ベトナム: ベトナムへの中古機械輸入について 2014 年 9 月 3 日 ベトナムの年間の輸入総額約 13,200 億ドル(2013 年)のうち、約 15%に当たる 1,868 億ドルが、機械設備の輸入額です。ベトナムには機械製造産業がほとんどありませんので、 必要な機械の多くは、輸入に頼っている状況です。 ベトナムの輸入総額(2010年~2014年8月) 単位:億ドル 14,000 13,203 12,000 10,675 11,378 9,416 10,000 8,484 その他 8,000 11,335 9,122 6,000 機械輸入額 9,774 7,997 7,126 4,000 2,000 0 1,358 1,553 1,604 1,868 1,419 2010 2011 2012 2013 8/2014 この統計に含まれるのは機械全体の輸入額であり、中古機械の輸入額を示すものではあ りません。中古機械の輸入額を示す統計は無いものの、実際、ベトナムでは中古機械の輸 入が大変多く、日本やドイツなどの先進国はもとより、中国などの近隣国からの輸入も盛 んに行われています。特に日本の工場で使われていた中古機械は状態が良いと評判で、日 本から輸入された日本製の中古機械が、ベトナムの中古設備市場に沢山出回っています。 ベトナム企業も外資系企業も、新品の機械と中古機械を使い分け、ビジネスをしている 会社がほとんどです。ところが、今年 7 月 15 日に産業界全体を揺るがすような規制が発表 されました。ベトナム科学技術省が発表したその規制(通達 20/2014/TT-BKHCN 号)の内 容を要約すると以下のとおりです。 2014 年 9 月 1 日から、ベトナムに輸入する中古機械・設備は次の条件を満たすこと ・使用期間が 5 年以内である ・新品の 80%以上の品質である 使用期間 5 年以内の機械設備が中古市場へ出回る可能性はかなり低いことや、新品に近 い品質が求められていることから、製造業界からは強い反発があり、ベトナム国内では、 ベトナム大手中古機械商社を筆頭に規制に反対する署名運動が起こりました。当デスクが 製造業数社に意見を伺ったところ、以下のような意見がありました。 1. もしこの規制が適用されることになるとベトナムのビジネスリスクは極めて高 くなり、新規の工場建設などは冷え込むであろう。 2. 裾野産業の育成を目指す方針と矛盾するのではないか。 3. 自社工場で使っている設備を自社のベトナム工場に持っていくのだから、設備の 品質は自社で保証できる。 8 月 29 日になって、科学技術省は改めて発表を行い、 (2279/QD-BKHCN 号)、9 月 1 日から の規制は一旦取り消し、内容について改めて練り直すとしました。 中古機械の輸入規制について今後どのような決定がなされるのか、常に注意していく必 要がありそうです。
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