第 16 回全国学校飼育動物研究大会 平成 26 年8月30日(土)13 時~17 時<受付 12:30> 東京大学弥生講堂一条ホール 東京都文京区弥生 1-1-1(東京メトロ南北線東大前下車) 基調講演 豊かな人間性の育成に資する動物飼育 赤堀博行先生 文部科学省教科調査官 プログラム 12:30 受付開始・開場 16:00 パネル発表・動物ふれあい 13:00 開会行事 16:30 講評 13:20 基調講演 16:45 全国学校飼育動物研究会総会 14:30 口頭発表 17:00 終了 発表者・発表団体 (発表内容は裏面) <口頭発表・パネル発表> ①福岡市立飯倉中央小学校 八木良子氏 ②京都教育大学附属幼稚園 光村智香子氏,高野史朗氏 ③福井県獣医師会 泉本桂子氏 <パネル発表> ④横浜国立大学教育人間科学部附属鎌倉小学校 ⑤おかやま希望学園吉備高原のびのび小学校 三野浩一氏 日名育子氏 ⑥武蔵野大学附属幼稚園 ⑦千葉県立成田西陵高等学校 清水敏夫氏 「うさぎとふれあい体験実習」 公益社団法人群馬県獣医師会 *終了後に懇親を深め情報交換する会を 千円会費で開催します。 後援(いずれも申請中) 文部科学省、東京都教育委員会、全国小学校道徳教育研究会、全国小学校理科研究協議会、 全国小学校生活科・総合的な学習教育研究協議会、公益社団法人日本獣医師会、公益社団法人東 京都獣医師会、一般社団法人日本小動物獣医師会 お申し込みはこちら 参加費・資料代 500円(当日受付でお支払いください) 参加申込は「氏名,所属,連絡先,懇親会参加の有無」を明記の上, メールでお願いいたします。[email protected] 詳細については http://www13.plala.or.jp/schoolanimals/をご覧ください。 発表内容(口頭発表及びパネル発表) 福岡市立飯倉中央小学校 八木良子氏 「いのちってあったかい~学校飼育動物の有効な活用について~」 去年の全国学校飼育動物研究大会で紹介された「ゆめのすけ事件」(東京、ウサギを蹴り殺した事件の中で唯一小学校の時 に飼育委員を経験した子が仲間にやめるように言った)に、命を軽視する風潮を改善する光が見えるように感じたのは私だけ ではないと思う。学校飼育動物をいつくしみ、その「いのち」のあたたかさを感じる機会がふえれば、子ども達が自分の「い のち」、周りの人の「いのち」 、小さなほかの生き物の「いのち」を大切にする心情が育つと考える。学校飼育動物を学校の学 習活動のいろいろな場面で活用した実践例と、長年指導・助言をいただいているある獣医師の活動をご紹介したいと思う。 京都教育大学附属幼稚園 光村智香子氏、高野史朗氏 「生き物と共に育つ保育のあり方」 幼稚園の飼育活動における子どもたちの育ちを具体的な姿から検証したいと考え、平成 25 年度から「生き物と共に育つ保 育のあり方」というテーマで研究を行っている。保育の中で生き物とかかわっている幼児の具体的な事例を読み解く過程から 生き物との五感を通した直接体験の中で、幼児が心情・思考(科学的思考)を育む姿が見られた。3歳児は教師が生き物にかか わる姿から興味をもち、生き物の様子に自分の経験や体験を重ね合わせていく。4歳児は生き物とかかわる中で発見したこと、 思ったことを言葉や身振りなど自分なりに表現することで、それが他児へと伝わり興味が広がっていく。5歳児は生き物への 心情の深まりとともに興味をもったり疑問に思ったりしたことを自分なりに知ろうとし、より生き物の生態に沿ったかかわり を理解し、また行動するようになってくる。口頭発表では、このような育ちについて、幼児の具体的な事例を通して発表する。 福井県獣医師会 泉本桂子氏 「学校飼育動物を支援する獣医師会~子どもたちの笑顔のために獣医師としてできること~」 福井県獣医師会では3年前より学校飼育動物モデル校を募集し県下の小学校で動物飼育の支援を行っている。モデル校では 治療、飼育相談、飼育費用等を獣医師会が提供している。