10章演習問題

化学反応速度論
演習問題解答
2014 11 26
10・2
反応式は、2A + B → 4C + 3D であるから、
A, B の減少速度を rA, rB, C, D の生成速度を rC, rD とすれば、反応式の両論係数から、
rA =
2 r
C
4
rB =
1 r
C
4
rD =
3 r
C
4
となる。ここで、rC = 3.2 mol dm-3 s-1 であるから、
rA = 3.2×1/2 = 1.6 mol dm-3 s-1, rB = 3.2×1/4 = 0.80 mol dm-3 s-1, rD = 3.2×3/4 = 2.4 mol dm-3 s-1
となる。
10・4
問題文より速度式は、v = kr [A] [B] [C] で表される。ここで、等式の左辺と右辺の単位は一
致しなければならないから、単位だけを取りだすと、
左辺 = mol dm-3 s-1、右辺 = kr×(mol dm-3)3 となる。
ここで両辺の単位が一致するためには、
mol dm-3 s-1 = kr×(mol dm-3)3, kr = (mol dm-3)-2 s-1 = mol-2 dm6 s-1 となる。
10・12
問題文より 1.22×104 s かかってエタノールのモル濃度が 220 mmol dm-3 から 56.0 mmol dm-3
まで変化し、かつこの反応が1次反応であることから、1次の速度式を使って速度定数を
求める。
ここで、1次の積分形速度式は、
[A]
56.0
ln
= k・t
であるから、 ln
=  k・1.22×104
[A]0
220
1.368 =  k・1.22×104,
k = 1.12×104 s-1
10・14
問題文より 1.22×104 s かかってエタノールのモル濃度が 220 mmol dm-3 から 56.0 mmol dm-3
まで変化し、かつこの反応が2次反応であることから、2次の速度式を使って速度定数を
求める。
ここで、2次の積分形速度式は、
1
1

= k・t
[A]0
[A]
であるから、
.01331 = k・1.22×104 ,
[A]0  [A]
[A] [A]0
= k・t ,
220 56.0
220×56.0
= k・1.22×104
k = 1.09×10 mmol dm-3 s-1 = 1.09×10 mol dm-3 s-1
10・17
1
3
N2  H2
2
2
ここで、アンモニアの分圧を PNH 3 とすれば、速度式は、
反応式: NH 3 

dPNH 3
dt

 k  PNH 3

0
 k 。これを整理すると、  dPNH 3  k  dt となるから、積分して、
0
 PNH 3  k  t  C( C は積分定数)
。ここで初期条件より、C   PNH
となるから、速度式は、
3
0
 PNH 3  k  t  PNH
,
3
0
PNH
 PNH 3  k  t となる。
3
化学反応速度論
演習問題解答
2014 11 26
(a)
0
770
問題文より PNH
 21  103 Pa 、 PNH
 10  103 Pa であるから、
3
3
0
PNH
 PNH 3  21  103  10  103  k  770 となるから、これを解いて、 k  14 Pa s -1 。
3
(b)
アンモニアが全て反応すると PNH 3  0 となるから、
0
0
0
0
PNH
 PNH 3  PNH
 0  PNH
 k  t となる。ここで、 PNH
 21  103 Pa かつ k  14 Pa s -1 で
3
3
3
3
あるから、これらを代入して、
21  10 3  14  t , t  1.5  103  1500 s となる。
10・27
1次反応であり、半減期が 5730a であるから、
0.5  [14 C]0
[14 C]
ln 14
 ln 14
 ln 0.5   k  t   k  5730
[ C]0
[ C]0
 0.693
 1.21  10  4 a 1
 5730
考古学試料の 14 C 濃度は生きている木の 0.69 であるから(生きている木は代謝により常
に新しい 14 C を取り込むため濃度が変化しないと考える)、
0.69[14 C]0
ln 14
 ln 0.69   k  t  1.21  10  4  t
[ C]0
k
t
 0.371
 3066 a  3.1  10 3 a
4
 1.21  10
10・31
反応式: 2 A  P
問題文より、kr = 1.44 dm3 mol-1 s-1 であり、2次反応であるから、
1
1

