埼玉工業大学学習支援センター 平成26年度入学前教育(物理)第3回課題 Ⅶ 電場と電流 1 電場 1 静電気 摩擦した物体が別のものを引きつけることがある。これは物体に電気が生じたた めであり、これを特に摩擦電気という。一般に、物体に生じた電気を静電気といい、 物体が電気を帯びる現象を帯電という。帯電した物体がもつ電気を電荷といい、電 気の正負によって正電荷・負電荷に分けられる。電荷の間には静電気力がはたらき、 せきりょく 電荷の正・負によって斥 力 か引力かに分かれる。 せきりょく 同種(同符号)の電荷は互いに斥 力 (反発力)を及ぼしあい、異種(異符号)の 電荷は互いに引力を及ぼしあう。 大きさが無視できる小さな点状の電荷を点電荷という。また、電荷の量を電気量 という。電気量の単位にはクーロン(記号C)を用いる。1C とは、1 アンペア (記号 A)の電流が 1 秒間に運ぶ電気量である。 2 クーロンの法則 フランスの物理学者クーロンは、1785 年に、電荷の間にはたらく静電気力の大き さを測定して、静電気に関するクーロンの法則を発見した。 クーロンの法則 2 つの点電荷が及ぼしあう力は、点電荷を結ぶ直線に沿ってはたらき、その 大きさ F[N]はそれぞれの点電荷の電気量 𝑞1 [C]、𝑞2 [C]の積に比例し、 点電荷の距離 r[m]の 2 乗に反比例する。 F=k 𝒒𝟏 𝒒𝟐 𝒓𝟐 𝑞1 、𝑞2 :同符号のとき F > 0(斥力) 𝑞1 、𝑞2 :異符号のとき F < 0(引力) (k は比例定数で、真空中の値はおよそ k0 =9.0×109 N・m2/C2 である。 空気中での k の値は、ほぼ k0 に等しい。) 練習問題 29 4.5×10-9 C と -2.0×10-8 C の 2 つの電荷が 0.30 m 離して置かれている。 電荷どうしが及ぼしあう電気力の大きさは ただし、空気中で 9 2 k=9.0×10 N・m /C 1 Nであり、その力は とする。 2 にあてはまるもっとも適切なものを解答群から選べ。 <解答群> ① 2.0×10-6 ② 4.5×10-6 ③ 7.5×10-6 ⑤ 9.8×10-6 ⑥ 斥力 ⑦ 引力 - 34 - ④ 9.0×10-6 2 である。 3 電気量保存の法則 e = 1.60×10-19 C であり、この量を電気素 電子と陽子の電気量の大きさ e は 量とよんでいる。帯電体のもつ電気は、電子や陽子がもつ負や正の電荷にもとづい ている。したがって、帯電体の電気量は e の整数倍になる。摩擦電気の現象では、 摩擦によって一部の電子が一方の物体から他方の物体へ移り、その結果、2 つの物体 は帯電する。摩擦電気は摩擦による電子の移動であり、負に帯電した物体の電気量 と正に帯電した物体の電気量は同じで、正負の符号を含めた電気量の総和は変化し ない。一般に、電気現象は電荷の移動によっておこるので、ある場所で電荷が増え ると、他の場所では必ず同じ量だけ電荷が減る。したがって、 「どのような現象にお いても、電気量の総和は常に一定である。」これを電気量保存の法則という。 4 電場 静電気力が働くときに、その空間に静電気力を及ぼす性質があると考え、その空 間に電場(電界)があるという。 電場は、1 C の電荷にはたらく力の向きを電場の向き、その力の大きさを電場の強 さと定めている。1 C の電荷にはたらく力の大きさが 1 N であるときを電場の強さの 基準にとり、電場の強さ を 1 N/C (ニュートン毎クーロン)とする。電場は大きさと向きを持つ ベクトルである。 電場が⃗⃗⃗⃗ 𝐸 [N/C]の点に置いた q[C]の電荷が受ける力⃗⃗⃗⃗ 𝐹 [N]は、 ⃗⃗⃗⃗ 𝐹 q⃗⃗⃗⃗ 𝐸 = の式で表される。 負の電荷が電場から受ける力の向きは、電場の向きと反対である。 