無機化学 II 第 4 回課題解答&簡単な解説 問 1. (1) 陽子の数は,水素原子なので全て 1 つ.中性子の数は,質量数-陽子の数.電子数は,中性原子なら 陽子の数と同じ.∴1H:陽子 1,中性子 0,電子 1 2H:陽子 1,中性子 1,電子 1 3H:陽子 1,中性子 2,電子 1 (2) ランダムに水素原子を持ってきたときに,1H をとる確率が 99.985%,2H をとる確率が 0.015%.水素分子を作る =続けて 2 つの水素原子を持ってきたときに,1H1H となる確率=最初に 1H を引いて,次も 1H を引く確率. ∴1H2 の比率=0.99985×0.99985=0.9997,99.97%. 同様に,2H2 となる確率=0.00015×0.00015=2.25×10-8,2.25×10-6 %(~0 としても良い) 1 2 H H の確率は, 「最初に 1H を引き,次に 2H を引く確率」+「最初に 2H を引き,次に 1H を引く確率」で あるので,0.99985×0.00015 + 0.00015×0.99985=0.0002999(~0.0003),0.03%, まとめると,1H2 が 99.97%,2H2 がほぼゼロ,1H2H が 0.03%となる. 問 2. (1) 1 L=1000 cm3.1 L のパラジウムの重さ=1000 cm3 × 12.0 g/cm3 =12000 g. パラジウムの原子量は 106 であるので,1 L のパラジウムは 12000 g ÷ 106 g/mol =113 mol. 問題文より,1 mol のパラジウムは 1 mol の水素原子(1/2 mol の水素分子)を吸蔵出来るのだから,1 L のパラジウムが吸蔵出来る水素原子の量は 113 mol → 113 g. (2) 水素分子の燃焼熱は 0.286 MJ/mol.1 L の Pd が吸蔵している水素「分子」は 113 / 2 =56.5 mol.この 水素が全て燃えたときの燃焼熱は,56.5 mol×0.286 MJ/mol = 16.2 MJ. ※これは 1 L のガソリンの燃焼熱の半分程度であるが,リチウムイオン電池のエネルギー密度と比べると 5 倍程度となる.つまり,水素燃料電池車はリチウムイオン電池を使った電気自動車よりもより多くのエ ネルギーを取り出すことが可能で,航続距離が長くなる(可能性が高い).
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