平 成 28年 12月 7日 各位 出光昭介氏・日章興産代理人 弁護士 浜 田 卓二郎 弁護士 神 部 健 一 本日の日本経済新聞の報道について 冠省 本日の日本経済新聞の報道について、お問い合わせがありましたので、以下のとおり出光 昭介氏らの見解を報告します。 草々 記 同報道に記された計画を、仮に、出光興産が今後進めることがあったならば、以下の点で 問題があると考えます。 1. 昭和シェル石油株式の取得について (1). 形 式 的 特 別 関 係 者 形 式 的 特 別 関 係 者 で あ る 出 光 昭 介 氏 は 、平 成 28 年 8 月 3 日 に 、昭 和 シ ェ ル 石 油 株 式 の 取得を公表しましたが、それ以降の取得の有無・取得数等を出光興産に一切伝えてい ません。 出光昭介氏の昭和シェル石油所有株式の現時点の所有数を把握していないと、出光興 産 は 公 開 買 付 義 務 が 生 じ な い 1/3 の 基 準 に 抵 触 し て い な い か を 判 断 す る こ と は で き ま せん。 (2). 実 質 的 特 別 関 係 者 ∼ サ ウ ジ ア ラ ム コ 一 部 報 道 に よ れ ば 、昭 和 シ ェ ル 石 油 の 14.96% の 株 式 を 所 有 し て い る サ ウ ジ ア ラ ム コ 社 の関係者と、出光興産は接触・協議しており、そこでは出光興産が昭和シェル株式を 取得した後の議決権の行使、役員構成等に関する事項についての協議があり、実質的 特別関係者に該当していると推認されます。該当するか否かは、文書・口頭だけでな く黙示の合意によっても認定されると解されています。 したがって出光昭介氏ら形式的特別関係者のほかに、サウジアラムコ社の保有する 14.96% の 株 式 も 加 算 し て 、 1/3 の 基 準 に 抵 触 し て い な い か を 判 断 し な け れ ば な ら な い と考えられます。 1 上記の点については、出光興産が金融商品取引法違反を犯さぬよう、関係当局にも相 談しております。 2. 信託銀行について 議決権行使について信託銀行に委託する形式により金融商品取引法の公開買付義務を 回避しようという意図のようです。 しかし、これは金融商品取引法の公開買付義務を形式的に潜り抜けるための、いわゆ る脱法行為の実現を目的とした信託であり、正当な信託目的が認められません。信託 期間についても創業家と合意できるまで、という通常の信託契約では考えられない定 めになると推測されます。 このような信託は、全うな信託銀行であれば、受託しないと考えられます。 ま た 出 光 興 産 の 経 営 判 断 の 観 点 か ら も 、議 決 権 を 行 使 し な い 昭 和 シ ェ ル 石 油 株 式 8%を 数百億円も拠出して取得する合理性は認められません。 3. 昭和シェル石油への増資について 合併という会社の根幹にかかわる事項に関し、見解が異なる状況下での増資は、株主 の反対により株主総会で決議できない合併議案を、取締役らが合併に賛同する者に対 し議決権を付与して合併議案を通そうというものであって、到底承服できません。 そのような増資をする場合は、発行差止のための法的措置を講じます。 4. 出光興産は、昭和シェル石油との合併を目的に、同株式を取得したが、後日、合併に 必要な株主総会の決議が可決できないことを認めざるを得なくなった経緯です。しか し、同株式の取得契約を解除すると多額の損害賠償が生じ責任を問われかねないため に、これを履行するための方便として、今になって事業提携を持ち出さざるをえなく なったと考えられます。 以上のとおりですので、出光興産は、本日の報道の内容を、今後実行されることはないと 考えております。 以上 2
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