練習問題 30 2.0 C の電荷が 12 N の力を受ける電場は を置くと、この電荷の受ける力は 4 3 である。この電場に、-0.5 C の電荷 である。 にあてはまるもっとも適切なものを解答群から選べ。 <解答群> ②力と逆向きに 4.0 N/C ③力の向きに 6.0 N/C ④力と逆向きに 6.0 N/C ⑤電場の向きに 2.0 N ⑥電場と逆向きに 2.0 N ⑦電場の向きに 3.0 N ⑧電場と逆向きに 3.0 N ⑨電場と逆向きに 6.0 N 5 ①力の向きに 4.0 N/C 点電荷のまわりの電場 電荷のまわりの空間には電場が生じ +1C P ている。点 A に Q[C]の正電荷がある E とき、A から r[m]離れた点 P に置い +Q た+1[C]の電荷が受ける力の大きさは クーロンの法則から k 1×𝑄 𝑟2 + A である。 したがって、点 P での電場の強さは E= - 35 - r k 𝑸 𝒓𝟐 であり、電場の向きは A から P に向かう向きである。 6 電場の重ね合わせ いくつかの電荷𝑄1 [C]、𝑄2 [C]、𝑄3 [C]、… があるとき、それらの電荷に よってできるある点の電場は、それぞれの電荷がその点に単独でつくる電場 ⃗⃗⃗⃗⃗ 𝐸1 [N/C]、⃗⃗⃗⃗⃗ 𝐸2 [N/C]、⃗⃗⃗⃗⃗ 𝐸3 [N/C]、… をベクトルとして合成したものである。 その点の電場を ⃗⃗⃗⃗ 𝐸 [N/C]とすると、 ⃗⃗⃗⃗ 𝐸 = ⃗⃗⃗⃗⃗ 𝐸1 + ⃗⃗⃗⃗⃗ 𝐸2 + ⃗⃗⃗⃗⃗ 𝐸3 + … となる。 これを電場の重ね合わせという。 7 電気力線 電場の中で+q[C]の電荷をおき、電場から受ける力の向きに電荷を動かしてい くと1本の線が描ける。この線に+q[C]の電荷が動いた向きに矢印をつけたもの を電気力線という。 電気力線の上の各点での接線は、その点での電場の方向を表し、電気力線の特徴 として、枝分かれしたり交わったりしない。電場の強さが E[N/C]のところでは、 電場の方向と垂直な断面を通る電気力線を、1 m2 あたり E 本の割合で引くものと すると、電気力線で電場の強さを表すことができる。電気力線が密なほど電場が強 いということになる。 8 帯電体から出る電気力線の数 Q[C]の電荷から出る電気力線の総数を求める。 電荷を中心とする半径 r[m]の 球面上では、電場の方向は球面に 電場E 垂直で、電場の強さは E= k 𝑸 𝒓𝟐 電気力線 [N/C] E本 である。球面を貫く電気力線の数 は 1 m2 あたり E 本で、球面の面積 +Q + は 4πr2 [m2]であるから、球面を貫 r 1m2 く電気力線の総数を N 本とすると、 N = E × 4πr2 = 4πkQ 一般に、 「電気量 Q[C]の電荷から出る電気力線の総数は一定で、4πk Q 本である。 」 - 36 - 2 電位 1 電気力による位置エネルギー 右図のように 重力による 基準水辺面から 電気力による 位置エネルギー 位置エネルギー h[m]の高さに U=𝑚𝑔ℎ ある質量 m [Kg] ++++++++ 𝑚 の物体の持って +q U=qEd いる重力による 位置エネルギー 重力 電気力 𝑚𝑔 U[J]は、物体 電場 E h が基準水平面に =qV qE d 移動するときに 重力がする仕事 𝑚𝑔ℎ[J]に等し U=0 U=0 い。 - - - - - - - - 基準水平面 基準 一様な電場 E [N/C]中で、基準から d[m]の位置にある電荷+q[C]が基準まで移動するとき に、電気力 qE[N]がする仕事は qEd[J]である。したがって、基準から d[m]の 位置にある電荷+q[C]は、U=qEd[J]の電気力による位置エネルギーを持つこと がわかる。 