f ( (f|A) ) D 写像 f : Rn+1 − {0} −→ Sn を f(x) = x ∥x∥ (x ∈ Rn+1 − {0

§14. 連結性と連続性
この節では、まず始めに、連結性が連続写像によって保たれることを示し、その様々な応用
を述べる。微積分学において学んだ中間値の定理を、位相空間論の立場でとらえ直し、導出す
る。次に、連結成分という概念を導入する。連結でない位相空間は共有点を持たないいくつか
の連結部分空間の和集合で表わされる。その1つ1つの連結部分空間のことをその位相空間の
連結成分という。連結成分の個数は位相不変量であることを用いて、2つの位相空間が同相で
ないことを判定できる場合があることを説明する。
● 14 - 1 : 連結性と連続性
ここでは、連結性が連続写像によって保たれることを示す。この定理は、後述の中間値の定
理もそうであるが、平たく言えば、「つながっているものを連続写像で写してもつながってい
る」ということを主張している。
定理 14 - 1
X, Y を位相空間とし、f : X −→ Y を連続写像とする。A が連結ならば、Y の部分空間
f (A) も連結である。
(証明)
U を f (A) における空でない開かつ閉集合とする。f |A は連続であるから、(f |A )−1 (U ) は
A における空でない開かつ閉集合となる。A は連結なので、(f |A )−1 (U ) = A である。よって、
(
)
f (f |A )−1 (U ) = f (A) を得る。ここで、U ⊂ f (A) なので、f ((f |A )−1 (U )) = U を得る。した
がって、U = f (A) であり、f (A) は連結であることが示された。
□
例 14 - 2 n ≥ 1 に対して、Sn は連結である。
(証明)
写像 f : Rn+1 − {0} −→ Sn を
f (x) =
x
∥x∥
(x ∈ Rn+1 − {0})
によって定義する。f は連続な全射である。n + 1 ≥ 2 なので、例 13 - 10 より、Rn+1 − {0} は
連結であるから、連結空間の連続写像による像として、Sn は連結である。
□
定理 14 - 1 より、直ちに次を得る。
系 14 - 3
連結性は位相不変な性質である、すなわち、位相空間 X, Y が同相ならば、
X が連結 ⇐⇒ Y が連結
例 14 - 4 区間 [0, 1] と単位円周 S1 は同相でない。
(証明)
同相写像 h : [0, 1] −→ S1 が存在したと仮定すると、h|[0,1]−{ 1 } : [0, 1] − { 21 } −→ S1 − {h( 21 )}
2
は同相写像となる。ここで、[0, 1] − { 12 } は連結でない。したがって、S1 − {h( 21 )} も連結でな
い。ところが、任意の p ∈ S1 に対して、S1 − {p} は連結である (証明は演習問題とする)。連
結な空間と連結でない空間は同相になり得ないので、同相写像 h : [0, 1] −→ S1 は存在しない
□
ことがわかる。
– 53 –
定理 14 - 5 (中間値の定理)
f : X −→ R を位相空間 X から 1 次元ユークリッド空間 R への連続写像とする。X が連
結のとき、次が成り立つ:
x1 , x2 ∈ X, f (x1 ) < f (x2 )
=⇒ [f (x1 ), f (x2 )] ⊂ f (X).
