第9回

2つのタイプの地震
代表的な地震動の速度波形
速度波形を拡大したもの
1995年兵庫県南部地震
2011年東北地方太平洋沖地震
盆地端部
SKB
KBU
六甲山側
JMA
MOT
1秒間に何回も揺れる小刻みな揺れ
K-NET築館(NS)
N
東日本大震災
K-NET築館(NS)
FKA
Fig.1 Map of the Kobe urbanized area for 3-D calculation and fault-normal sections
NTT
TKT
KBH
KB8
NGT
POI
0
1
2
大阪湾側
RKI
105cm/s
EKB
3km
揺れの時間は長いが、
振幅は比較的小さい
東日本大震災
JR鷹取(主軸方向)
津波領域
国土地理院HP(2011)より
神戸地震
151cm/s
耐震設計で標準的
に用いられる地震
波(告示波)
地震動の加速度:振幅1のsin波
t
)
Tp
y(t )  0 (t  0, t  nTP )
y(t )  sin( 2
47cm/s
時間(s)
固有周期T0による
応答の変化
固有周期 T0  0.5( s ),1( s ),2( s )
減衰定数 h  0.02
長周期地震動のイメージ
建物にとって
はとってもツ
ライ地震動
1秒間に1回程度の揺れ
151cm/s
時間(s)
キラーパルス
建物応答はT0/TPで規準化可能
T0  1.0( s ), TP  1.0( s )
減衰定数 h  0.02
T0  0.5( s )
T0 ( s )
TP  0.5( s )
nはsin波の数
105cm/s
JR鷹取(主軸方向)
揺れの時間は短いが、
振幅が大きい
神戸地震
TP  0.5( s )
パルス地震動のイメージ
T0  1.0( s )
横軸の時間が違うだけで同じもの
サイン波
サイン波
TP  1.0( s )
建物の減衰による
応答の変化
固有周期 T0  1( s )
減衰定数 h  0.01,0.02,0.05
TP (s )
T0  2.0( s ), TP  2.0( s )
n=∞
固有周期T0によ
る応答の変化
h  0.01
n=∞
T0  2.0( s )
n=1
n=∞
T0  2.0( s )
固有周期 T0  0.5( s ),1( s ),2( s )
減衰定数 h  0.02
サイン波
n=∞
サイン波1波
h  0.05
固有周期 T0  1( s )
減衰定数 h  0.01,0.02,0.05
T0  1.0( s )
h  0.02
TP  1( s )
サイン波1波の
建物の減衰によ
る応答の変化
TP  1.0( s )
n=1
h  0.02
サイン波1波
T0  0.5( s )
h  0.01
TP  1( s )
n=1
h  0.05
TP  T0 時の振幅 1(cm/s2)の sin 波地動入力時の建物応答(固有周期 T0、減衰定数 h)の絶対加速度応答は次式
Q1
で近似される。
2014 年 11 月 17 日
建築振動学 08
永野正行
1
(1  e h0t ) cos(0 t )
2h
2
ただし、  0 
である。上式を用いて、固有周期 T0=1(s)、減衰定数 h=0.05 のケースを仮定した時の、
T0
x  y  
t=2,4,6,8,10(s)時の振幅を小数点 2 桁まで示しなさい。
A
t=2(s)のとき-4.67cm/s2
t=4(s)のとき-7.15cm/s2
t=6(s)のとき-8.48cm/s2
t=8(s)のとき-9.19cm/s2
t=10(s)のとき-9.57cm/s2
裏面に続く
Q2
EXCEL による応答計算プログラム(http://www.rs.noda.tus.ac.jp/nagano-l/Lecture.html の「建築振動学 第 9 回」
「1 質点系の地震応答計
算表」からダウンロード)を用いて、振幅 1cm/s2 で周期 1 秒の sin 波が地震動として入力した時の、建物の最大応答値のうち、絶対加速度応答の絶
対値を表に書き込みなさい。小数点 2 ケタまで記入しなさい。またこれらの結果から、どのようなことが分かるかを記述しなさい。
A
sin 波の数 n=10
固有周期
sin 波の数 n=1
減衰定数 h
T0(s)
絶対加速度
固有周期
(cm/s2)
T0(s)
減衰定数 h
絶対加速度
(cm/s2)
0.5
0.02
1.69
0.5
0.02
1.69
0.7
0.02
3.04
0.7
0.02
2.81
1.0
0.02
17.89
1.0
0.02
2.95
1.5
0.02
1.79
1.5
0.02
1.95
2.0
0.02
0.84
2.0
0.02
1.25
sin 波の数 n=10
固有周期
T0(s)
絶対加速度
固有周期
(cm/s2)
T0(s)
減衰定数 h
絶対加速度
(cm/s2)
1.0
0.01
23.32
1.0
0.01
3.04
1.0
0.02
17.89
1.0
0.02
2.95
1.0
0.05
9.61
1.0
0.05
2.71
1.0
0.10
5.09
1.0
0.10
2.39
1.0
0.15
3.48
1.0
0.15
2.14
次回授業(12/1)前に提出すること
・固有周期を変化させたケースでは、固有周期
が地震動の周期と同じ 1s の場合、最大応答が
最も大きい。
・sin 波の数 n が大きく、固有周期が地震動の
周期と外れる場合、最大応答は急激に小さくな
る。
・sin 波の数 n が大きい場合,減衰定数が大き
くなるにつれ、最大応答は急激に小さくなる。
sin 波の数 n=1
減衰定数 h
これらの結果から分かること
・sin 波の数 n=1 の場合,減衰定数の変化によ
る最大応答の変化は,n=10 の場合に比べ急激
に小さくなる。