2 電位 +1 C あたりの電気力による位置エネルギーを電位という。+q[C]の電荷が基準 点まで移動するとき、電気力による位置エネルギーを U[J]とすると、電荷の初め の位置の電位 V[V]は、 V= 𝑈 𝑞 すなわち となる。 U=qV 電位の単位は、 [J/C] (ジュール毎クーロン)であるが、この単位を[V] (ボルト) と表現する。 3 電位差 2 点間の電位の差を電位差、または電圧という。電荷+q[C]が電位 VA[V]の 位置 A から、電位 VB[V]の位置 B まで移動するとき、電気力が行う仕事は、電気 力による位置エネルギーの差 q(VA-VB)である。すなわち W=q(VA-VB)=qV ここで、V=VA-VB 4 となる。 は位置 A と位置 B の電位差を表す。 一様な電場と電位 電場の強さと向きが空間のどこでも一定である電場を、一様な電場という。2枚 - 37 - の平行な広い金属板に同じ量の正・負の電 負 荷を帯電させると、向かい合う金属板の間 | | | | | | | | | | に生じる電場は、ほぼ一様である。 一様な電場 E[N/C]の中で+q[C]の電 荷は、qE[N]の電気力を受ける。正に帯 電した金属板の位置から、負に帯電した金 正 電位差 V + + + + + + + + + 電場 E 電気力 qE + q d 属板の位置まで、+q[C]の電荷が d[m] 移動するとき、電気力のする仕事は W=qEd[J]である。したがって、正・負 両金属板間の電位差を V[V]とすると、 𝑉 V=Ed または E= 電 場 E の 強 さ 一定 となる。 𝑑 0 負の金属板からの距離 d 電場 E の単位は[N/C]であるが、上式か ら[V/m]とも書ける。 傾き <参考> [ J/C ] [N・m/C] = =[N/C] [m] [m] [V/m]= 𝑉 𝑑 =電場の強さ E 電V 位 差 練習問題 31 以下の各問いの にあてはまるもっと も適切なものを解答群から選べ。 ただし、k =9.0×10 N・m /C 9 2 2 0 負の金属板からの距離 d とする。 (1) +4.0×10-5Cの点電荷から 0.30 m 離れた点の電場の強さは 5 N/C である。 (2) 一様な電場 3.0×10 N/C の中で、電場にそって 0.30 m はなれた 2 点間の電位差は 4 6 V である。 (3) ある点から 100 V 電位の高い場所へ、3.0 C の電荷を運ぶとき外力のする仕事は 7 J である。 <解答群> ① 3.0×102 ② 3.0×103 ③ 3.0×106 ④ 4.0×102 ⑥ 4.0×106 ⑦ 9.0×102 ⑧ 9.0×103 ⑨ 9.0×106 - 38 - ⑤ 4.0×103 3 コンデンサー 1 コンデンサーの充電と放電 金属のように電気をよく通す物質を導体という。金属には、金属を構成している 原子の中に含まれる電子のうちのいくつかが原子から離れ、金属内を自由に動きま わっている。この電子を自由電子という。電気はこの自由電子の移動によって伝え られている。 次の図のように、2 枚の金属板 A、B を電池に接続すると自由電子が移動し、A が 正、B が負に帯電する。これらの電荷は互いの間の引力によって金属板の向かい合っ た面に集まり、電池を切り離してもそのまま保持される。このように電荷を蓄える ものをコンデンサーといい、電荷を蓄える過程を充電という。また、充電されたコ ンデンサーに電球をつなぐと、蓄えられた自由電子が電球を流れ、電球はしばらく の間点灯しやがて消える。蓄えられた電荷が電流として流れる過程を放電という。 そして、金属板 A、B をコンデンサーの極板または電極という。また、この図のよう に、接近して置かれた1組の金属板を極板とするコンデンサーを平行板コンデンサ ーという。 