注意:この定理は、実数 a, b (a < b) がある x1 , x2 ∈ X について a = f (x1 ), b = f (x2 ) となっ
ていれば、a と b の中間の値 c に対しても c = (x) となる x ∈ X が存在する、ということを
主張している。「中間値」という名称はこのことに由来している。
(定理 14 - 5 の証明)
X は連結なので、定理 14 -1 より、f (X) は連結である。x1 , x2 ∈ X が f (x1 ) < f (x2 ) を満た
しているとする。すると、f (X) は 2 点以上を含む R の連結な部分集合である。命題 13 - 6 より、
f (X) は区間である。f (x1 ), f (x2 ) ∈ f (X) であるから、区間の定義より、[f (x1 ), f (x2 )] ⊂ f (X)
□
となる。
● 14 - 2 : 定理 13 - 8 の証明
第 13 節で、連結性が直積をとる操作のもとで保たれるという次の定理を述べた。
定理 13 - 8
空でない位相空間 X, Y に対して、
X, Y が共に連結 ⇐⇒ X × Y が連結
上の定理の証明はまだであったので、定理 14- 1 を使って、その証明を与えよう。
(定理 13 - 8 の証明)
⇐= の証明:πX : X × Y −→ X, πY : X × Y −→ Y を直積 X × Y に付随する標準射影とす
る。πX , πY は連続な全射であるから、定理 14 - 1 により、X = πX (X × Y ), Y = πY (X × Y )
は連結である。
=⇒ の証明:x0 ∈ X を固定すると、
X × Y = ({x0 } × Y ) ∪
∪
(X × {y})
y∈Y
と表わされる。X は連結で、X × {y} ∼
= X なので、X × {y} は連結であり、Y は連結で、
{x0 } × Y ∼
= Y なので、{x0 } × Y は連結である。任意の y ∈ Y に対して、(x0 , y) ∈ ({x0 } ×
Y ) ∩ (X × {y}) であるから、({x0 } × Y ) ∩ (X × {y}) ̸= ∅ である。よって、定理 13 - 5 より、
∪
X × Y = ({x0 } × Y ) ∪
(X × {y}) は連結である。
□
y∈Y
● 14 - 3 : 連結成分
連結でない位相空間は共有点を持たないいくつかの連結部分空間に分けられる。その1つ1
つの連結部分空間のことをその位相空間の連結成分という。厳密には次のように定義される。
– 54 –
定義 14 - 6
X を位相空間とする。X の部分集合 C が2条件
(i) C は連結である。
(ii) D が C ⊂ D を満たす X の連結な部分集合ならば D = C.
を満たすとき、C を X の連結成分と呼ぶ。
注意:X の連結成分とは、X 上の次のような同値関係 ∼ による同値類のことに他ならない (証
明は演習問題とする):
x ∼ y ⇐⇒ ∃ A ⊂ X :連結 s.t. x, y ∈ A .
定理 14 - 7
X, Y を同相な位相空間とする。このとき、X の連結成分の全体と Y の連結成分の全体の
間に全単射が存在する。したがって、連結成分の個数は位相不変量である。
(証明)
X, Y の連結成分の全体をそれぞれ C(X), C(Y ) で表わすことにする。
h : X −→ Y を同相写像とする。このとき、C が X の連結成分ならば h(C) は Y の連結成
分である。
∵)
h は連続で C は連結であるから、定理 14- 1 により、h(C) は Y の連結な部分集合で
ある。D を h(C) ⊂ D を満たす Y の連結な部分集合とすると、h−1 は連続であるから、
h−1 (D) は連続であり、また、C = h−1 (h(C)) ⊂ h−1 (D) となる。C は連結成分であるか
ら、h−1 (D) = C となる。よって、D = h(h−1 (D)) = h(C) を得る。したがって、h(C)
□
は Y の連結成分である。
そこで、h♯ : C(X) −→ C(Y ) を X の各連結成分 C に対して h(C) を対応させる写像とす
る。h の代わりに h−1 を用いることで写像 (h−1 )♯ : C(Y ) −→ C(X) が定義される。このとき、
(h−1 )♯ ◦ h♯ = idC(X) , h♯ ◦ (h−1 )♯ = idC(Y ) となることが確かめられる。よって、h♯ は全単射で
□
ある。
位相空間 X における連結成分の個数のことを X の連結成分数と呼ぶ。
例 14 - 8 2 次元ユークリッド空間 R2 における部分集合
Y = { (x, y) | − 1 ≤ x ≤ 1, y = 0 } ∪ { (x, y) | x = 0, 0 ≤ y ≤ 1 }
は [0, 1] と同相ではない。
解;
同相写像 h : Y −→ [0, 1] が存在したと仮定する。このとき、Y − {(0, 0)} ∼
= [0, 1] − {h(0, 0)}
となる。ここで、Y − {(0, 0)} の連結成分数は 3 である。一方、[0, 1] − {h(0, 0)} の連結成分数は
