2014 年度前期専門演習 2014 年 6 月 5 日 R.W 第五章 過剰な

2014 年度前期専門演習
2014 年 6 月 5 日
R.W
第五章
過剰な身体
1. 発表の目的
現在のスポーツに現れている身体はすでにテクノロジーを組み込んだ過剰な力が作用し
ている。第五章「過剰な身体」では、ドーピング問題とスポーツ用具の変化に注目して議
論を進めていきたい。
2. 要約
情報によって、スポーツはかわった。情報とは、ゲームによって異なり、得点やタイム
の差異のことである。情報の場では、差異の追求が精密になる。これらを追い求めること
で、プレーの質、道具までもが変化していった。その結果、ゲームは力を相対的に変化さ
せ、競技者はわずかな差異を追い求め、そのディジタルなメディアに媒介された情報にの
まれていった。次第に記録の微差をめぐり、ドーピングによって、身体の改良をテクノロ
ジーに頼るようになった。記録が限界に近づき、勝利への強迫観念によってドーピング使
用へと促されている。身体にドーピングさせるほどの過剰な力は、現代の社会を貫いてお
り、「すでに身体は明瞭な輪郭を失っているのである(149 頁)。
」
3. 問題の提起
なぜドーピングは認められないのにスポーツ用具の変化は認められるのか。
4. 議論
身体のドーピングは禁止されている。薬を使っているかは厳しく検査され、見つかれば
罰せられる。ドーピングによりメダルが剥奪されたケースは珍しくない。一方で、スポー
ツ用具の変化は積極的に進められており(水泳選手の水着、野球のグローブやバット、テ
ニスのラケットなど)特に問題になることはないがいきすぎた道具の開発(スピード水着
など)もみられる。ドーピングは平等であるべきスポーツの精神に反すること、選手の健
康を害することなどの理由で禁止されている。スポーツを倫理学的視点にたって考えてみ
ると、スポーツはフェアプレイを前提とし、
「スポーツの価値を損なうこと」や「公平性を
害すること」などの理由が当てはまることからドーピングは認められず、当てはまらない
スポーツ用具の変化は技術の進化とともに認められるのではないか。
5. まとめ
ドーピングは選手の健康を害することやスポーツの倫理の面からいっても当然認められる
べきではない。人々の健康や幸せな生活を脅かす行為や行動は必ず規制されなければなら
ない。また、進化し続けるスポーツ用具にも注意していく必要がある。
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2014 年 度
前期
2014 年 6 月 5 日
専門演習
W.M
スポーツを考える
第五章
過剰な身体
1. 発 表 の 目 的
メ デ ィ ア や 政 治 な ど 、ス ポ ー ツ は 社 会 の 様 々 な も の に 影 響 を 受 け そ の 様 相 を 変 え て き た 。
しかし反対に、スポーツが社会や我々の人間性に影響を与えることもある。イギリスで登
場したフーリガンに焦点をあててこのことを証明する。
2. 要 約
スポーツにはどこか身体的暴力が潜んでいる。ボクシングやラグビーなど、血まみれに
なったり巨漢同士の凄まじい激突があるスポーツである。しかしスポーツとは、この暴力
が限度を超えないようにルールでコントロールしているゲームなのである。つまりスポー
ツは完全に人工的に構成されたゲームなのである。しかし、ルールで制御されているはず
のスポーツの領域のどこかから、暴力が噴出しても不思議でない状態が生じてないだろう
か。近年問題になるのは、サッカーのサポーター(フーリガン)の暴力沙汰である。今日
のスポーツのさまざまな様相を社会が生み出しているものに見えるが、ほんとうは反対に
社会の方がスポーツに可視化され、人間性の顕在化せしめる形式の一つになっているので
ある。
3. 問 題 提 示
スポーツは本当に社会あるいは人間性を顕在化しているのか
→「フーリガンの自己主張の場がなぜサッカーなのか」から考える
4. 議 論
19 世 紀 か ら「 フ ー リ ガ ン 」と い う 言 葉 と そ の 存 在 は 、イ ギ リ ス 全 土 で 知 ら れ 渡 る こ と に
なった。彼らがサッカーを自己主張の場として選択する理由は、サッカーが生活の中心に
あるからではないどろうか。
「日頃の仕事などのストレスをサッカー観戦で発散する→負け
る→さらにストレスが溜まる→暴力にはしる」このサイクルがイギリスでは出来上がって
いるように思われる。
5. ま と め
サッカー中心に生活をしているフーリガンから、筆者が章の中で述べた「社会の方がス
ポーツに可視化され、人間性の顕在化せしめる形式の一つになっている」という部分は正
当化できることがわかった。
6. 参 考 文 献
・「フ ー リ ガ ンと 呼 ば れ た少 年た ち」
井野瀨久美恵
1999 年 3 月 18 日
中央公論新社
・各 国サッ カーリー グ総動員 客数の推 移
http://ultra.zone/football_league_visitor#europa=on&america=on&asia=on
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