= k・t ,
[A]0
[A]
[A]0  [A]
[A] [A]0
= k・t
ここで、求める時間は、濃度が 0.460 mol dm-3 から 0.046 mol dm-3 に変わるまでの時間だ
から、これらを代入して、
0.460 0.046.
= 1.44・t ,
0
220
0.460×0.046
t = 13.6 s = 14 s
10・33
問題文より、19℃ = 292 K のとき、2.78×10-4 dm3 mol-1 s-1, 37℃ = 310 K のとき、
3.38×10-3 dm3 mol-1 s-1 である。
ここで、アレーニウスの式は、
Ea
k = A e RT
であるから、各々の温度におけるアレーニウスの式を立てると、
Ea
k292 = A e R292
Ea
k310 = A e R310
化学反応速度論
演習問題解答
2014 11 26
二つの式から、
k310
Ea
= exp
R310
k292
k310
k292
ln
=
Ea
R292
,
k310
k292
Ea (292-310)
8.31×310×292
,
Ea = ln
3.38×10-3
2.78×10-4
= 104 kJ mol-1
8.31×310×292
(292-310)
Ea = ln
= exp
k310
k292
Ea (292-310)
R×310×292
8.31×310×292
(292-310)
= 2.50×41790 = 104×103 J mol-1
3
Ea
= 2.78×10-4÷exp 104×10
R292
×292
15
-3 -1
A = 1.14×10 mol dm s
A = k292÷exp
= 2.78×10-4÷2.43×10-19
10・36
温度を 20℃ (293 K)から 27℃ (300 K)に上げると速度定数が 1.41 倍になった訳だから、
k300
k293
= exp
Ea
R300
ln1.41 = 0.344 =
Ea
R293
=1.41
Ea (293-300)
R×300×293
=
7×Ea
8.31×300×293
Ea = 0.344×8.31×300×293/7 = 35.9×103 J mol-1 = 35.9 kJ mol-1
10・46
(a)
速度  k  [ A ] より、
3
d [A]
 k  [ A]3 この式を積分する。
dt
d [ A]
1
  k  dt , [A] 3  d [ A]   k  dt ,  [ A] 2   kt  C
3
[ A]
2
ここで、 t  0  [A]  [A]0 となるから、
1
2
 [ A]0  C よって、
2
1
1
1
1
2
 [ A] 2   kt  [ A]0 ,
 2kt 
2
2
2
2
[ A]
[ A]0

1
1

 2kt
2
[ A] [ A]0 2
化学反応速度論
演習問題解答
2014 11 26
(b)
反応式: A  B  生成物
反応物 A, B の濃度をそれぞれ [A], [B] とし、生成物の濃度を x とする。
(a) [ A]0  [B]0 の時
dx
 k  [ A]  [B]  k  [ A]0  x   [B]0  x 
dt
dx
 k  dt
[ A]0  x   [B]0  x 



1
1
1

 dx  k  dt






[B]

[
A
]
x

[
B
]
x

[
A
]
0
0
0
0



1
 ln x  [B]0   ln x  [ A]0   kt  C
[B]0  [ A]0
 x  [B]0 
 [B]0  x 
1
1
 
  kt  C
 ln
 ln
[B]0  [ A]0
 x  [ A]0  [B]0  [ A]0
 [ A]0  x 
ここで、 t  0  x  0 だから、
1
[B]0
 ln
C
[B]0  [ A]0
[ A]0
 [B]0  x 
1
1
[B]0
  kt 
 ln
 ln
[B]0  [ A]0
[B]0  [ A]0
[ A]0
 [ A]0  x 
  [B]0  x 
1
[B]0 
  ln
 ln
  kt
[B]0  [ A]0   [ A]0  x 
[ A]0 
1
[ A]0 [B]0  x 
 ln
 kt
[B]0  [ A]0
[B]0 [ A]0  x 
(b) [ A]0  [B]0 の時
[ A]0  [B]0  X とすると、
dx
 k  ([ A]0  x )  ([B]0  x )  k  ( X  x )2 となる。
dt
dx
dx
1

 k  dt , 
 kt  C
2
2
( X  x)
(x  X )
(x  X )
ここで、 t  0  x  0 だから、
1
 C となる。
X
1
1
1
1
 X  x X

 kt  , 

 kt ,
 kt
(x  X)
X
x X X
X(x  X )
x
 kt
X(x  X )
最後に X  [ A]0 に戻して、
x
x

 kt となる。
(もちろん [B]0 で表しても良い)
[ A]0 ( x  [ A]0 ) [ A]0 ([ A]0  x )