1 または 2 である。同相な位相空間の連結成分数は等しくなければならないから、Y − {(0, 0)}
と [0, 1] − {h(0, 0)} は同相になり得ない。したがって、同相写像 h : Y −→ [0, 1] は存在しな
□
い。
– 55 –
定理 14 - 9
X を位相空間とし、A をその部分集合とする。A が連結ならば、A ⊂ B ⊂ A を満たす任意
の部分集合 B も連結である。したがって、X の連結成分は X の閉集合である。
(証明)
B が連結でないならば、A も連結でないことを示す。B が連結でないならば、
B = U ∪ V,
U ∩ V = ∅,
U ̸= ∅,
V ̸= ∅
を満たす B の開集合 U, V が存在する。U ′ := U ∩ A, V ′ := V ∩ A とおくと、これらは A の
開集合であり、
A = U ′ ∪ V ′,
U′ ∩ V ′ = ∅
を満たす。U ′ ̸= ∅ かつ V ′ ̸= ∅ であることを示せば、証明が終わる。
U ′ ̸= ∅ を示す。U ̸= ∅ より、U には元が存在するので、その1つを b とおく。U は B の
˜ を用いて U = U
˜ ∩ B と表わされる。b ∈ U ⊂ U
˜ であ
開集合であるから、X のある開集合 U
˜ ∩ A ̸= ∅ となる。U
˜ ∩ A = U ′ であるから、
る。b ∈ B ⊂ A であるから、閉包の定義より、U
U ′ ̸= ∅ が示された。同様にして、V ′ ̸= ∅ が示される。
次に、X の連結成分は閉集合であることを示す。C を X の連結成分とする。C は連結であ
るから、定理の前半部分より、C は連結である。連結性分の定義より、C ⊂ D を満たす X の
任意の連結な部分集合 D について D = C となるから、C = C を得る。故に、C は X の閉
□
集合である。
例 14 - 10 2 次元ユークリッド空間 R2 において
X = { (x, y) | 0 ≤ x < 1, 0 ≤ y < 1 } ∪ {(1, 1)}
は連結である。
解;
(0, 1) × (0, 1) ⊂ X ⊂ [0, 1] × [0, 1] = [0, 1] × [0, 1] である。(0, 1) × (0, 1) は連結であるから、
□
定理 14- 9 より、X は連結である。
– 56 –
No.14
集合と位相 3 演習問題
連結性と連続性
2014 年 12 月 25 日
中間値の定理、連結成分
14-1∗ . X を連結な位相空間、f : X −→ R を連続関数であるとする。 但し、R は 1 次元ユー
クリッド空間と考える。f (X) ⊂ Z ならば、f は定値関数であることを示せ。
14-2. 任意の p ∈ S1 に対して、S1 − {p} は連結であることを示せ。
集合と位相3 [第 14 回]・関連図作成シート
学籍番号
2014 年 12 月 25 日
氏 名
集合と位相3通信
[No.14]
2014 年 12 月 25 日発行
■ 演習 12-1(2) について
演習 12-1(2) の正解者はいませんでした。(2) の解答ですべきことは、実質的には、(1) によっ
て存在が保証される写像 f¯ : Mb −→ R3 が単射になっていることを示すだけです。なぜなら、す
でに (1) において f¯ は連続であることがわかっており、Mb はコンパクト空間 X = [0, 1] × [0, 1]
の連続写像による像としてコンパクトであり、R3 はハウスドルフ空間だからです。
(1) より f¯ は単射であると勘違いした人が多かったのですが、単射を示すには、「矛盾なく
定義されていることの逆が成立する」ことを確かめる必要があるので、別途計算しなければな
りません。f¯ が単射であることを示すには、y, y ′ ∈ Mb が f¯(y) = f¯(y ′ ) を満たすと仮定して、
y = y ′ を導きます。等化空間 Mb の定義から、y, y ′ は y = [s, t], y ′ = [s′ , t′ ] (0 ≤ s, t, s′ , t′ ≤ 1)
と書くことができます。このとき、f¯(y), f¯(y ′ ) はそれぞれ
)
((
(
)
(
(
)
(
1)
1
1)
cos πs cos 2πs, 2 + t − ) cos πs sin 2πs, t −
sin πs ,
f¯(y) = 2 + t −
2
2
2
((
)
(
)
)
(
(
)
(
1
1
1)
f¯(y ′ ) = 2 + t′ −
cos πs′ cos 2πs′ , 2 + t′ − ) cos πs′ sin 2πs′ , t′ −
sin πs′
2
2
2
と表わされるので、
(
(
)
)
(
( ′ 1)
)
1
′ cos 2πs′

2
+
t
−
cos
πs
cos
2πs
=
2
+
t
−
cos
πs
············⃝
1

2
2
(
(
)
(
(
)
1
1
′
′
′
2 + t − 2 ) cos πs sin 2πs = 2 + t − 2 ) cos πs sin 2πs
············⃝
2

(
)
(
)

 t − 1 sin πs = t′ − 1 sin πs′