電流 電流 - - 電子 e 電池 電子 e A B + + + - - - A B + + + + + - - - - - A B + + + - - - - 電子 e 電子 e- <充電> 2 <電池から切り離す> <放電> コンデンサーの電気容量 平行板コンデンサーを電池に接続すると極板 A、B の向かい合う面上にたまった電 荷により、極板間に一様な電場が生じる。 コンデンサーの一方の極板に+Q[C]の 電気量 電荷が帯電すると、他方の極板には必ず + +Q + + + - - - + + 等量異符号の電荷-Q[C]が帯電する。 コンデンサーが蓄える電気量 Q[C]は、 コンデンサーに加える電圧 V[V]に比 例し、比例定数をCとすると、 電位差 V - 電気量 Q = CV - - -Q と表される。 比例定数 C は極板間を 1 V の電位差で充電したときに蓄えられる電気量であり、 電気容量という。電気容量の単位は、 [C/V] (クーロン毎ボルト)となるが、この単 位を[F](ファラッド)とよぶ。通常使われるコンデンサーの電気容量は非常に小 さなものが多く、 [μF] (マイクロファラッド)や[pF] (ピコファラッド)の単位が - 39 - よく使われる。ちなみに 1μF = 10-6 F 、1pF = 10-12 F である。 平行板コンデンサーの電気容量は、実験から、 「極板面積 S[m2]に比例し、極板 間隔 d[m]に反比例する。」ことが確認されている。比例定数を 𝜀 とすると、 C = 𝜀 𝑆 𝑑 となり、 𝜀 を誘電率という。真空の誘電率 𝜀0 は 𝜀0 = 1 4𝜋𝑘0 = 8.85×10-12 F/m であり、空気の誘電率もほぼこれに等しい。 前図の 2 枚の極板間の電界の強さを考えよう。2 枚の極板間の電気力線の本数は 4πkQ 本である。したがって、単位面積当たりの本数が電界の強さ E[N/C]に等 しいので、 E = 4πk Q = 1 4𝜋𝑘 すなわち 𝑄 𝑆 × となる。 一方、E = 𝑆 𝑑 𝜀 = × V 1 4𝜋𝑘 𝑉 であるから 𝑑 となり、C = 1 4𝜋𝑘 C = 𝜀 とすると × 𝑆 𝑑 𝑆 𝑑 となり、 上の式と同じになる。 練習問題 32 面積が 3.37 m2 の 2 枚の金属板を 1.0×10-3 m 離して平行に置き、平行板コンデン サーをつくった。空気の誘電率を 8.9×10-12 F/m とする。以下の各問の にあ てはまるもっとも適切なものを下の解答群から選べ。 (1) このコンデンサーの電気容量は 8 F である。 (2) このコンデンサーに 50 V の電圧をかけたとき、蓄えられる電気量は 9 C で ある。 (3) このとき、極板間にできる電界の強さは 10 V/m である。 <解答群> ① 3.0×10-8 ② 3.0×10-6 ③ 3.0×10-4 ④ 1.5×10-8 ⑥ 1.5×10-4 ⑦ 5.0×102 ⑧ 5.0×104 ⑨ 5.0×106 ⑤ 1.5×10-6 練習問題 33 電気容量 6.0 μF の平行板コンデンサーを電位差 1.5 V で充電したあと、次の操作を - 40 - した。以下の各問の にあてはまるもっとも適切なものを下の解答群から選べ。 (1) 充電後、電池を切り離して極板の間隔を2倍にした。極板間の電位差は 11 V となる。 (2) 充電後、電池をつないだまま極板の間隔を2倍にした。コンデンサーに蓄えられる 電荷は 12 C となる。 <解答群> ① 1.5 ② 3.0 ⑦ 3.0×10-6 3 ③ 4.5 ④ 6.0 ⑧ 4.5×10-6 ⑥ 1.5×10-6 ⑤ 7.5 ⑨ 6.0×10-6 コンデンサーの接続 電気回路図の中で、電気部品を表す記号として 右図のものが使われる。