版作成に協力していただいた団体以外にも範囲を広げ、より多くの知見を収集する。
-TRM 本編との整合性を確保し、また、自治体の実態に即したノウハウ集とする。
・平成 25 年度に提供した自治体編も併せて参照できるよう、情報更新等の修正を行う。
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