············⃝
3
2
を仮定して、[s, t] =
2
[s′ , t′ ],
すなわち、(s, t) ∼ (s′ , t′ ) となることを示すことになります。
これを示すことは極めて単純な「作業」です。まず、⃝
1 と⃝
2 の両辺を 2 乗して足します。す
ると、
(
)2 (
)2
(
(
1)
1)
2+ t−
cos πs = 2 + t′ −
cos πs′
2
2
という等式が得られます。ここで、0 ≤ t, t′ ≤ 1 であることと余弦関数 cos の値域が [−1, 1] で
(
)
(
)
あることを考慮すると、2 + t − 21 cos πs = 2 + t′ − 12 cos πs′ , すなわち、
(
(
1)
1)
t−
cos πs = t′ −
cos πs′ · · · · · · · · · · · · ⃝
4
2
2
が得られます。あとは、⃝
3 と⃝
4 から t − 12 = ±(t′ − 12 ) が得られるので、場合分けの議論で
「s = s′ , t = t′ 」または「s = 0, s′ = 1, t = 1 − t′ 」または「s = 1, s′ = 0, t = 1 − t′ 」のいず
れかが生じることがわかります。
集合と位相3 第 14 回・学習内容チェックシート
2014 年 12 月 25 日
氏 名
学籍番号
の下で保たれる。つまり、f : X −→ Y が連続写像で、X が連結で
Q1. 連結性は
あるとき、像 f (X) は (Y の部分空間として) 連結になる。この事実を平たく言えば、
「
」
ということである。
上の事実を用いて、中間値の定理や連結性が直積をとる操作の下で保たれること、n ≥ 1 の
とき n 次元球面 Sn が連結であることなどが示される。
Q2. 位相空間論における中間値の定理とは、次の定理のことをいう。
[中間値の定理] f : X −→ R を位相空間 X から 1 次元ユークリッド空間 R への連続写
像とする。X が
(♯)
のとき、次が成り立つ:
x1 , x2 ∈ X, f (x1 ) < f (x2 )
⊂
=⇒
.
微積分学で登場する中間値の定理は X が閉区間の場合である。したがって、上の定理はそ
の一般化になっている。
(♯) は、実数 a, b (a < b) がある x1 , x2 ∈ X について a = f (x1 ), b = f (x2 ) となっていれば、
a と b の 中間の値 c に対しても
、ということを主張しており、
これが「中間値の定理」と呼ばれる所以である。
Q3. 連結でない位相空間は共有点を持たないいくつかの連結部分空間に分けられる。その1つ
1つの連結部分空間がその位相空間の連結成分である。連結成分は、厳密には、次のように定
義される。位相空間 X の連結成分とは、次の 2 条件を満たす X の部分集合 C のことをいう。
(i)
(ii)
連結成分は常に X の閉集合である。なぜなら、X の部分集合 A が連結ならば、
を満たす任意の部分集合 B も連結になるからである。
Q4. X, Y を同相な位相空間とすると、X の連結成分の全体と Y の連結成分の全体の間に
が存在する。したがって、同相な位相空間同士の連結成分数は
の事実を「連結成分数は
。こ
である」と表現する。
上記の結果を用いて、2 つの位相空間が同相でないこ
とが判定できる場合がある。2 次元ユークリッド空間 R2
において、右図で表わされる部分空間 X と Y を考え
a
る。a を図に示された X の点とする。X と Y の間に同
相写像 f : X −→ Y が存在したと仮定すると、X − {a}
は
と同相である。連結成分数は
であるから、この2つの位
相空間の連結成分数は等しくなければならない。しかし、X − {a} の連結成分数は
ある一方、Y から 1 点を除いて得られる空間の連結成分数は
,
,
れかにしかならない。ここに矛盾が生じるため、X と Y は同相でないことがわかる。
で
のいず
集合と位相3・第 14 回の学習内容のテーマとまとめ
学籍番号
2014 年 12 月 25 日
氏 名
[テーマ]
[学習内容のまとめ] 今回の学習内容を下の破線より下に文章で書いてください。但し、∀, ∃, ⇒
などの論理記号や「(記号):(その説明)」のような略式的表現法を避けてください。さらに、次
のことに触れてください。
• 連結性の連続写像による保存。そのことが意味する内容と適用例。
• 上記の結果と中間値の定理。
• 連結成分とは?連結成分を使って同相に関して分かること。
[感想](わかりにくかったことや考えたことなどがあれば書いてください)
集合と位相3 [第 14 回]・関連図作成シートに含めるべき項目
X, Y を位相空間、f : X −→ Y を連続写像とする。このとき、
n ≥ 1 に対して、S は連結である。
A ⊂ X :連結 =⇒ f (A):連結。
n
位相空間 X, Y が同相ならば、
X が連結 ⇐⇒
Y が連結
区間 [0, 1] と単位円周 S は同相でない。
⃝
∵
同相写像 h : [0, 1] −→ S1 が存在したと仮定すると、
{1}
{ ( )}
∼ S1 − h 1 .