以下、複数のコンデンサー <電気回路図中の記号> の接続について、電気容量や蓄えられる電気量等を 調べる。 電池 (1)並列接続 次の図のように、電気容量 C1、C2 の2つのコン デンサーを並列につないだときの全体の電気容量を 抵抗 考える。 1 つのコンデンサーとみなす C1 +Q1 V C2 +Q2 -Q1 -Q2 コンデンサー +Q V C -Q 並列接続 コンデンサーC 1、C 2 に等しい電圧 V がかかり、それぞれに蓄えられる電気量を Q 1、Q 2 とすると、 Q1 = C1V 、Q 2 = C 2 V となり C V = C1 V + C2 V Q = Q1 + Q2 ゆえに であるから C = C1 + C2 一般に、C 1、C 2、C 3、…、C n の n 個のコンデンサーを並列に接続した場合の全体の 電気容量(これを「合成容量」という)C は C = C1 + C2 + C3 + - 41 - … + Cn である。 (2)直列接続 1 つのコンデンサーとみなす C1 +Q 1 -Q1 V1 +Q V V C 2 +Q 2 -Q 2 C -Q V2 直列接続 電気容量 C1、C2 の2つのコンデンサーを上図のように直列に接続したときの全体 の電気容量(合成容量)を求める。コンデンサーC1、C2 にはそれぞれ V1、V2 の電 圧がかかっているとする。 を C とすると Q1 = C1V1 、 Q2 = C2V2 Q = CV となる。そして、V = であり、合成容量 V1 + V2 である。 また、C1 の負の極板と C2 の正の極板の電気量の合計は 0 であるから、 -Q1 + Q2 = 0 𝑄 V = 𝐶 ゆえに、 𝑄 、V1 = 1 𝐶 = Q1 = Q2 したがって 𝐶1 1 𝐶1 、V2 = + 𝑄 である。これを Q とすると、 であるから、 𝐶2 𝑄 = 𝐶 𝑄 𝐶1 + 𝑄 𝐶2 となる。 1 𝐶2 一般に、C 1、C 2、C 3、…、C n の n 個のコンデンサーを直列に接続した場合の合成 容量 C は 1 𝐶 = 1 𝐶1 + 1 𝐶2 + 1 𝐶3 + … + 1 𝐶𝑛 で求められる。 練習問題 34 電気容量 2.0 μF と 6.0 μF のコンデンサーを並列に接続したときの合成抵抗は 13 μF であり、直列に接続したときには 14 μF である。 にあてはまるもっとも適切なものを下の解答群から選べ。 <解答群> ① 1.5 ⑥ 8.0 ② 3.0 ⑦ 9.0 ③ 4.5 ⑧ 10 ④ 6.0 ⑤ 7.5 ⑨ 11 練習問題 35 電気容量が 10μF のコンデンサーC1 と 40μF のコンデンサーC2 を直列に接続して、 3.0V の電池につないだ。合成容量は 15 μF であり、C1 に加わる電圧は - 42 - 16 V であり、C2 に加わる電圧は 17 V である。 にあてはまるもっとも適切なものを下の解答群から選べ。 <解答群> ① 0.40 ② 0.60 ⑧ 8.0 ⑨ 9.6 ③ 0.80 ④ 1.0 - 43 - ⑤ 1.2 ⑥ 2.4 ⑦ 4.8 4 電流 1 電流 物質中を自由電子やイオンが移動すると電流が流れる。一定の向きに流れる電流を 直流という。電流の単位には アンペア( 記号 A )を用い、1 A は導線の断面を 1 秒 間に 1 C の電気量が通過するときの電流値であると定義している。したがって、移動す る電気量 Q と電流 I の間には、 したがって、 Q = I t の関係がある。 1C = 1 A・s である。 なお、金属中の電流は、自由電子が移動することによって生じる。電流の向きは正 の電気の流れの向きと定められているので、電流の向きは負の電気を持つ自由電子の 流れと逆になっている。 