KURENAI : Kyoto University Research Information Repository Title Author(s) Citation Issue Date URL The role of endothelin-converting enzyme-1 in the development of α1-adrenergic-stimulated hypertrophy in cultured neonatal rat cardiac myocytes( Abstract_要旨 ) Kaburagi, Satoshi Kyoto University (京都大学) 2001-03-23 http://hdl.handle.net/2433/150597 Right Type Textversion Thesis or Dissertation none Kyoto University 【6 6 8】 し かぶ ら ぎ 鏑 木 学位( 専攻分野) 博 士 学 位 記 番 号 論 医 博 第 17 47号 学位授与の 日付 平 成 13 年 3 月 23 日 学位授与の要件 学 位 規 則 第 4 条 第 2項 該 当 氏 名 学位 論文題 目 さと 敏 ( 医 志 学) ㌔ Ther ol eofe ndot he l i nc onve r t i ng e nz yme-1i nt hede ve l opme ntof α1adr e ne r gl CS t i mul a t e dhype r t r ophyi nc ul t ur edneonat alr a tc a r di ac myoc yt es ( 培養心筋細胞肥大 におけるエ ン ドセリン変換酵素の役割 に関する研究) ( 主 査) 論文調査委貞 教 授 中 尾 - 和/ 論 文 内 教 授 篠 山 重 威 容 の 要 教 授 野 間 昭 典 旨 【目的】種 々の血行動態的ス トレスに対 して心臓 は肥大 という形で代償機転 を作動 させ る。 しか し,ス トレスの継続 により この心肥大 とい う代償機構 は破綻 をきた し,心臓 は収縮機能不全 に陥る。この心機能不全は種々の心疾患の共通最終像であ り, この間題 を解決することは臨床的 に極めて重要であるが,代償か ら心不全へ至 る詳細な分子機構 は明 らかではない。 エ ン ドセ リン1( ET1)は培養内皮細胞 よ り単離 された血管収縮物質 として発見 されたがその級,局所 における成長因 子 として代償性心肥大か ら心不全への移行 に重要な役割 を果た している可能性が示唆 され注 目されている。 一方, ビッグエ ン ドセ リン1( bi gET1)を ET1に変換す るモ ン ドセリン変換酵素 ( ECE1)は,正常時の心筋細胞ではその発現 は認 め られていない。bi gET1はその活性が( e ) ET1の 1/1 0 0と低いので,ECE1による変換 は ET1の活性発現 において 重要なステ ップである と考 えられる。 今 回,α1 交感神経刺激 による心筋細胞の ET1産生克進 に ECE1が関与 しうるか どうかを,培養心筋細胞で検討 した。 【方法コ生後 1-2日の新生 SD ラッ トよ り心筋細胞 を回収分離 し,培養2 4時間後 に,生食で刺激 した群 を c o nt r olとして, 1 0-4M Phe nyl e phr i ne( PE)で ET1産生 を心筋細胞 に刺激 し,各種検討 を行 った。 【結果】 1 0 4M PE刺激後,抗 ET1抗体 を用いて免疫染色 を行 った ところ PE により培養心筋細胞で ET1の発現が著明 に誘発 されていた。 培養液中の ET1濃度 と bi gET-1濃度 を酵素免疫法 により定量 したところ,培養液中の ET1濃度は PE により有意 に 上昇 していたが,bi gET1濃度は PE による上昇は認めなかった。 ECE1遺伝子の心筋細胞での発現 を RTPCR法 により半定量 した。ECE1の発現 は PE による刺激 3時間後 より c o n6 倍 に上昇 し,1 2 時間後 も上昇 した状態 を維持 し,4 8時間後 には c o nt r olとほぼ同様の レベルになっていた。 t r o lの3. ECE1が PE刺 激 に よる蛋 白合 成増 加 に関与 してい るか どうか を検討 す る 目的 で ECE1の特異 的 阻害剤 であ る FR9 01 5 3 3を用い,心筋細胞の蛋 白合成能 はフェニルアラニ ン取 り込み率 によ り定量 した。c o nt r o l群 を1 0 0% として比較す ると,PE投与群で取 り込み率 は8 0%の増加 を認め,FR9 01 5 3 3 投与 によりこの取 り込み率の増大 は1 8%に抑制 された。 心肥大の遺伝子 レベルでの指標 として PE による βmyos i nhe a vyc ha i n( βMHC)遺伝子 と ANF遺伝子のプロモータ ー活性 の上昇 に ECE1が関与 してい るか どうか を検討 した。βMHC pr omo t e rを組み込 んだルシフェラーゼ遺伝子 と ANFpr o mo t e rを組み込んだルシフェラーゼ遺伝子 を心筋細胞内に 廿a ns f e c t i o nL,4 8時間培養後 にルシフェラーゼアッセ イを行 った。βMHC活性 は c o nt r ol群 と比較 して PE により約 2倍 に増加 し,FR9 0 1 5 3 3を加 えることによりこの増加はほ ぼ完全 に抑制 された。ANF p r o mo t e r活性 は c o nt r ol群 と比較 して,PE により約 5倍の増加 を認めたが,FR9 01 5 3 3を加 え て もこの上昇は抑制 されなかった。 【総括】ECE1による bi gET1か ら ET1への変換 は心筋細胞肥大 において重要な役割 を果た している可能性が示唆 さ れた。 -1 5 7 7- 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 本研究では,心筋細胞肥大 におけるエ ン ドセ リン1( ET1)の産生克進 においてエン ドセ リン変換酵素 ( ECE1 )が関 与 しているか どうかを,培養心筋細胞で検討 した。 新生 SD ラッ トより心筋細胞 を回収分離 し培養2 4時間後 に生食で刺激 o nt r olとして,1 0ー4M Phe nyl e phr i ne( PE)で心筋細胞 を刺激 し,各種検討 を行 った。 した群 を c 培養液中 ET1 1濃度 は PE によ り有意 に上昇 していたが,bi gET1濃度は PE による上昇は認め られず,PE によりbi g ET1か ら ET1の変換が克進 していた。ECE1遺伝子の発現 を RTI PCR法 により半定量 したとふ ころ,ECE1は PE によ る刺激 3時間後 よ り上昇 し,1 2時間後 も上昇 した状態 を維持 し,4 8時間後 には c o nt r olとほぼ同様の レベルになっていた。 pE により心筋細胞の蛋 白合成能は増加 し,ECE1の特異的阻害剤である FR9 01 5 3 3 投与 により蛋 白合成能の増大は抑制 さ れた。針MHC プロモー ター活性 は PE によ り有意 に増加 し,FR9 01 5 3 3 投与 によ りとの増加 はほぼ完全 に抑制 された。 ANFプロモーター活性 は PE によ り優位 な増加 を認めたが,FR9 01 5 3 3を加 えてもこの上昇 は抑制 されなかった。以上の結 果 よりECE1による bi gET1か ら ET1への変換 は心筋細胞肥大 において重要な役割 を果た している可能性が示唆 され た。 以上の研究は心肥大か ら心不全-の進展機転 に関するエ ン ドセ リン変換酵素の関与の解明に貢献 し,心不全の病態の理解 ・治療 に寄与するところが多い。 したがって,本論文は博士 (医学)の学位論文 として価値あるもの と認める。 なお,本学位授与申請者 は,平成 1 3 年 2月2 6日実施の論文内容 とそれに関連 した試問を受け,合格 と認め られたものであ る。 -1 5 7 8-
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