素数の逆数和が発散することの証明 風あざみ 2014/04/08 定理:素数の逆数和は発散する。 証明:素数の逆数和が収束すると仮定する。 pn を小さい方から n 番目の素数とする。ある正の整数 k に対して、以下が言 える ∞ ∑ n=k+1 1 1 < pn 2 (1) 十分大きな整数 N をとる。そして 2 種類の集合 A1 , A2 を考える。 A1 ={p1 , p2 , · · · , pk 以外の素数を素因数に持ちえない N 以下の正の整数の集 合} A2 ={p1 , p2 , · · · , pk 以外の素数を素因数に持つ N 以下の正の整数の集合 } 集合 A1 の個数を N1 、集合 A2 の個数を N2 とすると以下が言える。 N = N1 + N2 (2) ここで、A1 の元 x は、平方自由な正の整数 s と正の整数 t の二乗 t2 を用いて x = st2 とかける。s の素因数になりうる素数は、p1 , p2 , · · · , pk のみだから、 √ s はせいぜい 2k 通りしか取れない。また t2 ≤ x ≤ N だから、1 ≤ t ≤ N が √ いえる。よって t も高々[ N ] 個しかとれない。したがって、以下が言える。 √ √ N1 ≤ 2k [ N ] ≤ 2k N (3) また、式(1)より以下も言える。 N2 ≤ ∞ ∑ n=k+1 [ ∞ ∑ N 1 N ]≤N < pn pn 2 (4) n=k+1 式 (3) と式 (4)、および式 (2) より √ N N = N1 + N2 < 2k N + 2 (5) よって、N < 22k+2 がいえるが、N は十分大きいから不合理。よって素数の逆数 和は発散することが言えた。 □ 参考にしたサイト:http://www.renyi.hu/~p_erdos/1938-13.pdf 1
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