2 オームの法則 金属のような電気をよく通す導体では、長さ・太さ(断面積)・材質によって、電流 の流れ方は異なってくる。電流の流れにくさを 電気抵抗 または 単に 抵抗 という。 電気抵抗の単位には オーム ( 記号 Ω)が用いられ、1 Ω は導体の両端に 1 V の 電圧を加えたとき、導体を流れる電流が 1 A になるときの抵抗値である。回路の電気抵 抗を R [Ω]、電圧を V [V]、電流を I [A] とすると、 I = これを 𝑉 オームの法則 の関係がある。 V=RI 𝑅 という。 練習問題 36 3.0 V の電圧を加えたら、0.1 A の電流が流れる導体の電気抵抗は 18 Ω である。 にあてはまるもっとも適切なものを下の解答群から選べ。 <解答群> ① 10 3 ② 20 ③ 30 ④ 40 ⑤ 50 ⑥ 60 ⑦ 70 抵抗の接続 電気回路には、コンデンサーや抵抗など、いろいろな電気部品が使われ、必要に応 じて直列や並列にそれらが接続される。ここでは、抵抗の直列接続や並列接続につい て調べる。 (1)直列接続 次の図のように、抵抗 R1 、R2 を直列に接続し、電池 V に接続する。回路に流れ る電流は、どこでも同じであるから、その電流値を I とすると、オームの法則から V1 = R1 I 、V2 = R2 I となり、V = V1 + V2 V = R1 I + R2 I =( R1 + R2 )I すると V = R I から から となり、全体の抵抗(合成抵抗)を R と R = R1 + R2 - 44 - となる。 1 つの抵抗とみなす R1 I V1 R V V R2 I 合 成 抵 抗 V2 直列接続 一般に、R1 、R2 、R3 、…、 Rn を直列に接続すると、合成抵抗 R は、 R = R1 + R2 + R3 + … + Rn となる。 (2)並列接続 次の図のように、抵抗 R1 、R2 を並列に接続し、電池 V に接続する。回路全 体の電流を I 、抵抗 R1 、R2 に流れる電流を I1、I2 とすると、オームの法則か ら、V = R I 、V = R1 I1 また、I = I1 + I2 、V = R2 I2 1 から 𝑅 = 1 𝑅1 + 1 𝑅2 1 つの抵抗とみなす R2 R1 I2 I1 I V V 合 成 抵 抗 R 一般に、R1 、R2 、R3 、…、 Rn の n 個の抵抗を並列に接続した場合の合成 抵抗 R は 1 𝑅 = 1 𝑅1 + 1 𝑅2 + 1 𝑅3 +…+ 1 𝑅𝑛 となる。 練習問題 37 4.0 Ω の抵抗と 6.0 Ω の抵抗を直列につないだときの合成抵抗は た、並列につないだときの合成抵抗は 20 Ω である。 にあてはまるもっとも適切なものを下の解答群から選べ。 - 45 - 19 Ω である。ま <解答群> ① 1.4 ② 1.8 ⑧ 8.0 ⑨ 10 ③ 2.2 ④ 2.4 ⑤ 4.8 ⑥ 5.2 ⑦ 6.0 練習問題 38 右図の回路内の抵抗は、R1= 4.0[Ω]、 A R2= 10[Ω] 、R3= 15[Ω]である。以下の問 いの にあてはまるもっとも適切なもの R1 を下の解答群から選べ。 (1) BC 間の合成抵抗は 21 Ω である。 (2) AC 間の合成抵抗は 22 Ω である。 B V R2 (3) V=100[V]のとき、 R1を流れる電流は 23 A である。また、R2 を流れる電流は 24 A であり、R3 を流れる電流は 25 R3 C A である。 <解答群> ① 2.0 ② 4.0 ③ 6.0 ④ 8.0 ⑨ 18 - 46 - ⑤ 10 ⑥ 12 ⑦ 14 ⑧ 16
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