光生物学 説明用スライド

作用スペクトル
• 系の応答や効率を照射する光の波長の関数
として測定したもの
• 系の応答や効率に係わる分子を同定できる
• 例 クロレラの光合成効率
光合成
• 光エネルギーによって、二酸化炭素が炭水化
物に変換される
6CO2+6H2O
光
C6H12O6 +O2
• 光エネルギーによって、ATPが合成される
葉緑体
• 真核生物(藻類と高等植物)では、葉緑体で
光合成が行われる
• チラコイド 小胞
光合成で光を吸収する分子
高等植物の光合成系
光合成系IIの構造
酸素発生複合体
P680
フェオフィチン
キノン(QB )
キノン(QA )
Z機構
化学浸透圧説
• ピーター・ミッチェル
• 1978年ノーベル化学賞受賞
• 細胞の中でどのようにして
ATPが作られるか、について
画期的なアイディアを出した
• 生体膜を隔てて、水素イオ
ンの濃度差ができると、エネ
ルギーが発生する
化学浸透圧説
• 膜を隔てて、水素イオンの濃度差ができると、
エネルギーが発生する
ポンプ
壁
エネルギー
エネルギー
水素イオン濃度差
水位差
水力発電機
ミトコンドリア
の膜
エネルギー
水素イオン
ポンプ
ATP合成酵素
エネルギー(ATP)
桿体細胞
ロドプシンの立体構造
7本のαヘリックス
脂質二重膜
レチナール リジン残基と共有結合
脂質二重膜
H3C
CH3
CH3
CH3
H3C
+H+
H3C
CH3
CH3
CH3
H3C
O
+
H2N
リジン残基
レチナールはポリペプチド鎖の296番目の
リジン残基と共有結合している
NH+
レチナール
ビタミンAの不足によって夜盲症が起こる
ビタミンAはβ-カロテンのようなカロテノイドから生合成される
ロドプシンの化学反応
• 光化学反応
– 二重結合周りの回転
– 200フェムト秒
(2×10-13秒)
– 生体内で起きる最も
速い化学反応
H3C
H3C
CH3
CH3
CH3
シス形
H3C
NH+
光を吸収
CH3
CH3
CH3
NH+
CH3
トランス形
ロドプシンに光が当たる
H3C
CH3
CH3
CH3
シス形
と二重結合部分が回転し,
シス形からトランス形に
変化(光異性化)する
H3C
NH+
光を吸収
H3C
CH3
CH3
トランス形はポリペプ
チド鎖から離れていく
CH3
NH+
CH3
トランス形
ロドプシンの構造が変
化し、他のタンパク質を
活性化する→神経への
信号を生み出す
視覚のサイクル
光異性化反応
• 励起状態を経由して、シス形→トランス形へ
の反応が起きる
シス形 励起状態
シス形 基底状態
トランス形 基底状態
ロドプシンは雑音のほとんどない光検出器
• 光検出器としてロドプシン
– レチナールの異性化反応 ⇒ 信号になる
– 二重結合周りの回転は熱反応では起こらない
(光を吸収しなければ起こらない)
約1000年に1回
– 信号は光によってのみ生じる
• 半導体素子を使った光検出器(デジカメなど)
– 信号は光だけでなく、熱(熱エネルギー)によって
もわずかに生じる
光検出にとっては雑音
– 信号は光以外からも生じる
– 暗い(相対的に光の量が少ない)とき、雑音が問
題になる
ロドプシン
• 錐体細胞
– 3種類のタンパク質
– 赤(R)
– 緑(G)
色の感覚
– 青(B)
• 桿体細胞
– 錐体細胞のものに比べ感度が高い
– 色の感覚には関与しない
色覚を担う光受容タンパク質
吸光度(100に規格化)
桿体細胞
波長 / ナノメートル
錐体細胞
色覚を担う光受容タンパク質
• 光を吸収する分子(レチナール)は共通
• レチナールの周りのタンパク質環境が異なること
で吸収する色が変化する
光の吸収のしやすさ
レチナール
波長 / ナノメートル
タンパク質部分の役割
• レチナールのπ共役系は、周囲の影響を受ける
• タンパク質部分が、レチナールの吸収する波長
をコントロールしている
脂質二重膜
脂質二重膜