[0, 1] −
=
2
2
ここで、[0, 1] − { 12 } は連結でないが、任意の p ∈ S1 に対して、S1 − {p} は連結。
連結性は位相不変な性質だから、これは矛盾。
1
f : X −→ R を連続写像とする。
X が連結のとき、
x1 , x2 ∈ X, f (x1 ) < f (x2 )
=⇒ [f (x1 ), f (x2 )] ⊂ f (X).
空でない位相空間 X, Y に対して、
X, Y が共に連結 ⇐⇒
X × Y が連結
X を位相空間とする。
C ⊂ X が X の連結成分 ⇐⇒ C は次の2条件を満たす:
(i) C は連結。
(ii) D:連結、C ⊂ D =⇒
D = C.
X, Y を同相な位相空間
=⇒ ∃ { X の連結成分の全体 } −→ { Y の連結成分の全体 }:全単射
したがって、連結成分の個数は位相不変量である。
位相空間 X における連結成分の個数のことを X の連結成分数と呼ぶ。
X を位相空間とする。
A ⊂ X :連結、A ⊂ B ⊂ A =⇒ B :連結。
2 次元ユークリッド空間 R2 において
X = { (x, y) | 0 ≤ x < 1, 0 ≤ y < 1 } ∪ {(1, 1)}
は連結。
位相空間 X の連結成分は X の閉集合である。
集合と位相3・小テスト [第 14 回]
2014 年 12 月 25 日
学籍番号
氏 名
[文章化問題] X を位相空間とします。次の論理式 (∗) で書かれた命題を、∀, ∃, ⇒, ∅, ∪, ∩
などを使わずに、文章で書きなさい。
(∗)
∃ U, V :open in X s.t. X = U ∪ V, U ∩ V = ∅, U ̸= ∅, V ̸= ∅.
[写像の定義に関する問題] {1, 2} から {1, 2, 3} への単射な写像を、写像の表現形式に倣って、
すべて挙げなさい。
[学習内容の確認問題] 以下の下線部分をうめなさい (∀, ∃, ⇒ などの論理記号や「(記号):(そ
の説明)」のような略式的表現法を避けてください)。
ために、位
相空間に対して連結の概念が導入される。厳密には、位相空間 X が連結であるとは、
と き を い う。
この定義は
を否定する視点で捉えたものになっている。X の
部分集合が連結であるとは、それが
ときをいう。連結な空間の
典型例として、1 次元ユークリッド空間 R およびその中の
が挙げられる。他方、
連結でない空間の例として、R − {0} が挙げられる。それが連結でないのは、R − {0} を分割
する開集合として U =
連結性は
, V =
がとれるからである。
する、すなわち、2 つの位相空間 X, Y が連結ならば、
も連結である。このことと、
が連結であるこ
と よ り、n 次 元 ユ ー ク リッド 空 間 Rn も 連 結 で あ る こ と が わ か る 。さ ら に 、n
な ら ば 、Rn − {0} も連 結 で あ る 。これ は、連 結性 が
≥
2
するこ とと 、
という
結果を繰り返し用いて示される。