モデル校募集の背景には福井県内の学校動物飼育が激減したこと、 平成23年度からの小学校1・2年生の生活科において動植物の継続的な飼育・栽培が盛り込まれた事があげられる。飼育導 入時から学校と関わることで、適切な動物飼育、教育現場の負担を軽減し、「優しさあふれる福井っ子」の育成に協力してい る。獣医師としてお手伝いできることを模索しながら始まったモデル校での実践活動と、今後の展望を発表する。 発表内容(パネル発表) 横浜国立大学教育人間科学部附属鎌倉小学校 三野浩一氏 「アイガモのアイちゃんといっしょ!気付きを高める継続飼育」 私はクラスでアイガモを教材として生活科の授業デザインを行ってきた。継続飼育の期間は、1 年生の6月から2年生の終 わりまでの22ヶ月間です。アイガモは水田でのアイガモ農法がよく知られているが、私のクラスでは、米作りとは関係無く、 クラスのみんなで育てる生き物として選んだ。アイガモの継続飼育をしていく一番のねらいは、アイガモを育てることで、子 ども達が自分自身の成長に気付き、さらなる自分自身の成長を願う気持ちを育てることにあった。このようなねらいで行って きた2年間の継続飼育の記録と,学校での継続飼育における保護者の役割について報告したい。 学校法人おかやま希望学園吉備高原のびのび小学校 日名 育子氏 「生活と教育の中にとけ込んだ飼育活動」 本校は既存の学校になじみにくい児童を受け入れ義務教育を保障している学校である。子ども達の生きる意欲、学ぶ意欲を 回復するために、本物の自然の中で動植物にふれる体験学習を大切にしている。動物の飼育や作物の栽培などが生活と教育の 中にとけ込んでいる。開校以来、牛、ヒツジ、ポニー、犬、ウサギ、ヤギなどの動物飼育活動にみんなで取り組んできた。現 在は、犬の「クロ」とヤギの「イーター」を世話している。飼育活動を通して、命の尊さを実感したり、やさしい心を醸成し たり、責任をもって生き物の世話をしたりするということをねらっているのは勿論であるが、「不登校」を経験してきた子ど も達にとっては、動物の飼育は、何よりも心の癒しになっていると感じている。岡山県獣医師会と連携しながら安全で適切な 飼育活動をすすめていきたい。 武蔵野大学附属幼稚園 「特色ある教育活動の一角をになう、動物飼育体験」 本園の庭や保育室では、たくさんの生き物を飼っており、園児達が自ら世話をすることで、生きているものへの愛情を育み やさしい気持ちが育つようにしている。年中組はうさぎ、年長組はにわとりの飼育当番となっており、当番はだいたい月に1 回である。年少組は動物をかわいいと思ってもらうことを第一に考えているので、モルモットを身近に飼う試みをしている。 当番には参加しないが、年長組や年中組のおにいさん・おねえさん達がお世話をしている姿を見ると自然に近寄ってくる。 千葉県立成田西陵高等学校 清水 敏夫氏 「動物を導入した地域交流と生命の大切さを学ばせる体験活動について」 高等学校学習指導要領に提示された科目「生物活用」の目標には、「園芸作物と社会動物の活用に必要な知識と技術を習得 させ、園芸作物と社会動物の特性及び園芸と動物を活用したセラピーの特質を理解させるとともに、生活の質の向上や健康の 改善を図る能力と態度を育てる」とある。本校は、昆虫の飼育を通し地域交流を実現させるため、平成 18 年度に学校内に「昆 虫館」を設立した。生徒が日頃学習した内容を展示発表し、4~9 月の第 4 土曜日に一般へ公開している。一年以上に渡って 継続的に飼育管理を行い、昆虫の繁殖や死など様々な経験を重ねる中で、生命の尊厳・偉大さを学び、豊かな心を育成するな ど教育効果をあげている。それは、これらが植物の栽培同様、飼育を通して「生命の大切さ」をより身近に感じさせる教材と なっているからである。社会動物の活用に必要な知識と技術を習得させ、「生命の大切さを学ばせる」ための体験活動の設定 とその授業の展開方法について研究報告する。
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